小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

おいしさ雑学 記事一覧

毎日暑いですね!

NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」では、目玉のおやじが毎朝出ています。まだまだ暑さも続くとの事、ゾクっとする怪談も良いかもしれません。

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というわけで↑ご紹介しましたが、

上記の写真、火の玉ではありません。

 これは「リチャー」と呼ばれる、ウイスキー樽の焼き入れ作業のひとコマ。

一年ほど前ですが、勉強仲間のY社長さんの計らいでサントリー白州工場(山梨県)を見学させていただきました。

本日はその時の様子を少しだけご紹介。

上記の炎、リチャー。

これは、古くなった樽の内側を焼いてやることで、樽の木の香ばしさや色合いをよみがえらせる作業なんです。

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こんな感じでどんどん焼いていきます。

ひと樽ひと樽、手作業。これ、すごく手間がかかっていますね。

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一瞬で火を消すのもまた、職人技のひとつ。ほんのちょっとの水しか使いません。

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そうやって蘇ったウイスキー樽。

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こうして作られた樽とウイスキーが、白秋工場には何十万樽と眠っています。そして、はるか数十年先にお客様のグラスに注がれるのを静かに待っているんですね。

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 そして、今、まさに飲みごろとなったウイスキーの水割り。アテンダントのお姉さんに作っていただきました。

驚いた事に、この「水割りの作り方」にもすごいこだわりが。

最高の香りと味を引き出すための、なんと混ぜる回数まで決まっているんだとか。

これはワクワクする良いこだわりですね。

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飲んでみて、納得!その香りを余すことなく堪能しました。(^^)

<本日の結論>

怪談なんかなくても、白樺の生い茂る白秋に行けばすずしくなります!

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2010年08月25日

 

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先週息子(二歳半)と近くの公園に、お弁当をもって花見に行きました。

妻はあいにく風邪でダウン。なので久しぶりに、お弁当も私が作ることに。(^^)

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折しも桜が満開から散り始め、お弁当箱にも降り積もります。

満足げな息子を見ながら、ふと「おにぎり」と「おむすび」って、どう違うのかな?と気になりました。

ネットで調べてみると、

(1)形状が違う

(2)地域差

(3)丁寧語と俗称

との諸説が。 (1)は△がおにぎり、俵型などほかの形状が「おむすび」という説(注1)。なるほどそんな気もします。

(2)は、西日本がおにぎり、東日本がおむすびとの説。たしかに徳島では「おにぎり」と言います。愛知出身の妻は「おむすび」です。

調べた中では、(3)が最も興味深かったです。おにぎりは握飯(にぎりめし)から、おむすびは御結と書き、宮中で使われた言葉(女房言葉)が転じて丁寧語になったとの説。なるほど「にぎる」よりも「結ぶ」の方が確かに上品な気もしますね。上記(1)の説、無骨なイメージのある△型=「おにぎり」 ともリンクします。

どっちにせよ、どちらの言い方が正式といった決まりは無いようです。身近な食品だからこそ、起源が古く諸説入り乱れているんでしょうね。大変興味深いです。

 

◆おまけ
などとぼんやり考えていたら、息子に置いていかれました。まって!

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(注1)古事記に出てくる「三柱の神の力」を授かる形として、△型を逆におむすびと呼ぶ説もあるそうです。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2010年04月8日

hinedori.jpg懐かし新し「ひね鳥」、食材ブランド化へ 着ぐるみも登場(産経ニュース)
  和歌山県橋本市の橋本商工会議所は、卵を産まなくなった「ひね鳥」を食材にした新ブランド開発に乗り出し、参加希望の飲食店の募集を始めた。キャラクター「ひねキング」と、その着ぐるみを制作し、地域の特産品として売り出す。
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   ひね鳥。鶏卵業界では廃鶏(はいけい)とも言います。生後40-60日程度で食べてしまうブロイラーと比べると、肉質は確かに硬いのですが断然肉の旨味が強くでます。「比内地鶏の燻製」と偽って20年間この「ひね鳥」肉を使い続けた食品偽装事件もまだ記憶に新しいですが、裏を返すと老鶏の肉がおいしいという証拠とも言えます。

   食肉文化の成熟しているヨーロッパでは、お客さんもチャンとこの老鶏の良さを知っています。お肉屋さんでも、鶏肉の多様性が日本とは全く違うようです。例えばフランスでは、体重500gに成長したヒナ鶏を「プーサン」、オス雛鶏を「コクレ」と呼びます。更に生後7週-12週の若鶏は「プーレ」、特別に太らせたプーレを「プーラルド」、去勢した鶏で3kg以上のものを「シャポン」、成長したオス成鶏を「コック」、そして上記の「ひね鳥(廃鶏)」を「プール」 と呼んでそれぞれ全く異なる食べ方をします。うっかりフランスでお肉屋さんに行くと、聞き返されて大変な目に合うかもしれません(^^;)

