さてさて、カクテルの語源とたまご鶏の関係その(3)つづきです。
(伝説の闘鶏説)
(たまご屋さん説)
いろんな説があるのですが、その中でもニワトリさんやたまごと絡んだ説がたくさん。 本日はその最も有名なものを。
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◆四角軒説
むかしむかし、アメリカ独立戦争の際
ニューヨークの北、エムスフォードという町に「四角軒」というバーがありました。
そこの女主人、ベッチー・フラナガンさんは
イギリスからの米国独立賛成派。
独立派兵士の応援に、毎晩オリジナルのミックス酒をふるまっていました。
さて、ある日、
ベッチーさんは独立反対派の家に忍び込み、鶏を盗み出しました。
それを調理して、お店で
独立派兵士たちに鶏料理をふるまったんです
ね。
してやったり、とほくそえみ、
その鶏さんの尾羽を
オリジナルドリンクの杯にチョンと飾っていたのですが、
それを見つけた兵士
「このニワトリの羽、いったいなんだい?」
「かくかくしかじか、アンタ達が食べているチキンは、独立反対派のイギリス野郎のところからチョイと拝借したもんだよ。美味いだろ?」
それを聞いた兵士たち、
「うおー!雄鶏の尾羽!ひゃっほう!!!バンザイ!」
と、大騒ぎ。
そこから、お店のオリジナルミックス酒が
「コックテイル(雄鶏の尾羽)」
と呼ばれるようになったそうな。
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以上、カクテルの語源で最も有名な「四角軒説」です。
なかなか面白いですね。
盗んじゃだめだよ! なんて倫理観もありますが、
当時、米国は大英帝国の属州で、かなりの税負担と搾取にあえいでおりました。
「あのやろう!」てな気持ちで
施政側をやりこめるエピソードがやんやともてはやされるのも、無理はない状況だったんですね。
現在この四角軒はもうありませんが、
独立戦争での輝かしい勝利と併せて、痛快な伝説として今もなお語り継がれています。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。