小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごのビックリ科学 記事一覧

denshirenji_dachou.jpgこんにちは!こばやしです。

更新が開いてしまいました。

さて、「たまごをチンすると、とんでもないことになる。

という事は、ずいぶん知られてきました。

ようは「ポンッツ!!」ってなって飛び散っちゃうんですね。

掃除が大変です。

じゃあ、「ダチョウのたまご」なら、どうなるんだろう・・?

と、やってみたのが下。

結果は私の予想をはるかに超えてました・・。 まァちょっと見てみてください↓

これはちょっとスゴすぎでしょう。(^^;)

 

◆そもそもなぜ爆発するのか・・?
これは、殻と膜があるからです。

電子レンジ中では、内部の水分子にマイクロ波があたり、急激に振動することで加熱します。その際に発生する多量の水蒸気が、内部圧力となりカラをぶち破って爆発するわけですね。

ですから、水分があって殻(膜)に包まれている食品なら、なんでも爆発します。

タラコ、ソーセージ、クリ、イクラ・・、いろいろありますね。

ちなみに目玉焼きをレンジで作っても、膜に包まれたままの卵黄はやっぱり爆発します。この場合はつまようじで穴をあけておくと大丈夫です。

じゃあ、電子レンジでゆでたまごは作れないのでしょうか?

 

◆電子レンジで完璧ゆでたまご
こちらの実験によると、(1)「アルミホイルで包む」、(2)コップに水を入れたなかにそれを入れる(3)それからレンジでチン、これで完璧なゆでたまごができるそうです。

これで大丈夫ですね!

・・、って、ここまでするくらいなら、鍋で茹でた方が、よっぽど簡単な気が・・。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2011年01月21日

2phone_egg.jpgこんにちは!こばやしです。

先日、百年つづく、たまごの迷信についてお話ししました。

今度は、最新の「たまご都市伝説(?)」に迫りたいと思います。

さて、アメリカでは今、こんなチェーンメールが流行っているそうです。

 

◆通称 “1 egg + 2 mobiles”(1卵プラス2つの携帯)メール
要約すると、『2つの携帯電話で65分間会話をすると、卵が茹で上がるだけの電磁波が出る』という驚きの内容。

実際のメールはこんな内容です。↓

「2つの携帯の間に卵を置き、65分間コールします。」「実はその電磁波だけで、卵のタンパク質を変性させるほどのポテンシャルがあるんです」。メールは続きます。 「最初の15分は、何も起こりませんでした。」 「25分後に、卵は熱くなり始めました。 45分後には、卵はもうアツアツに。」 「そして、65分後には、卵はすっかり調理されてしまいます。」

そしてこう結びます。

「卵が茹で上がるくらいだから・・・、あなたが長電話している時に、脳のタンパク質に何が起こるのか分るでしょう?」 「だから、長電話は減らして、大切な家族へのメッセージには、メールを送りましょうね。」

・ ・ ・ と、言う内容です。2phone_boiledegg.jpg

このメールが、ひどい時には一日二回送られてくるほど頻繁に出回っているのだとか・・。

文章に出てくる“素材”がすべて身近にあるもので、

かつ、その変化がイメージしやすくて恐ろしい。

しかしメンドくさくて検証する気にならない内容。

なるほど、良くできた都市伝説だと思います。

 

◆検証してみた結果はもちろん・・・
この都市伝説の根拠は、電子レンジの電波周波数と携帯電話の周波数が近いこと。

そして携帯電話の影響についてはいろんな説が出ていますが、少なくとも電磁波の“熱作用”という点に関しては、まったくの笑い話であると言えます。

1℃体温を上昇させるためには、1kgあたり約4Wの電波エネルギーが必要です。

電子レンジは500-600Wの出力がありますが、携帯電話の電波出力はわずか約0.6Wしかありません。 たんぱく変性を引き起こすほどのエネルギーは到底ないんですね。 熱エネルギーに限って言うならば、両手を10秒こすり合わせた方がよっぽど多いです。

