ナポレオン、魅惑のマレンゴ料理
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
偉人とたまご鶏のエピソード、今回はナポレオンさんです。
マレンゴ風料理、って聞いたことありますか?
マレンゴとは、イタリアの地名です。
かつて、ナポレオン・ボナパルトはフランス軍を率いオーストリア軍に打ち勝ち、
このマレンゴ村で小休止を取りました。
残念ながら戦場まで食料供給が追いつかず、
焼け落ちた農家で手に入ったのは
「チキン・たまご・トマト・ニンニク・川エビ(ザリガニ)」という
限られた食材だったんですね。
ナポレオンお付きの料理人デュナンさんは、
たったこれだけの食材に工夫を凝らして、
すばらしい即興料理を作りました。
それを気に入ったナポレオンは、後にたびたび
「あのマレンゴの料理をまた食べたいぞ。」
とリクエストを出したんです。
そこから、この食材に玉ねぎなどを加えた料理が、
「マレンゴ風料理」の定番となりました。
限られた食材を使う、というルールの中、いかに美味しいものを作れるか。
いわば“料理の大喜利”ですね^^
現在にいたるまでいろんなアレンジに多くの方がチャレンジされていまして、
とても面白いです。
漫画「大使閣下の料理人」(講談社)では、『フランス料理は豪華な食材を使うぜいたく料理のイメージがあるが、限られた食材からでも最大限の美味しさを引き出す知恵、これもフランス料理の神髄なんです』とマレンゴ風料理を表現しています。
なるほど、今に至るまでこの料理が引き継がれていることで、フランス料理の奥深さが良くわかりますね。
ナポレオンさんは大のたまごと鶏肉好きだったそうで、
エルバ島を脱出してパリへ戻る道中には
目玉焼きを好んで食べたというエピソードも残っています。
◆なにかと食べ物の逸話が多いナポレオン
さて、ボナパルトさんは、何かと料理と絡んだエピソードを持っている方です。
以前ご紹介した仏ベシエールの巨大オムレツイベントも、
ナポレオンさんが兵士をねぎらうため、
町中の卵をかき集めてオムレツをふるまった故事から続いているお祭りです。
ちなみに皆さんが食べている『缶詰』
これを作らせたのもナポレオンなんですね。
遠征する兵士の“栄養失調”が問題となったことを受けて、
巨大な懸賞金をかけて保存食のアイデアを募ったんです。(当初はコルクで栓をしたビン詰めでした)
もっとも、ナポレオンさん自身は食事に無頓着で、
戦場ではローストチキンとパン・ワインを馬に積んでおいて、
腹が減ったらサッとかじっておしまいだったとか。
たくさんあるナポレオンさん“食”のエピソードは、
けっして美食家だからというわけじゃなくて、
人心掌握の手腕がすばらしかった、ということのようです。
現代でも食事は大事なコミュニケーションのひとつ。
「上司のおごりで一杯」なんてのもそうですよね。
ナポレオンさんも、
部下と仲良くなるにはまず胃袋から、
そんな信条で接していたのかもしれませんねー。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。