たまごの名シーン【映画編】ライフイズビューティフル
ボンジョルノ!お姫さま!!
こんにちは、たまごのソムリエ・こばやしです。
卵の名シーン映画編・第10弾、
今回は私の大っ好きなイタリア映画
「ライフイズビューティフル」をご紹介。
1997年公開
アカデミー賞3部門受賞の名作です。
「幸せなウソ」
が主題のお話なのですが、
お話の随所に「たまご」が登場していまして、
たまご屋の僕としては、
「本作のテーマと大きく関わっているなァ。」
と感じています。
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ユダヤ系イタリア人のグイドはとっても陽気な性格。
本屋になる夢をかなえるため街へ引っ越して来たところ、
美しい女性ドーラに一目ぼれ、
知恵とユーモアを駆使して猛アタックします。
時は流れ、
グイドは妻ドーラ・小さな息子ジョズエと幸せな毎日を送っていました。
が、ムッソリーニ政権下のユダヤ人迫害により、
3人はドイツ強制収容所に送られてしまいます。
収容所では
「子供は即処刑」。
そこでグイドは息子に隠れさせ、
ウソをつきます。
『これはステキな商品がもらえるゲームなんだよ。 かくれんぼだ。 見つかったら減点、寂しくって泣いたら減点。 1000点たまったら本物の戦車をもらっておうちにかえるんだよ!』
明日をも知れぬ劣悪な環境の中、
一世一代の「ウソ」を武器に息子の命を守るグイドだが・・・・・・
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こう書くと「暗い映画」かと思われるかもしれませんが、
全編通して
笑いっぱなしの面白ストーリーです。
なのに感動の涙が止まらなくなる
こんな不思議体験をしたのは
後にも先にもこの映画だけです。
◆たまごに込められている!?メッセージ
さて肝心の「たまごの名シーン」ですが、
この映画
「印象に残るシーン」中に、
繰り返し“卵”が出てきます。
まず、
オープニングのヒロインとの出会いが、「卵」なんですね。
そして、イヤーなヤツで恋のライバル、
「親同士が決めた婚約者」が出てくるのですが、
彼との出会いにも卵があります。
そして、
彼は「卵」で何度もひどい目に会うんですね^^;
生卵をアタマでつぶしてしまったり、
ダチョウのたまごが脳天にヒットしたり・・・・・・
◆たまごに象徴される人間性
英語で“悪いたまご(bad egg)”と書くと、
「悪人」を意味します。
“悪いリンゴ(Bad apple)”
という表現もあるのですが、
こちらは「(周りに悪影響のある)悪人」という意味。
そう、
悪くなったリンゴと違って、
“悪い卵”は見た目じゃ判らないんですね。
カラの外から見ても
良し悪しがわからない。
つまり、
外見は「ウソ」をつけてしまう
ってことです。
物語の前半、
見た目(殻)のハンサムな恋敵(婚約者)は、
割ってみると、魅力のない「イヤな冷たいヤツ」でした。
彼がたまごで何度もひどい目にあう(たいてい主人公のせいですが(笑))のは、
彼が「悪い卵」であることのメタファーだと僕は感じました。
そして物語の後半は、
明日をも知れぬ収容所、
「ピンチな状況」が「卵の中身」です。
主人公グイドが虐殺からの脱出を必死で模索しながら、
その恐れと焦りをツユとも出さずに、
『ゲームだから楽しいよ!』
という「殻」をまとい、息子を楽しませる。
「殺されないために隠れろ!」
…じゃなくって楽しませるんです。
これも「死の恐怖」という“悪い中身”を見えなくした「卵」じゃないでしょうか。
たまごに焦点を当ててみても、
すごく象徴的だなァ、そう感じます。
「一生に一度出会ってよかった。」
そう思える名作映画です。
ぜひ一度、ご覧になってくださいませ。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。