小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの健康情報(研究など) 記事一覧

卵とコレステロールは
摂った方が長生きするよ、
というお話し。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

上の写真・雑誌は、
英国のタイム誌 1984年の表紙。

「コレステロールは悪
バターと卵をひかえよう!」

がメインテーマでした。

そして
それからちょうど30年後
2014年のタイム誌の特集は・・・

「バターを食べよう!
科学者はなぜ間違ってたのか?」

という

『いままでやっていた
脂質制限は間違ってた』

が、メインテーマでした。

ビックリですね。
真逆になっちゃってます。

じつはコレステロール、
カラダに悪いどころか

『日本人は脂質を
むしろいっぱい摂った方が

脳卒中が少なくなっている』

(European Heart Journal 2013)

という研究報告も出てまして、

 

コレステロールは
むしろ摂った方が
老化防止になって長生き
する・・・!

・・・という事が
わかりつつある状況です。

 

◆悪者だったコレステロール(と卵)

80年代、
コレステロールは
「摂っちゃダメな栄養」でした。

『バターを摂りすぎると早死にするよ!』

『コレステロールの豊富な「卵」は
「一日一個だけ!」にしないと!』

とされていました。

お医者さんもそう言ってましたし、
テレビでも本でも
それが当たり前だったのです。

なんなら

「今でもそう思っているけど・・・。」

という40代以上の方も
多いのではないでしょうか?

ところが

2010年代になって
完全にくつがえったのです。

過去数十年のコレステロール関連の
健康論文を精査した結果、

「コレステロールを
減らしても意味が無い」

ということが分かったんですね。

コレステロールって
食べて摂る量よりも
肝臓で合成されるものの方が多くって、

 

「コレステロールを控えても
肝臓が不足分を合成する。

食べるコレステロールが
増えたら
肝臓が合成を減らす」

ということが判明したのです。

 

たまごも
コレステロール悪者の代表格みたいに
言われていましたが、
一日一個どころか

一日3個、5個
と食べたほうが
健康寿命が伸びる

と広く認知されてきています。

少し前に

一か月に750個のたまご

を食べて
健康状態を調べyoutubeで報告した
オックスフォード大学医学生が
話題になりましたが、

彼のコンディションは
より健康になってましたね。

 

コレステロール摂取上限
撤廃の話は

まだ知らない方も意外と多くて、
お話しするとビックリされることも
少なくありません。

 

『元気な長生き』の新たなセオリー、
ぜひあなたのお店のメニューイングにも
活かしてみてくださいませ~。

「知ってますか?
しっかり食で
元気に長生きしよう!」

みたいな投げかけとか。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:『糖質疲労』山田悟著)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2024年11月15日

たまごを多くたべるほど
肥満が少なく腹がひっこんで
筋肉質になる・・・
そんな研究結果がでています。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

内臓脂肪、ってありますよね?

お腹の奥にあって内臓をガードしつつ
余ったエネルギーを貯蓄している存在。

 

ですが、ご存じのように
多くなると体にいろんな悪さが・・・。

貯めすぎると危険でして、
糖尿病や心臓病、
さらにガンなど病気リスクを高めてしまいます。

今の現代人の食生活では、

どうやって内臓脂肪を減らすか

が重要テーマになってます。

 

最近の研究では、

たんぱく質を多めに摂ると
内臓脂肪&体重が減る

という論文が多く出されています。

 

なるほど。たんぱく質って
何に入ってたっけ・・・?

というお父さん、
それはたまご、です。

めっちゃ高タンパクな食品
のひとつが、卵なんですね。

平均的な卵(重さ約64g)には7.6gものタンパク質が含まれており、
卵2個で14g超えのタンパク質を摂取できます。

大人は活動量にもよりますが、
1日に男性で65g、女性で50gていどの
タンパク質が必要なんです。

つまり、たまごを一日5個や6個食べても
ぜんぜん大丈夫で、

「ぜひ3個は食べるべき」

なんてお医者さんも推奨している状況です。


ちなみに
なんでタンパク質を多く食べると
痩せにつながるのかというと、

タンパク質の摂取量を増やすと、
代謝が促進されるから。

「食事誘発性熱産生」って言いまして、
タンパク質を食べた後、
体温が上昇することで
エネルギーをより燃やしちゃうんです。

あと、
高タンパク質食は満腹感が長い。
たまごなんてその典型です。

 

