小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

平家滅亡を決めた白い鶏

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

NHK大河「鎌倉殿の13人」
先週は壇ノ浦の回でしたね。

 

幼い安徳天皇の最後、
シーンのセリフの無さが
なおさら辛さを演出してました。

 

ただ、
我が徳島県には

安徳天皇が
その後落ち延びて
山深い祖谷の奥地で
再興していた!

…そんな伝説があります。

 

ほかにも
宮内庁指定だけで
安徳天皇陵は5つ

伝説では
徳島県の伝説含め
十数か所に
『その後の生存の言い伝え』
があるそうで、

そう考えると
ちょっと気持ちが救われますね!

 

 

◆平家滅亡を決めた「白い鶏」

そういえば、平家物語には

壇ノ浦の戦いの
『平家の負け』
を確定させた
ニワトリさん
が出てきます。

 

紀伊国(和歌山)に
熊野水軍の頭領、

湛増(たんぞう)
という豪傑がいました。

源平合戦・壇ノ浦の戦い
に際して

平家と源氏、
どっちに味方するか!?

を決めかねていました。

 

先代のとーちゃんは
平家よりの立場でした。

でも勢いは
どうみても源氏・・・

どうしたものか…

 

考えあぐねた湛増さんは、
闘鶏をして

「ニワトリに決めさせよう」

と考えました。

 

古来、

ニワトリを戦わせて
重要な決め事をしよう

という発想は
日本だけではなく
海外にも広くありました。

天に運を任せる

そのつもりで
闘鶏に運命を託したんですね。

 

『白い』鶏が勝てば源氏
『赤い』鶏なら平氏の
味方をしよう!

そう決めて戦わせました。

 

結果は‥‥‥

白いニワトリさんの勝ち。

白は源氏です。

 

湛増さんは
源氏への味方を決め
壇ノ浦へ出陣します。

 

そうして源氏の勝利へと
つながったわけです。

 

もし赤い鶏が
勝っていたら…

もう少し平家の支配が続き
また違った世の中に
なっていたかもしれません。

 

ちなみに和歌山には、
この故事を祀った
「鬪雞神社(とうけいじんじゃ)」
があります。

◆原種にちかい大きな赤鶏種

ところで、
なぜ湛増さんは
『白いニワトリ』を
源氏にしたのでしょうか?

 

実は源平合戦で言いますと

『白い旗』は源氏
『赤い旗』は平氏なんですね。

紅白歌合戦の「紅白」も、
この源氏・平氏の旗の
色分けから来ています。

 

ただ・・・

ニワトリさんの羽の色は
本来の色は「赤」で、
赤鶏はより原種よりで野生に近く
当時も広く普及していた種でした。

現代では
白いニワトリは
新しい系統で体も小さく、

採卵用鶏種に限ると
赤いニワトリのほうが
だいたい2割ほど
体が大きいんですね。

 

壇ノ浦の戦い当時でも、

白いニワトリは
アルビノ的に
少数生まれてくる
どちらかというと
弱いものでした。

 

普通に考えるなら

「白鶏の方がちょっと
不利だなぁ・・・。」

と感じます。

 

もしかすると湛増さんは

「平氏に味方して
やりたいな。」

という無意識に思って
ひいき目で、

強そうな赤鶏を平氏に
選んだのかもしれません。

 

余談ですが、

赤たまごの価格が
白卵よりちょっと高いのは、
赤鶏の体が大きくて
餌をよく食べるため。

赤たまごがややクセのある風味で
白たまごはスッキリ風味です。

品質的・栄養的に
高い赤卵が上、
という訳じゃないんです。

 

ぜひこの週末は
鎌倉殿の13人を見ながら
滅ぶ平氏に思いをはせて
赤卵の美味しい料理を
楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。