清明節はなぜ卵を食べる?まさかの伝説が・・・
昨日の続きです。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
今日は中国のお盆・清明節ですね!
昨日は、
『清明節にゆでたまごを食べると
一年間頭痛がしなくなる』
といういわれを
ご紹介しました。
(関連:中国・清明節のたまご伝説 | たまごのソムリエ面白コラム)
中国では
清明節のたまごって
思った以上に大事で、
『清明節に卵を食べることは、
端午節(端午の節句)にちまきを食べ、
中秋節に月餅を食べるのと同じくらい
重要なんだよ。』
・・・と聞いたこともあります。
「節卵」って言うんだそうです。
広く伝わる風習なだけに、
昨日お伝えした“頭痛治し伝説”以外に
清明節にたまごを食べると
一年間無病息災で過ごせる
・・・といういわれも、
また広く伝わっています。
でも、なんで
『たまご』なんでしょう?
この由来で有力なのが、
「火を使わず食べられるから」説
じつは、この清明節の直前に
「温めたものを食べちゃダメ」
という時期があるんです。
『寒食』って言いまして、
一切火を使わずに、
煮炊きしないものだけを
食べるんです。
清明節はこの節の直後なんで
塩漬けたまごやピータン、
煮炊きしなくて栄養摂れる
「たまご」が各家庭に
常備されている・・・
そのたまごを使えるから。
という説ですね。
なるほど。
ところで、
なんで火を使ったらいけないんでしょうか?
日本でも正月は
「正月くらい休めるように」
みたいな『おせち』の考えが
ありますが、これとは
なりたちがまるで違うんですね。
じつは2千年ほどまえの
ビックリな伝説が
元になっています。
晋の国に介子推さんという人がいました。
彼は
晋の王様・文公さんが
まだ王位に就かないころ
一緒に他国を流浪して、
苦労を共にした仲間でした。
で、ですね
文公さんが王様になったのを
見届けてから、
「出世のためにやったんじゃねーよ。」
・・・と、
山に引きこもっちゃったんです。
そこで文公さんは、
「帰っておいでよ。
お礼もしたいし。」
と人をやって、
山を降りるように
求めたんですね。
ですが介子推さん、
「ぜったいイヤだ。」
と完全拒否です。
そこで、文公さん、
「山に火をつけたら
さすがに出てくるだろう。」
と指示をだしたんです。
・・・
・・・
かなりぶっ飛んでますね(汗)
ですが、介子推さんは
それでも降りてこずに、
母親とともに山に残り
焼け死んじゃったんです。
それで文公さんは、
介子推をしのぶために、
国民に一日中
火を焚くことを禁止し、
人々が冷たいご飯を食べる
期間を設けました。
それが、清明節前の
寒食節として、今に至ります。
ちなみに一か月ありました。
ええ~・・・!
長すぎですよね。
しかも、火をつけたの
あなたじゃないの?
・・・と文句の一つも言いたくなります。
さすがに大変だったからか、
後に魏の曹操さんが
支配した際に、
「寒食は1日でいいよ。」
としまして、その後
唐の時代に禁止になりました。
ですが、民間でず~っと
風習が残って、今に至ります。
時期的に乾燥して
火事が起こりやすいから
こういう施策を取った
なんて説もあるようですね。
長く残るということは
一定の意味があったのかもしれません。
いずれにせよ、
良質たんぱく質なたまごの
保存食的メリットが
清明節のたまご料理の
由来になっているのです。
清明節は中国では
連休となるため
旅行客も多くなります。
今後のインバウンドを考えると
あなたのお店の
たまごメニュー、
和のゆでたまご料理を
来年、清明節前後の
中国からの旅行客さん向けに
考えてみるのは面白いかも
しれませんね。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。