本エントリは、こちらの海外記事の紹介です。

記事中では実際に、i-Phon2台で卵をサンドイッチして通話し、検証して2phone_egg2.jpgいます。

この結果によると、65分間の通話をした後、たまごの中身はもちろん生卵のままでした。 しかも卵は冷たいままだったとのこと。

地下水道の白いワニや、ミミズバーガーと同じたぐいの都市伝説ってことのようです。

ところで、これよく考えたらたまごの都市伝説じゃなくて、携帯電話の都市伝説ですね・・・。

参考: TelecomTV  News  1 egg + 2 mobiles = scrambled thinking

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2010年12月26日

ignobel.jpeg 今週のヤングジャンプに、『イグ・ノーベル賞を作った男/マーク・エイブラハムズ』(栄光なき天才たちシリーズ)という読みきりが載っています。

イグ・ノーベル賞とは、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞で、ノーベル賞のパロディ的な賞です。

大真面目にやっている研究でも、ハタから見るととっても面白く感じられるものがたくさんあります。 そんな研究を賞賛(?)しているわけですね。 べつに世の中に貢献してなくても受賞できます。

◆どんな人が受賞?
 受賞者も、大学の研究機関から、あやしげな民間発明家まで、多岐に渡っています。

たとえば、昨年のイグ・ノーベル 平和賞は、

ステファン・ボーリガー他(スイス・ベルン大学)の研究
 ビールのいっぱい入ったと空の瓶のどちらが頭を叩き潰しやすいか、実験により示したこと』

に対して贈られています。

これ、大学の正式研究ですから、強度グラフなど精緻なデータをとって、大真面目に学会で報告しているわけですね。

 

◆たまごのイグ・ノーベル受賞おもしろ研究
 この賞は1991年から始まったのですが、卵そしてニワトリについてのいくつかの研究に対しても賞がおくられています。 それも、すんごい研究。

○物理学賞   ルイ・ケルヴラン
鶏卵の殻中のカルシウムは(生体内の)常温核融合過程によってつくられる、という彼の結論に対して。』(94年)

    ニワトリさん、核融合で卵作ってたんですか・・・。スゴすぎです。(^^;)

 

○消費者工学賞   ロン・ポピール
殻の中で卵を混ぜるもの」などの装置によって、産業革命を再定義したことに対して。』(93年)

    たまごの中身が、産業革命と関係しているとは・・!

 

○気象学賞  バーナード・ヴォネガット(ニューヨーク州立大学オールバニー校)
論文「ニワトリの羽がちぎれる現象を指標とした、竜巻の風速の概算方法」に対して。

    風力計とかでいいじゃん!?ニワトリさん、大変すぎ。

 

○境界領域研究賞   ステファノ・ギルランダ他(ストックホルム大学)
論文「ワトリはどちらかというと美人を好む」に対して。』 (03年)

   うーん、ニワトリさんは面食いなんですね。 知らんかった。鶏舎にグラビア写真とかを貼ったら、もっと元気出るかな!?

 

◆科学を楽しむことの大切さ
 個人的に、このイグ・ノーベル賞の意義は、やはり「楽しんで学ぶこと」だと思っています。

今、国立大学は独立採算制に移行しています。「役に立つこと、世の中へ貢献すること」をより強く求められているわけです。

でも、学問って、そればっかじゃないですよね?

「なるほど!」と思ったときのあの興奮。

「ちょっと試してみるか!」と思い立ったときの、あのワクワク。

知りたいから調べる

これだって、りっぱな学ぶ動機です。

むしろ学問としては、「役立つこと」を意識するほうが不純なのかもしれません。

知的好奇心は、人間の特権です。

もっとも、「美人だって見分ける」くらいですから、ニワトリさんも人知れず考察し、知的探求しているのかもしれませんが・・・。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2010年08月30日

