小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの健康情報(研究など) 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

今年も、もうあとわずかです。この一年で見ると、たまご関連の健康ニュースが相次いでとりあげられていました。なぜなのでしょうか?

◆迷信があらためて否定された◆
本年のはじめ、3月ごろまでにかけて、日本では「たまご 一日3個食べても大丈夫!」といったタイトルのニュースがいくつもありました。

なぜ今年に入ってそのようなニュースが増えたのかと言うと、それは「コレステロール」に関する公式発表のため。

今年はコレステロール関連の大きな報告が上がっておりまして、

その一つは、合衆国厚生省と農務省が設置した米国食生活指針諮問委員会が出した「米国における食生活の指針」報告書。

最新の研究と膨大な量の過去研究論文を再検証した結果「食事によるコレステロール摂取と血中コレステロールの間に明らかな関連性はない」と結論付けました。

これを受け、取りすぎに注意!と言われていたコレステロールについて、米当局は『摂取量を制限する必要はない』という新たな見解を発表したんですね。 「コレステロールは過剰摂取を心配する栄養素ではない」と明言しています。

また、日本においても、動脈硬化学会が20年間の研究報告を再調査した結果、今年のはじめに「コレステロール値は食事で変わらない」という声明を出しました。 それを受け、厚生省はコレステロールの摂取上限を撤廃したんですね。

 

◆コレステロールを摂らないと老化が進む!?◆

コレステロールは、細胞膜をつくる重要な要素でして、これが不足するとお肌の細胞も一気に老化がすすみ、シワも増えることが知られています。

年をとっても元気でいるためには、ぜひともとるべき栄養源!なんです。

卵は栄養バランスの非常に良い食材ですが、コレステロールが比較的高いことを心配する人も多かったんですね。

それが、むしろプラスになる。

加えて、以前から卵の良質なコレステロールとあわせて、

卵黄中の「コリン」という物質が血中からコレステロールを素早く片付けてくれるため、血中コレステロールも下がるという事実が以前から知られていました。

動脈硬化などのリスクも、卵を食べることで心配することなく良質のコレステロールを摂取して老化防止につなげられる。

そういった点で、卵の良さが、再確認された一年だったんですねー。

来年は、もっとたくさんの方が、この事実を知ってくださると、

とってもうれしい!

です。

来年も、何卒よろしくお願いします^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年12月29日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

比較的新しい卵の迷信で「たまごかけごはんを食べるとハゲる」というモノがあるのをご存知でしょうか?

これは、40年ほど前の研究が、迷信の根拠になっています。

『マウスに生の卵白を大量に与えたところ、卵白中にあるアビジンという低分子タンパクがビタミンBの一種「ビオチン」とくっついてしまい、マウスがビオチン欠乏症になった。』・・・・・・という論文が発表されたことがその発端。

なんのこっちゃ?

つまり、体内に「ビオチン」が足りなくなると皮膚が脱毛や炎症を起こす、そして卵の白身がビオチン吸収を邪魔しちゃう、ということです。

これは迷信じゃなくて本当。

じゃあやっぱり、たまごかけごはんを食べるとハゲちゃうの・・・・・・?

いえいえ。

ビオチンは大豆やピーナッツなどの豆類、レバーなどの肉類にもたっぷり含まれていまして、さらに腸内細菌が体内でビオチンを合成をしちゃいますので、よっっっぽど沢山の生卵「だけ」を食べ続けないと欠乏による炎症はおこりません。

先のマウスで計算すると、問題となるのは、「毎日数十個」生で食べ続けた場合ですね。

したがって、毎日たまごかけごはんを食べてもハゲません。 世のお父さんがたご安心を^^

 

◆世界で見る、たまご食との相関は・・・?

さて、統計上のデータからも見てみましょう。

日本は世界トップクラスの卵消費国です。 少し前までは“世界一”でした。

じゃあ、世界の『ハゲ率』としてはどうかというと、

トップはチェコ、2位はスペイン、3位はドイツだそうです。 日本は14位。(「世界の成人男性薄毛率」データ 09年日経新聞) 統計的に見てもさほど卵と相関がなさそうです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:百年つづく「卵の迷信」をつくったウサギって!?-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年10月6日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

5月27日発行の学術専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」で発表された研究によると、サラダはそのまま食べるよりも卵と食べることでビタミン吸収が飛躍的に良くなるそうです。

カロチノイドの豊富な緑黄色野菜、トマト・ニンジン・ほうれん草・レタスのミックス野菜サラダを、
(1)そのまま食べる
(2)たまご料理と一緒に食べる

のそれぞれの食べ方で食事してもらい血液を調べたところ(※)

なんと!

たまごと一緒に食べた場合、野菜に含まれるαカロテン、βカロテン、リコピンなどのカロチノイド栄養素の吸収量が4-5倍になったのだそうです。

つまり、卵と一緒に野菜を食べると、野菜の栄養をより沢山取ることができるんですね。

 

◆脂質の貢献度がすばらしい!
なぜ吸収量が上がるのかと言うと、それは鶏卵中の脂質が貢献しているから

ビタミンAの素になるβカロテンなどのカロテン類栄養素は“脂溶性”といいまして、水には溶けないけれども油には溶けやすい性質を持ちます。

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たまごの黄身に多く含まれる良質の脂質と一緒に食べることで、これら緑黄色野菜に多く含まれる栄養素が血中に吸収されるのを助ける効果があるんですね。

