燕のたまごと中国の王様
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
良い天気が続きますね!
近くのお店にもツバメが巣を作っていて、なかなかかわいらしいです。
たまごと偉人のエピソード第23弾、今回は中国の王様です。
中国で最も古い王朝は「殷(いん)」と言います。
今から3200年くらい前ですね。
王様は「契(せつ)」さんという方で、
なんと、そのお母さんが水浴びをしていたときに、ツバメの卵をうっかり飲み込んだことでお腹に宿ったという伝説があります。
その昔は、今の鶏さんのように「卵を毎日産む鳥」なんていませんでしたから、卵自体がめったに手に入らない、とても貴重な食べ物でした。
ツバメがたまたま卵を落とすのを見て、
「あら、欲しいわ。」
「ちょっと、私が先にみつけたのよ。」
なんて、姉妹で取り合いっこをしているあいだにウッカリ飲み込んじゃったのです。
そして十月十日後に赤ちゃんが生まれ、これが非凡聡明ただものじゃない才能を持っている。長じて王朝をたて、王様になり天下を治めました。
めでたしめでたし。
そんな伝説ですね。
〇ツバメは縁起が良い鳥!?
古来中国や日本では、ツバメが巣を作るとその店が繁盛する・家が栄える、なんて言い伝えがあります。
ひとつには、前述の「王さま伝説」が広く伝わって「ツバメって縁起の良い鳥・たまごだよね。」と考えられていることがその理由。
加えて、ツバメは外敵のカラスやヘビから巣を守るために「人の出入りの多い所」に巣をつくります。
自然と「ツバメがいるところ」イコール「繁盛している店」になるわけです。
そんな習性が「ツバメと商い」をつなげているんですね。
そういえば中国発祥の十二支でも酉(とり)年は“商売繁盛”をあらわしますよね。
トリと商売、このあたりのイメージもつながっているような気もします。
〇古来の英雄は卵と絡みが多い!?
実は、
生まれに「たまご」が絡む英雄
って世界中に逸話がありまして、
この王様だけじゃなく、例えば韓国の高句麗の始祖「朱蒙(チュモン)」やビルマのパガーン朝王家の始祖さんも『卵から生まれた』という伝説があります。
他にも台湾、インド、フィリピン、ボルネオ、フィジー……特にアジア中心に「英雄が卵から生まれた」や「卵を食べたら生まれた偉人」という逸話がたーくさん残ってるんですね。
日本では奈良時代の名僧・行基(ぎょうき)さんが卵から生まれたという言い伝えがありますね。
面白いですね~。
でも、なんで卵なんでしょう?
これは、卵を「生命の源 = 聖なるもの」とする考え方と、
「英雄は他とちょっと違う生まれ方であるべき」という伝説的な考え方が合わさって
「卵がらみの生まれ」になったというのが有力な説。
医学的に、古代では貴重な精のつくたんぱく源だったから力強さのイメージ、という説もあります。
なんにせよ、古代の人の、卵イコール特別感という考え方から来ている伝説は、卵屋としてはすごく面白く感じます。
上記の写真は近くの遊園地で息子と撮ったものですが、そんな伝説の英雄たちにあやかって立派な人物になってくれると嬉しいですね~。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。