ヒヨコになれなかった神様と、宮崎駿さん
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
「一生に一度は映画館でジブリを」のキャッチコピーで全国上映中のジブリ映画、観てきました!
『千と千尋の神隠し』と『風の谷のナウシカ』を観たのですが、いやぁ、やっぱり感動しますね。
演出のメリハリ、細かな細部の表現など何度も見ているのに今更ながら気づく点も多く、
「大画面で観るために作られた映画は、大画面で観るととても良い」
という至極あたりまえの真理を再確認しました。
さて、『千と千尋の神隠し』に、
ヒヨコっぽい神様が出てくるのをご存知でしょうか?
ちょっと映るくらいなのですが、そのぬぼーっとした雰囲気がとても可愛く、ファンも多いようです。
この神様、オオトリさまという名前でして、
「たまごから親鶏になれなかったヒヨコの神様」なんです。
卵から生まれられなかったり、ヒヨコから育たずに死んでしまったヒナの神様。
監督の宮崎駿さんがかつて「崖の上のポニョ」作成インタビューで
「俺らの世代は、卵は特別な想いがあるんだよ。」
とおっしゃっておられました。
昭和16年生まれの宮崎さんの幼少期には、卵はぜいたく品でごちそう感があったのですね。
その「大事なもの」という感覚が、このステキな神様を登場させたのかもしれません。
そう考えると、ジブリの映画では要所で卵が出てくるシーンがいくつもありますが、
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どれも、たまご料理の表現に敬愛が感じられます。
あと、三鷹の森ジブリ美術館の上映用に作られたミニ映画に、たまごが主役の『パン種とタマゴ姫』(監督:宮崎駿・音楽:久石譲)という作品がありましたね。
これらの表現はオオトリ様と併せ、宮崎監督の卵に対する扱いの丁寧さがとても感じられ、なんだか卵屋としてもうれしくなります。
大スクリーンでのジブリ、予想以上にお勧めですよ!
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。