カツ丼のタクアンはなぜ二切れなのか?
梅雨が続くなか暑さが増してきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
「なんか、景気良くパーッとしたいよね。」
これは、いつも買いに来てくださるお客様、Yさんの口ぐせ。
この言葉が、全国定食屋さんにおけるカツ丼の付け合わせ、タクアンの「枚数」を決めているといったら、皆さんどう思われますでしょうか?
◆ゲンかつぎだらけ、江戸の料理
老舗のお店で親子丼、カツ丼を頼むと、二切れのタクアンが付いてきます。
かならず、ふた切れ。
なぜでしょう?
天丼を頼んでも、同じです。
実はコレ、江戸の昔から続く縁起かつぎ、集客のおまじないなんです。
一切れ・・・四切れ の枚数のうち、「2」を除く他の数は、
「一切れ」→人斬り
「三切れ」→身斬り
「四切れ」→死
となり、縁起が悪いわけですね。
江戸時代の人々は、この「語感」による縁起をことのほか大事にしており、
例えばスルメなんかも、「する」という言葉がモノを失うという意味(摩る)につながるため、反対の「当たる」という言葉をあてて「あたりめ」と呼んでいました。
もう一つ、「うなぎ」もそうです。 うなぎは腹からさばく方が調理しやすいそうですが、
武士の町江戸では「腹割き」は切腹につながります。 「縁起良くない。」ということで、『背中の方から割く』手法で蒲焼きが作られ、現在に至ります。(※商人の町「上方」では腹からです。面白いですね。)
そういえば、タクアンの語源は「たくわえ」だとの説があります。
黄色(黄金色)のタクアン(貯え)を付けるってのも、もしかしたら縁起かつぎなのかもしれませんね。(^^)