2017年の研究では、
高タンパク質食(1日124g)
を食べた女性は、

通常のタンパク質摂取量(48g)
のグループと比べ、
食べたい気持ちや食欲が
15%減少した
との結果に。

(Increased Protein Consumption during the Day from an Energy-Restricted Diet Augments Satiety but Does Not Reduce Daily Fat or Carbohydrate Intake on a Free-Living Test Day in Overweight Women – ScienceDirect)

 

また、昨年(2022年)の研究では、
スペインの大学生355人を対象に、
卵を食べる効果を試したものがあります。

卵の消費量が多い(週5個以上)
と報告した参加者は、

卵の消費量が少ない(週1個未満)
と報告した参加者に比べ、

肥満度、ウエスト周囲、体脂肪率が有意に低く、
筋肉量が多いことを示した。

(The role of protein intake in the relationship between egg consumption and body composition in young adults. A mediation analysis – ScienceDirect)

とありまして、
つまり、

たまごを沢山たべるほど
肥満が少なくて
腹がひっこんで
筋肉多めになっている

という結果です。

うーん、すごい!

 

2020年の別の論文でも、
2,200人以上の参加者を対象に、
やっぱり同じ結果、

卵の摂取することと体重減少との
関連性が示されています。
(Journal of American College of Nutrition誌)

 

特に体脂肪が多めな女性の方が
たまご食の効果が出やすいのでは、
という事も言われていますね~。

夏を前にして、
ぜひ!内臓脂肪を減らして
筋肉健康な体づくりを
目指してみませんか!?

まずは週たまご5個!で効果ありです。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2023年06月13日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

先週リリースのニュースです。

キユーピーと広島大学 アレルギー低減卵を開発、主要アレルゲン「オボムコイド」を含まない鶏卵、オランダの学術誌に論文掲載(食品産業新聞社ニュースWEB) – Yahoo!ニュース

こういう資本の必要な
健康機能価値の付加に
大企業さんが取り組んで
くださるのは、
とてもうれしいですね。

症例数から言って
売上じたいはあまり見込めなさそう
との予想をたてながら研究されていて、

売上を追わず社会的な意義を
第一に考える、
こういった研究はすばらしいです。

 

海外でも取り上げられてまして
「日本の科学者たちが何百万人の子供を救う」
と、複数のニュースサイトで話題になってます。
“Japanese Scientists’ Potentially Egg-cellent New Breakthrough – Bloomberg”
https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2023-05-01/japanese-scientists-potentially-egg-cellent-new-breakthrough

 

今回の低減されている
たまごアレルゲンは
「オボムコイド」と言いまして、
白身に多く含まれます。

強いアレルギー反応を起こすのですが、
悪いことに「熱に強い」んですね・・。

つまり、加熱しても
アレルギー反応が
弱まりにくいんです。

これって、
たまご料理として
やっかいなんですね~。

 

じつは食物アレルゲンって、
調理加熱すると
反応が減ったり、ぎゃくに
強固になったり変化することがあります。

たとえばピーナッツのアレルゲンは
100℃~120℃で煮たり揚げたりすると
アレルゲンはかなり減ることが
分かっています。

ですがもっと高温、
170℃で炒めると逆に!
アレルゲン物質が安定化して
症状が長く出てしまうんです。

 

ですので、
煮たり揚げたりしてから
ピーナッツを食べる中国では
ピーナッツアレルギーが少なくて、
ローストして食べる米国では
ピーナツアレルギーがめっちゃ
多かったりします。

話を卵に戻しますと、

鶏卵の場合は、
煮たり焼いたりしても
卵白の強いアレルゲン
オボムコイドは安定していて

弱めたり取り除いたりが
難しかったのです。

せいぜい水さらしして
除去するくらい・・・。

 

じっさい卵アレルギーに悩む
ご家庭さんから時々お話を
うかがいますが、ホント
大変なんです。

メニューも分けなきゃですし
調理器具も分けて洗浄も気をつかう

それなら、とたまご料理を
家でつくらないご家庭も
少なくないんですね。

 