tamago_nigiritubusu_pic.jpg生たまごを握りつぶす。

そんなもったいない事をするくらいなら、たまごかけごはんにして食べた方がマシだとは思います。

ですが、「たまごを人力で握りつぶすのは不可能」と聞けば、がぜん興味が湧いてきますね。

以前ご紹介した根拠は、

(1)一定の面圧に対して非常に強度が高い、卵の特殊構造

(2)握って破裂することに対する、心理的ブレーキ

この二点が理由でした。特に(1)の構造は、古代ローマ建築にも取り入れられており、古代ギリシャ建築と比べて古代ローマ建築の残存数が圧倒的に多いのは実にこの「たまごアーチ型構造」のおかげなんだとか。

tamago_archi2.jpg

                 アーチ型構造

そして更に、もうひとつの根拠が判明しました。

 

根拠(3) パスカルの原理

??覚えてますか? そういや、なにやら中学校あたりで聞いたことがあるような・・・?

一言でいうと、 「容器内の液体(流体)にある面から圧力を加えると、どの部分にも同じだけの力が伝わる」というものです。

身近な例でいうと、自動車のブレーキペダルなどの油圧装置。踏んだ力が、液体を通してそのまま駆動部分にも同じ圧力として伝わっています。

さて、これが卵とどういう関係があるんでしょうか?

こちらの動画をご覧ください。(画像クリックで動画へとびます)

pasukaru_tamago.jpg

この動画は海外の授業風景なんですが、

生卵をビニール袋に入れて、思いっきり握らせています。

そして、誰がやっても握りつぶす事ができない、その理由を「パスカルの原理」で説明しています。

つまり、小さい卵を握ると、すべての面に圧力がかかるため外圧と内圧が均等に釣り合った結果割れなくなるようです。

例えるなら、水の入った小さな風船をにぎったようなものです。一部分のみに力を加えると、もちろん風船は変形します。  しかし、すべての面から均等に外力を加えると、力の逃げ場がなく、風船は変形のしようがありませんね。

したがって(1)たまごアーチ型構造 (2)心理的抵抗 (3)パスカルの原理、この三つの要素が、「たまごを握りつぶすのは絶対不可能な理由」になります。

うーん、奥が深いです。

(関連 : 社長日記-「たまごを握りつぶす」のは不可能

 

■ところで・・・
このパスカルの法則、

あるアンケートによると「聞き覚えはあるけど内容はわからない理科・科学の法則ランキング 一位」なんだそうです。

確かに、一般社会ではあまり必要ない知識かもしれませんね。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2010年06月10日

野口さん、ついに地球に帰ってきましたね。

「帰還前日も、今日起きたときも、宇宙から帰ってくるのが信じられなかった。」とのコメントを聞いて、昔読んだこんな本を思い出しました。

 宇宙でトイレにはいる法(Amazon)

この本の著者ウイリアム・R・ポーグ氏は、アメリカ初の宇宙ステーション「スカイラブ」にて84日間の当時最高滞在記録を達成した宇宙飛行士で、この本はアメリカの小学生の質問に答えた内容をまとめたものです。

この中で、「地球に帰還した宇宙飛行士が、必ずやってしまう失敗」

が挙げられていました。

それは、

「コップを落として割ってしまう」事だそうです。

宇宙にいるとつい勘違いして、手を離してしまうんですね。(^^;)

野口さんも、しばらく食事が大変かもしれません。

 

◆宇宙食としてのたまご料理
それ自体が水分を多量に含み、冷凍ができない食材、たまご。

どちらかというと、宇宙食には不向きです。

でも、そこを乗り越えて、宇宙でもたまご料理を食べたい!ってのが日本人の心意気です。

国内各社が、和食としてたまごを使った宇宙食を宇宙ステーションに提供しています。

例えば味の素が作る、「たまごスープ」。07年より宇宙日本食として認定されました。

tamago_soup_uchuu.jpg

特殊な技術で、たまごをフリーズドライしています。  市販の商品、ファンの方も多いのではないでしょうか?チューブで吸うので、具は小さめです。

他にも、キューピーの「宇宙マヨネーズ」、他に宇宙プリンなんてものもあるようです。

 

◆火星でたまごかけ御飯を食べる!?
うーん、そうは言っても加工品でしょ?

