宇宙時代のたまご料理
野口さん、ついに地球に帰ってきましたね。
「帰還前日も、今日起きたときも、宇宙から帰ってくるのが信じられなかった。」とのコメントを聞いて、昔読んだこんな本を思い出しました。
この本の著者ウイリアム・R・ポーグ氏は、アメリカ初の宇宙ステーション「スカイラブ」にて84日間の当時最高滞在記録を達成した宇宙飛行士で、この本はアメリカの小学生の質問に答えた内容をまとめたものです。
この中で、「地球に帰還した宇宙飛行士が、必ずやってしまう失敗」
が挙げられていました。
それは、
「コップを落として割ってしまう」事だそうです。
宇宙にいるとつい勘違いして、手を離してしまうんですね。(^^;)
野口さんも、しばらく食事が大変かもしれません。
◆宇宙食としてのたまご料理
それ自体が水分を多量に含み、冷凍ができない食材、たまご。
どちらかというと、宇宙食には不向きです。
でも、そこを乗り越えて、宇宙でもたまご料理を食べたい!ってのが日本人の心意気です。
国内各社が、和食としてたまごを使った宇宙食を宇宙ステーションに提供しています。
例えば味の素が作る、「たまごスープ」。07年より宇宙日本食として認定されました。
特殊な技術で、たまごをフリーズドライしています。 市販の商品、ファンの方も多いのではないでしょうか?チューブで吸うので、具は小さめです。
他にも、キューピーの「宇宙マヨネーズ」、他に宇宙プリンなんてものもあるようです。
◆火星でたまごかけ御飯を食べる!?
うーん、そうは言っても加工品でしょ?
やっぱ宇宙で本物のたまごを使った、トロふわのオムレツや、あつあつ玉子焼きを食べるのは難しいんじゃない?
そんな意見もありそうです。
でも、更に近未来、もしかしたら宇宙では最も重要な食材になるかもしれません。
こんなニュースがあります。
2010年“火星の旅”…ロシアで520日密閉シミュレーション [サーチナ]
2007年に始まった「火星500」の一環で、火星への往路250日、火星滞在の30日、地球への復路240 日分の計520日を、宇宙船に見立てたシミュレーター内ですごす。隔離された狭い空間内で、実際の宇宙飛行と同様の作業をこなし、、肉体や精神にどのような影響が出るかを調べる。実験期間は延長される場合もあるという。
更に未来の世界、宇宙空間ではなく月面や火星に滞在するようになると、長期にわたり“閉鎖空間”で生活する必要が出てきます。
当然ながら、“現地”での食糧自給が求められます。
そうなると、どんな国のクルーでも食べられる「宗教的規制が最も少ない動物」であり、かつ「屠殺せずに生産できる良質の動物たんぱく質」である「鶏卵」が、極めて理想的な宇宙時代の食材になってくるんですね。
また、たまご料理は世界に3万を超すレシピがあり、多様なメニューを楽しむことができます。「たまご料理」は閉鎖環境のストレス軽減に極めて有効ではないでしょうか?
私達の孫の世代くらいには、「火星なら絶対たまごかけごはんだよ!」なんて世の中になっているかもしれませんね!!?