ですので、
アレルギー低減卵のメリットは
・ご家族が気兼ねなく自宅で食べられる
という点があるんじゃないでしょうか。

 

ご飲食店さまでも、
いずれ活用できるようになるかと思います。

困っている方への福音です。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2023年05月3日

米国で特定の食品に
『ヘルシー』表示ができる
新基準が発表されました。

“卵”は「健康的である」
という基準になります。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「米国食品医薬品局(FDA)が本日発表した新しい定義案によると、卵は『健康食品』となります。この定義案は、卵が万能の栄養源であり、健康な生活に必要なコリン、ビタミンD、必須脂肪酸などの栄養素を供給することを示す科学を肯定するものである。」

これは、
米国の新基準に関する
米国鶏卵協会発・先週の報道です。
(AMERICAN EGG BOARD: Eggs are a “Healthy Food” in New Proposed FDA Definition)

FDAとは、日本でいう厚生労働省ですね。

つまり米国では公的に

「たまごは健康になる食材」
もっと食べてほしい

という意図を新たに
打ち出したということですね。

新定義案によると、

卵は『重要な栄養素を提供し、健康的な食事パターンに含めるよう「食事ガイドライン、2020-2025」によって特に推奨されて いる食品』

となり、規則案ではさらに、
『卵は更新された「健康的な」 基準を満たす』
と書かれます。

要するに
たまごパッケージに
『ヘルシー』と容器に
表示できることになります。


これ以前の歴史を考えると
非常に感慨深いですね~。

この報道の前段階として

「コレステロール摂っていいか論争」

があります。
この数年で、
コレステロールが
問題ある栄養素とは
みなされなくなったんです。

 

◆調べたら大丈夫だった!?

コレステロールは
ご存じのとおり、
長いこと

『食生活の中では
摂りすぎると良くないね…

積極的にカットして
いった方が健康に
良いですよ!』

というメッセージが
公的機関などから
伝えられてきていたのですね。

あなたも、
もしかするとまだ
そのイメージを持っている
かもしれません。

ところが、米国での
数十年にわたる研究論文と
膨大なデータを見直した結果

「コレステロールの
とりすぎと、健康不良には
なにも関係がなかった。」

ということが分かったのです。
それもそのはず、

・健康のためにコレステロールは必要

・必要なコレステロールは
結構な量が体内で作られる

ということでして、
沢山食べたとしても
体内の生産分が減るだけ…
ということだったのです。

なーんだ。

これを受けて日本でも
厚生労働省の示す
「日本人の食事摂取基準」
2015年版からも
コレステロール上限が
撤廃されています。

(それどころか
「高齢者はむしろ適度に
摂らなきゃだめよ。」
と推奨されています)

◆メリットしかない「卵」の機能

というわけで、
あらためて卵を見てみると
以前は
「コレステロール多いから
チョット気をつけて食べて。」
だったのが、

「これ、健康に必須なコリン、
ビタミンD、必須脂肪酸ほか
たっぷりでメリット多いし
もっと食べたほうが良いよね。」

という『定義』に米国で
なったという事なのです。

日本でも
特定保健用食品、栄養機能食品
及び機能性表示食品など、
健康によい食品の基準がありますが、

国としては
「薬に頼らず健康になってほしいな」
という意図があって、
表示許可などで啓蒙をしているんです。

たまごは
「健康寿命をのばす」
のに非常に効果がある食品です。

継続して食べて、
ねたきりじゃなく

「動いたっきり老人」

を目指したいですね!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2022年10月4日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごの黄身と白身
それぞれ栄養素がちがうのですが、
基本的には両方食べるべきです。

特に筋肉の付き具合がちがいます。


黄身と白身
ざっくり利点を述べますと

 

黄身…
アミノ酸バランスが超理想的
脂溶性ビタミンがたっぷり

 

白身…
高たんぱく低カロリー
脂肪がほとんどなく
水溶性ビタミンB2などが多い

となります。

 

ですので、運動する人
たとえばボディビルダーは
筋肉に必要なたんぱく質摂取のため

たまごの白身だけを食べる

という人も少なくありませんでした。

 

脂質を避けたんぱく質を
たっぷりとれるから!
という理由ですね。

 

ゆでたまご好きで有名な
板東英二さんも、現役時には
白身だけを好んで食べたそうです。

 

同じく高たんぱくであるささみと

「白身のたまごかけごはん」

を毎食食べる・・・!
なんて方もいらっしゃいます。

いや、これはこれで滑らかで美味しいのですが。


◆全卵+筋トレ効果の高さ!

