レシピ本まで!?画家サルバドール・ダリ晩年のたまご愛
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
たまごと偉人のエピソード第22弾、
今回はスペインの天才画家サルバドール・ダリさん。
ほら、グニャグニャになった時計の幻想画、見たことありませんか?
独特の画風と視点は多くの方を魅了し、シュールレアリスムの代表とまで言われています。
さて、このダリさん、卵が大好きだったのですね。
ダリさんは卵の「カタチの完璧さ」美しさに魅せられ、
また「生命の源」であるという卵の存在そのものに魅力を感じていたようです。
数々のたまごモチーフの作品を残しておられまして、少し紹介しますと‥
これは、「ナルシスの変貌」という作品。
左にいる「うつむいたナルシス」と同じ構図で右に「指で持った卵」が描かれています。
これは「皿の無い皿の上のたまご」という作品。なんと!ダリさんがお母さんのおなかの中にいた頃の記憶を元にしたもの。ぶら下げられている目玉焼きは、へその尾でつながったダリさんご自身なのだとか。うーん、確かに夢に出てきそうなインパクト!
他にもいくつもの卵愛にあふれた作品があるんです。
〇これは夢か…!?幻想的な『ダリ風たまご料理』
そしてあまり知られていませんが、なんと!ダリさん料理レシピ本まで書かれているんですね。画家なのに。
ダリさん小さい頃は料理人になりたかったそうで、有名なグニャグニャの時計の絵『記憶の固執』もカマンベールチーズのとろけ具合からイメージしたものなのだとか。
『ダリ執筆の料理本』が出版されたのは69歳の時。全12章・136ものレシピと盛りだくさんです。フレンチ三ツ星の有名レストランが監修協力している本格っぷり。
さすが天才幻想画家が考えるだけあって、
「ダリ風の料理」
という言葉から受けるイメージ通りの、
なんとも夢に出てくるようなクレイジーな盛りつけです(笑)
もちろん玉子料理もいくつも載ってまして、西洋料理としてはかなりマニアックなたまご料理が紹介されています。また機会を見てぜひご紹介しますね。
〇家も美術館もたまご…!
また、なんといっても、晩年をすごした彼の家が「たまご」なんです。
通称「卵の家」、ポル・リガットというステキな地中海の港町にありまして、お家のあちこちに卵の卵のオブジェが置かれているんです。今は博物館として公開されています。
ちなみに別の町、ダリの生まれ故郷にある「ダリ劇場美術館」はもっとすごくて、外壁や門の車止めも卵だらけです。
〇新たな視点こそ「たまご」!
ダリさんの作画特徴に「ダブルミーニング」というものがあります。ジーッとある物を眺めているとダンダンと別のものに見えてくる。それを捉え、両方の特徴を絵に現すのです。
僕も当社の卵洗浄ラインを眺めていてふと「大名行列みたいだなぁ。」と思ったり、走る電車を眺めていると10個入り卵パックに見えてきたりすることがありますが、これもきっと僕の中のダリ的絵画素養、ダブルミーニングの発露なのかもしれません(違う)
目の前のものを、新たなイメージや意味としてよみがえらせる、再度生まれさせる。
ダリさんが見ている世界の視点そのものが、完璧なフォルムから新たな生命を生み出す「たまご」につながっていたのかもしれません。
生まれる前のイメージに卵を想い、また晩年を卵モチーフに囲まれて過ごす。
たまご屋としては、なかなかステキな生き様だなぁと感じました。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。