春のお祝いとしての「たまご」(世界の歴史から)
こんにちは!こばやしです。
いつも、買っていただくお客さまに、
「いつもおいしいけど、最近のたまごは特においしい。なんで?」
と聞かれました。
うれしいですね(^^)
以前も書きましたが、たまごの旬は「春」なんです。
千年以上昔、まだ鶏さんが品種改良されていない、セキショクヤケイと呼ばれる原種に近かったころは、たまごはこの春の時期にしか生まれない貴重品でした。
品種のかけ合わせが進み、一年中たまごを産むようになった現在でも、鶏さんの一番コンディションが良いのは、今の時期。 そして、世界の生活文化のなかで「春とたまご」は密接に結びついているんですね。 本日は、この「春とたまご」の歴史的なつながりについて御説明します。
◆世界中で!春と卵の深い関係
日本の文化、短歌や俳句で見ると、「たまごの季語」は春です。 たまご=春なんですね。
そしてヨーロッパでも「春の象徴」というと卵です。
暗く冷たい冬の終わりから、暖かい光の世界へ。
季節の変化を告げ、冬の終わりを祝う象徴として、生命のシンボルである「たまご」が古来より用いられています。
そうして何世紀もの間、卵は「春の風物詩」として祝福され、贈り物として交換され、おいしく食べられてきました。 たとえばその一つが「イースターエッグ」なんですね。
イースターエッグとはヨーロッパの風習で、たまごの殻にキレイな飾り付けをして春をお祝いするイベントです(右写真参照)。
そしてそれだけでなく、中国、ペルシア、エジプト、およびギリシアでも、「春の儀式」として卵を食べて春を祝う風習があります。
比較的歴史の新しいアメリカでも欧州から伝わった「たまごころがし(egg rolling)」と呼ばれる春の伝統行事があり、これはなんと、ホワイトハウスの庭で許可されている唯一のイベントだったりします。
そもそもの「春に卵を食べてお祝いする」最も古い風習は、ユダヤ人から始まっていると言われています。 春のお祭りに際して、殻ごとローストしたたまごを食事のお盆に乗せ神に捧げていたのだとか。
余談ですが「焼きたまご」は日本ではあまりやりませんが、アジアでは比較的ポピュラーな食べ方で、ゆでたまごに比べて水分が飛ぶため味を濃く感じるナカナカ美味しい料理です。(^^)
春はたまごの旬!
この良き季節を満喫するためにも、一年で一番の旬!たまご料理をどうぞ!
(関連:千年の昔、鶏の卵は一年に一度しか生まれなかった。 – たまごのソムリエ日記)