ですが、近年の研究では

白身だけよりも
全卵を食べた方が
筋肉が体につきやすい

という事実が分かっています。

 

米国栄養学会での研究報告
によりますと、

 

若い男性に
筋トレをしてもらい

運動回復時に全卵と白身だけを
それぞれ食べてもらう。

その後
筋力量を調べたところ、

 

同じ量のたんぱく質摂取なのに、

全卵の摂取は
卵白だけの摂取よりも
運動後の
筋原線維タンパク質
合成反応を大きく増加させる

ことがわかりました。

そもそも黄身には
いろんな健康的効能がありまして、

黄身に含まれる
脂肪酸の効果で

抗炎症作用、
抗酸化作用があり

記憶力の向上に役立ち、

心臓血管の保護にも
つながることが分かっています。

 

うーん、
黄身すごいですね。

 

ですから、
白身の高たんぱくだけでも
メリット大ですが、

やっぱり
白身と黄身、
両方をしっかり
食べることで

より運動の効果も
でますし、
健康にもなりやすい

ということですね!

 

ぜひ、普段のバランスよい食生活と
運動を心掛けている皆さんは、

意識してみてはいかがでしょうか。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:Consumption of whole eggs promotes greater stimulation of postexercise muscle protein synthesis than consumption of isonitrogenous amounts of egg whites in young men – PubMed)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2022年08月20日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

昨日7月10日は「納豆の日」でしたね。

webニュース記事に
こんなものがあがっていました。

『納豆と生卵の組み合わせは本当にNG? 栄養をアップさせる“ちょい足し”食材は』(Hint-Pot) – Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/23e7fa72ffc5a77c150d1912326869f79136e5c8

 

たまご+納豆を食べられる方は多く
ぼく自身も非常~に好きな取り合わせです。

 

ですがこれが「食べ合わせだ。」
つまり「一緒に食べるべきじゃない」
という意見があるのですね。

 

その要因はたまご白身にある
『アビジン』という低分子タンパク。

 

納豆は、ビタミンBの一種
「ビオチン」を多く含みます。
不足すると、髪や肌に影響する栄養素です。

 

40年ちょっと以前の研究で、
このビタミンB・ビオチンが
卵の白身にあるアビジンと
くっついてしまい
ビオチンの吸収を妨げてしまう・・・

 

マウスを使った研究で
そんな結果報告があるのです。

 

そこから、食べ合わせの話になっちゃってるんですね。

上記の記事中にもありますが、

実際はビタミンBビオチンが
普段の食生活で不足することって
ほとんどありません。

お肉にもたっぷり含まれてますし、
あなたの体内で腸内細菌が
作り出したりもしてくれます。

 

そして、
白身が吸収を妨げる悪影響には
計算上では、
たまご「毎日数十個」を生で
何年も食べ続けた場合に・・・
影響が出る「かも」というレベル。

 

どちらかというと、
卵と納豆を
一緒に食べる『メリット』の方が
100:1くらいの割合で
多いんですね~。
(ちなみにアビジンが含まれるのは
卵の『白身』の話ですから、納豆に
黄身だけ入れる方にはそもそも関係ありません)

 

たまごのレシチンは
血中のコレステロールを
肝臓や細胞まで片付けてくれますし、
バランスよいアミノ酸が理想的な体作りをしてくれます。

 

また納豆のビタミンK2は
食べたカルシウムをがっちりつかんで
骨に取り込んでくれますし、
血流を良くするナットウキナーゼもたっぷりです。

 

血管をツルツル元気!にし
骨を強くする。そんな
最強タッグが卵と納豆なのです。

 

ですので、僕たちは
健康をお届けする!という理念から
ぜひ!一緒に食べてほしい!と

「糸惹き納豆専用たまご」を

お届けしております。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:「たまごかけご飯を食べるとはげる」という迷信→はげません | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2022年07月11日