『じゃあ、脂質がある食べ物だったらたまご以外でも良いんじゃないの!?』 と思った方、ある意味ではその通りでもあります。

この研究をしているパーデュー大学のウェインキャンベル教授によると、「たまごほど最適とは言えないけれどもチーズなども有効かも。」と言っています。

ゆで玉子や温泉たまご・ポーチドエッグと共に、チーズをトッピングするのも悪くなさそうです。

ぜひお試しくださいませー♪

(※)味付けとドレッシングかけた状態を模して、実験では少量のキャノーラ油とクコの実を砕いてかけています。

(参照:“Effects of egg consumption on carotenoid absorption from co-consumed, raw vegetables” Am J Clin Nutr May 2015 ajcn111062

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年06月19日

 

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ようやくポカポカとあったかくなってきました。つい昼間にウトウトしてしまいそうな、ステキな陽気です^^

以前ご紹介しましたが、卵の白身たんぱくには「目覚まし効果」、つまり眠気を防止する効果があります。

これは、たまごの白身たんぱくを摂取することで脳神経細胞が活性化し、脳の覚醒をうながす「オレキシン」という神経物質を放出させるからなんですね。

しかも同ケンブリッジ大学の研究報告ではカロリー燃焼効果も同時に見られたそうで、ダイエットにも効果があるようです。

◆白身が効果的なたまごは・・・!?
朝の目覚めをシャッキリさせるために白身を効率的に食べるなら、少し大き目のたまご、Lサイズ以上が最適です。 黄身に比べて白身の比率が多いんですね。

ふんわりした食感になりやすいので、オムレツや玉子焼きで食べるとグッドかも!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:眠気対策には卵を食べよ。コーヒーを超える「卵白」のスゴイ効果! – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年03月30日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。梅雨ももうすぐ終わりですね!夏!海!たのしみですねー。

さて、薄着になってお肌の露出が増える季節になってくるわけですが、スベスベ美しいお肌を維持する秘訣として、たまごのある“成分”が注目されています。

それは、卵の薄皮、“卵殻膜”に多く含まれる「シスチン」という成分。このシスチンは体内で2つの「システイン」という物質に分解するのですが、システインは皮膚に存在して再生を助け、シミやソバカスを予防する働きがあると言われています。

このシステイン、いちおう体内のアミノ酸からも作りだされますが、お酒を飲んじゃったりするとその体内合成がジャマされちゃうんですね。 飲むと肌荒れする、ってのはコレが原因だったりします。 ツルツル美肌を維持するためには、いろんな食品から摂取する必要があるわけです。

そのために、このツル美肌の素「シスチン」がたっぷり含まれる卵殻膜が、大きく注目されているんですねー。 医学面からさまざまな研究がなされてまして、最近では卵のカラから集めた卵殻膜をサプリメントにした商品も販売されています。

◆江戸の昔からの知恵!たまごの薄皮のスゴさ

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もともと「卵の薄皮」は、やけどや傷を治す特効薬として重用されていました。 江戸時代には力士の間で「稽古の傷には卵の薄皮を貼るべし」として伝わっていたんですね。

このことは医学的にも実証されていまして、切り傷に卵の薄皮を貼るだけで細胞の増殖・治癒速度が速まることが判っています。

普段は食べない卵の部分にもスゴイ健康機能が隠されているんですねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2014年07月17日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。先日のコラムで卵は胃炎を予防する、という事をお伝えしました。本日はその効能をもう少し詳しくご説明します。

◆ストレスで胃が荒れるワケ
ストレスが高まると、人の体は「脂質とたんぱく質」をすぐエネルギーに変わる「グリコーゲン」や「ブドウ糖」に変えてしまいます。 「余っている脂質」だけだったらイイのですが、皮膚のコラーゲンやたんぱく質、口の中の粘膜など必要な分まで取られてしまうんですね。いわゆる「げっそり」しちゃって、また口内炎にもなっちゃうわけです。 ストレスが美容に悪い、と言われるゆえんです。また、胃の粘膜も代謝機能が落ちますので、ストレスで体内に増える「活性酸素」が胃の粘膜を攻撃することで胃が荒れてしまいます。

◆たまごが胃炎を予防する
さて、ここで非常に良質なたんぱく質を供給し、またストレスで増える活性酸素から体を守ってくれるのが「たまご」なんです。
活性酸素化から体を守る「抗酸化物質」、この代表選手である「カタラーゼ」「SOD」などの酵素はすべてたんぱく質からできています。 この体に必要なたんぱく質の素・アミノ酸を、たまごは理想的な配分でたっぷりと含んでいます。
また、たまごに多く含まれるビタミンE、そしてビタミンB2などの抗酸化物質そのものも、体を守る大切な役割を果たします。また、ビタミンEは活性酸素と反応して酸化ビタミンEとなtってしまいますが、卵にある「シスチン」というアミノ酸がふたたび酸化ビタミンEを元の戦えるビタミンEに戻してくれます。

◆鬱にも直接効く!たまごの効能
また、卵はメンタルヘルスにも効果があると言われています。たまごに含まれるフェニルアラニンやトリプトファンといったアミノ酸が脳内の安心にかかわる物質(セニトロン)の分泌を促し抗うつ作用をもたらすなど、胃炎をもたらすストレス自体に対しても効果があります。

いかがでしたでしょうか!? 5月病なんて言葉もありますが、新入社員の皆さんや新入生の皆さんも、そろそろ頑張りつかれてひと休憩したい時期です。

たまごで疲れた体を守りながら、一息つかれてみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:エッ、食べて痩せる!?”メンタルケア食品”ダイエットって・・・? – たまごのソムリエの面白コラム

(参照:タマゴを食べてもっと元気になる!講座・現代書林)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2014年05月2日