   焼いて食べるなら若鶏「プーサン」、シチューなら廃鶏「プール」にしよう・・・。こんなカンジで使い分けてるんですね。

   現在「ひね鳥(廃鶏)」はあまり使い道がなく、ペットフード用等に加工されているようですが、本当は上記ニュースの橋本商工会議所の取り組みのように「老鶏だからすばらしい!」といえる点をアピールして沢山の方に知ってもらうべきだと思います。おいしい卵を産みつづけてくれた鶏さん、最後まで美味しく食べてあげたいとも感じます。(^^)

   まずは呼び名から変えるべきですね。「ひね鳥」、「廃鶏(はいけい)」・・、どっちも食欲湧かないですよね・・・?

(参考文献)「日本の食欲、世界で第何位?」(岡崎大五・新潮社)

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2010年03月22日

 

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今読んでいる「面白南極料理人」という、南極ドーム基地の元コックさんが書いた本に、おもしろい話が出てきました。

「人は一年に何キロの食料を食べるのか?」

南極基地があるのはマイナス60℃の極寒の地。当たり前ですが、そこで暮らす人々はその食料を100%大陸外から持ち込まなくてはいけません。

毎日お届けなんてとんでもない。一年に一度だけ、一発勝負の輸送隊を組むんだそうです。必然的に、一人あたりどれだけの食料(ジュースなど飲料も含めて)を食べるのかを前もって考えなくてはなりません。

みなさん、いったいどれくらいだと思いますか?

答えは1トン。

一日あたり、約3kgの計算ですね。

え?こんなに食べるの?? 「もっと少ないでしょ。」そんな感覚もあります。ただ、この重量は容器込み、飲料も込みなので、まぁそんなものかもしれません。(注1)

流通、交通網の発達した現代ではなかなか感じませんが、それこそ隣に畑があって自給自足なんて所でも無い限り、水も含めてほとんどの食品は別の場所から運ばれてきているわけです。その意味では、南極基地とあなたがいつもお茶を買っているコンビニとは、なんら変わりがありません。

一年に一トン。
あなたのために誰かが運んでくれている。
ありがたいですね。

 

(注1)局地へ向かう屈強な男達が食べるから・・、そういう一面もあるかもしれません。

(参考)面白南極料理人(西村 潤・新潮文庫)

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2010年03月15日

昨夜からの寒波、大変ですね。

氷で閉じ込められたり、交通マヒで大変だった方も多いんじゃないでしょうか?

本日はちょっと忙しいので、短めで。

 

◆野菜の花言葉
寒い→といえば実はレタスなんです。

レタスの花言葉は「冷たい人」

ひんやり食べることがほとんどですから、なるほどそうかもしれません。

でも、あっためて食べてもおもしろい食感なんですよね。

個人的においしかった「あったかレタス料理」のレシピをご紹介↓

(レシピ)まろやか〜☆レタスと卵のお味噌汁(クックパッド) 

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2010年01月14日

 

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 以前書いた「味と記憶」についてのお話続きです。

■記憶に残る味がある!?
最近の研究によると、脂っこい食品ほど記憶に残ることが分かっています。

脂質分たっぷりの味・および食べた状況を記憶する事は、原始の人類にとってかなり重要な事柄であったためとも言われています。

脂っこい食品は「おいしかったなー、また食べたい。」といつまでも思いやすいわけですね。

ですから、太り気味な方はむしろ「あっさりした味を、いかに記憶に残すか」を意識すると、無理せず痩せられるかもしれません。

あっさり食を、しっかりと見て五感で味わう。

これだけで、

昔の記憶を“高脂肪の料理”に占有されることなく、「以前食べたあの素麺おいしかったなー。今日のお昼は軽めの素麺にしよう。」となるわけです。

選択的に記憶を強化するという意味では、食べに行ったらメモをとったり、blogmixiに写真をアップするのも重要なんですね。

私も仕事柄よくメモし、よく写真を撮り、そしてこんなblogを書いています。記憶の面で、よっぽどトクしているのかもしれませんね。(^^)

 

(関連)味の記憶、匂いの記憶・・その1

(関連)味の記憶、匂いの記憶・・その2

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2009年12月4日