こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
「卵が先か、鶏が先か」
という言い回し、聴かれたことがあるんじゃないかと思います。
日本語で言うと「イタチごっこ」でしょうか。
これ実は、西洋では昔っから、
いろーんな分野で「どっちが先か」を真剣に議論しているんですね。
新たな解釈が出るたびに、ニュースになるくらい。
たとえば、6年前には『鶏体内中のあるタンパク質が無いと、卵の殻ができない』という事が英国の大学共同研究により判明し、「ついに解明!鶏が先だ!」と大々的にニュースにもなりました。
CNN.co.jp:「鶏が先か、卵が先か」の謎、ついに解明?2010.07.15
つい先週のyoutubeチャンネルにも同様の話題が出て、
その結論は『卵が先』
となっておりまして、
これまた議論の的となっております↓
さて、“各分野”でこれまでに出された意見をご紹介しますと、、、
<生物学的には>
「“卵をつくるタンパク質成分”を鶏が持ってるから、鶏が先!」
「『鶏っぽいもの→卵→鶏』と進化したので、卵が先!」
と議論中
<数学では>
“卵の数⇒育った鶏の羽数を予想” “親鶏の数⇒生まれた卵の個数を予想”と、どちらも数学的にやってみたら、前者だけ予想できた。だから卵が先。(グレンジャー因果性予想なるものを使います)
<宗教的には>
聖書では『神が「鳥は地に増えよ」と祝福し、創造した』とあるので、鶏が先。 でもヒンドゥー教では『「宇宙の卵」から世界は生まれた』とあるので、卵が先。(ちなみに聖書には“鶏卵”は一言も出ません・参照)
<日本では…>
記録としては、ダントツで鶏が先。
神話のなか、つまり「古事記」「日本書紀」にはすでに「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」こと鶏サンの記述があります。 とはいえ体も小さかったため食用にはなっておらず、祭祀のために飼われたのが最初のようです。
(ちなみに“卵”も古事記には出てきますが、“雁”の卵。 おしい!)
そして、僕の仕事、“食”の観点、つまり
<食材として>という点から考えると、
これはダントツで「たまごが先」・・・!
なんですねー。
◆食べるためじゃなかったニワトリさん
ニワトリさんはもともと、
「たまごを産んでもらうのが目的」で飼われていたんです。
食材として卵が注目されたのは古く、
紀元前の古代ローマでも卵料理が広く食べられていました。
対して、鶏肉を食べたのは、たまごを産まなくなった後のニワトリさんのみ。
当然老いてますし、あんまり美味しくなかったようです。
食肉用として飼うには、
ウシや豚・ヤギと比べて内臓が多く腐りやすいため、不便だったんです。
庶民の味方、おいしい「若どりの鶏肉」が広く食べられるようになったのは、なんと19世紀以降。
冷蔵技術が発達するまで量産されませんでした。
卵の広まりとは、じつに2000年以上の開きがあるんですねー。
以上、「卵が先か鶏が先か」の大激論をご紹介しました。
何はともあれ、
どちらも美味しく食べられる現代に感謝!ですね^^
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。
(参照:wikipedia)(ニワトリ愛を独り占めにした鳥・光文社)