たまご健康食ブームで町のパン屋さん大弱り!?【米国の卵白事情】
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
今米国では、ヘルシーメニューとして「たまごの白身」だけを使った料理が人気となっています。
たとえば米国マクドナルドで昨年より発売中の「白身だけエッグマフィン」や、ダンキンドーナツの「卵白フラットブレッド」 、ジャックインザボックスの「白身だけ玉子サンドイッチ」などが相次いで発売され、ちょっとしたヒットとなっています。
その結果、業務用取引の卵白が不足し高騰、昨年とくらべて80%も価格が上昇(過去最高)という事態に・・・。 町のパン屋さんや洋菓子屋さんの仕入れ価格に少なくないダメージを与えているのだとか。
むーん、たまごが人気になるのはうれしいですが、これはちょっと問題ありますねー・・・。
◆「カロリー」に過剰に気を使う米国
米国では肥満に悩む方が日本と比較にならないほど多く、その原因の一つとしてカロリーが高く安価な食事を提供している「ファーストフード」がやり玉に挙げられています。
米国ワシントン大学の調査報告によると、世界の太りすぎ・肥満人口は21億人。その内13%がアメリカに住んでおり、これは先進国中トップです。
これをナンとかしようと、現在は大統領夫人のミシェル・オバマ氏が肥満撲滅キャンペーン「レッツ・ムーブ!」 を広く展開するなど、国を挙げての肥満対策中なんですね。
「とにかくカロリーの低いものがウケる!」という状況は、この流れを反映しています。そこで卵白を・・・・・・となったワケです。
◆健康の敵になりたくない米国のファーストフード業界
お隣メキシコも肥満大国なのですが、肥満対策として『「カロリーの高い食品」すべてと「炭酸飲料」すべてに8%もの課税をかける法案』が可決されています。
イッキに8%上乗せって・・・・・・、消費税もビックリですねェ。(^^;)
米国でも同様の法案がたびたび提出されており、米国でもこのような流れとなった場合、ファーストフード業界のダメージはかなり大きなものとなっちゃうわけです。
◆カロリーは低くても健康面では損!?
卵白のカロリーは全卵の1/8しか無く、確かに「ヘルシー」に見えます。ただ、健康の源となる栄養素をメッチャたくさん含んでいるのは黄身なんですね。
たとえば、卵黄のタンパク質にはイソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリンなどの必須アミノ酸をはじめ、ほとんどの有効アミノ酸が含まれており、またアルツハイマー予防に効果が期待されている卵黄コリンなどリン脂質も豊富に含み、「たまごは健康寿命を延ばすヘルスフード」と言われるゆえんとなっています。
カロリーだけで見ると確かに卵白の方が低いのですが、はたして単に低いだけで良いものか・・・?をきちんと考えるべきかもしれません。
◆黄身のコレステロールは血管に詰まらない
ちなみに卵黄のカロリーが高いのは「脂質」を含むからですが、いわゆる“善玉”と言われるものであって、一日10個以上食べ続けても健常者であれば血中コレステロールはほとんど上昇しないというデータもあります(国立栄養学研究所発表)
ぜひ米国の皆様にも、長寿大国&世界一の卵消費国である日本の食べ方を知ってもらえればなー、とおもいます。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。