老鶏だってうまい!
懐かし新し「ひね鳥」、食材ブランド化へ 着ぐるみも登場(産経ニュース)
和歌山県橋本市の橋本商工会議所は、卵を産まなくなった「ひね鳥」を食材にした新ブランド開発に乗り出し、参加希望の飲食店の募集を始めた。キャラクター「ひねキング」と、その着ぐるみを制作し、地域の特産品として売り出す。
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ひね鳥。鶏卵業界では廃鶏(はいけい)とも言います。生後40-60日程度で食べてしまうブロイラーと比べると、肉質は確かに硬いのですが断然肉の旨味が強くでます。「比内地鶏の燻製」と偽って20年間この「ひね鳥」肉を使い続けた食品偽装事件もまだ記憶に新しいですが、裏を返すと老鶏の肉がおいしいという証拠とも言えます。
食肉文化の成熟しているヨーロッパでは、お客さんもチャンとこの老鶏の良さを知っています。お肉屋さんでも、鶏肉の多様性が日本とは全く違うようです。例えばフランスでは、体重500gに成長したヒナ鶏を「プーサン」、オス雛鶏を「コクレ」と呼びます。更に生後7週-12週の若鶏は「プーレ」、特別に太らせたプーレを「プーラルド」、去勢した鶏で3kg以上のものを「シャポン」、成長したオス成鶏を「コック」、そして上記の「ひね鳥(廃鶏)」を「プール」 と呼んでそれぞれ全く異なる食べ方をします。うっかりフランスでお肉屋さんに行くと、聞き返されて大変な目に合うかもしれません(^^;)
焼いて食べるなら若鶏「プーサン」、シチューなら廃鶏「プール」にしよう・・・。こんなカンジで使い分けてるんですね。
現在「ひね鳥(廃鶏)」はあまり使い道がなく、ペットフード用等に加工されているようですが、本当は上記ニュースの橋本商工会議所の取り組みのように「老鶏だからすばらしい!」といえる点をアピールして沢山の方に知ってもらうべきだと思います。おいしい卵を産みつづけてくれた鶏さん、最後まで美味しく食べてあげたいとも感じます。(^^)
まずは呼び名から変えるべきですね。「ひね鳥」、「廃鶏(はいけい)」・・、どっちも食欲湧かないですよね・・・?
(参考文献)「日本の食欲、世界で第何位?」(岡崎大五・新潮社)