やっぱ宇宙で本物のたまごを使った、トロふわのオムレツや、あつあつ玉子焼きを食べるのは難しいんじゃない?

そんな意見もありそうです。

でも、更に近未来、もしかしたら宇宙では最も重要な食材になるかもしれません。

こんなニュースがあります。

2010年“火星の旅”…ロシアで520日密閉シミュレーション  [サーチナ]

  2007年に始まった「火星500」の一環で、火星への往路250日、火星滞在の30日、地球への復路240 日分の計520日を、宇宙船に見立てたシミュレーター内ですごす。隔離された狭い空間内で、実際の宇宙飛行と同様の作業をこなし、、肉体や精神にどのような影響が出るかを調べる。実験期間は延長される場合もあるといkasei_getumen.jpgう。

 

 

更に未来の世界、宇宙空間ではなく月面や火星に滞在するようになると、長期にわたり“閉鎖空間”で生活する必要が出てきます。

当然ながら、“現地”での食糧自給が求められます。

そうなると、どんな国のクルーでも食べられる「宗教的規制が最も少ない動物」であり、かつ「屠殺せずに生産できる良質の動物たんぱく質」である「鶏卵」が、極めて理想的な宇宙時代の食材になってくるんですね。

また、たまご料理は世界に3万を超すレシピがあり、多様なメニューを楽しむことができます。「たまご料理」は閉鎖環境のストレス軽減に極めて有効ではないでしょうか?

私達の孫の世代くらいには、「火星なら絶対たまごかけごはんだよ!」なんて世の中になっているかもしれませんね!!?

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2010年06月4日

「生たまご」と言えば、「たまごかけごはん」ですよね?

ですが、欧米で「生卵」といえば、もしかしたら「物理」を連想する人が多いかもしれないようです!?

「ニュートンの第一法則」

というものをご存知でしょうか?

これはいわゆる「慣性の法則」と言われるもので、「止まった物体は制止し続け、動いている物体はその早さで動き続ける」というものです。

これが、なぜ卵と関係あるのでしょう?

まず、下記の動画をご覧ください。(画像クリックで動画へとびます)

newtonslow1.jpg

要は、「だるま落とし」です。  動画を簡単に図で描くとこうです ↓

 

newtonslow2.jpg

 

 

こうやると・・・

newtonslow3.jpg

 

こうなって・・・

newtonslow4_2.jpg

こうなります。

つまり、力のくわえられたトレーと筒は横に移動し、力の加えられていない生卵は空中に制止し続けるため、そのまま下のコップの中に落ちると言うわけです。

じっさいにやってみて、キレイに決まるとかなり気持ちいいです。

 

試しにyou tubeで「Law egg」(生卵の事です)と打ち込んで検索してみてください。

すんごい数の、「ニュートン第一法則の実験」動画が出てきます。

ニュートンのリンゴならぬ、「ニュートンの卵」ですね。(^^;)

卵が使われるのは、やはり手軽に用意でき、かつスリリングでインパクトが強いからでしょうか。

高校や中学の実験って、細かい理論は忘れても、葉っぱのムラサキ色になったり、噴水が吹きあがったり、インパクトのある映像はいつまでも脳裏に焼き付いているものですよね。

上記の実験も、ボールかなにかを使うよりも、「割れるとそこそこ大変!」な生卵の方が、格段にドキドキしますし。

日本の学校でやると「もったいない!!」って苦情が来そうですが、そこはぜひお父さん。やはりご家庭で息子さん、娘さんと一緒に試してみてくださいませ!

※※注!※※ 上記の図では卵がタテですが、実際は筒の上に横に置きます。タテだとひっかかって筒といっしょに吹っ飛んじゃいますので、ご注意を!(うっかりしてました) 

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2010年05月6日