なぜ日本人は江戸時代にたまごを食べ始めたのか?
こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。
日本人にとってたまご料理の歴史は、実はそんなに古くありません。
いや、
もちろんニワトリさんは昔から、
それこそ「神話の時代」から飼っていましたし、
むかしむかし、1000年ほど前には普通に食べていました。
問題は、
仏教が伝来してから。
仏教が広まるにつれて、
「殺生」はいけません!
・・・・・・と、卵を食べることが戒律で禁じられたんですね。
すなわち、
仏教が広まった奈良時代・西暦700年前後から
安土桃山時代あたりまで、
約800年間ものあいだ
たまごは「食べちゃダメな食材」とされちゃったんですねー。
ところが!
江戸時代に入り、
イキナリ卵料理が普及しだすんですね。
江戸時代初期に出版された「江戸料理集」(1674年)には、
温泉玉子やポーチドエッグのような、
いろんな技法を使った玉子料理も多数紹介されています。
江戸5代目将軍・徳川綱吉の治世、
蚊を殺して島流しにされるくらい厳しかった「生類憐みの令」施行下でも、
たまごを食べることについては全然オッケーでした。
どうしてこんな風に変わっちゃったのか??
それは、
「美味しかった」から。
正確に言うと、
「絶品美味しい玉子料理のレシピが、西洋からいろいろ伝わったから」
ということなんですね。
たとえば、
天ぷら
カステラ
なんかもそう。
もともとポルトガルから伝わった料理なんですね。
こういったものを知った日本人は、
「良く考えたら、たまごって生き物じゃないし、食べてもいいんじゃね?」
・・・・・・という解釈に変わったわけです。
※またこの頃に鶏さん自体の飼育方法改良が進み、
「無精卵だから」というエクスキューズもあったようです。
とにかく、
仏教という海外文化を取り入れることで卵を禁じ、
また西洋の文化を取り入れることで
ふたたび卵を食べるようになったわけです。
面白いですねェ。
そして現代、
世界有数のたまご消費国である日本には、
和洋中の美味しいたまご料理がいーっぱい。
多様な文化を受け入れる日本の文化に感謝!です。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。