こんなにある!世界で食べられている鶏サン以外の鳥卵10種
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
たまご、と一口に言っても、
実はニワトリさんだけじゃなくって、いろーんな卵が食べられているんです。
本日は、意外と流通していて入手可能な、
世界のいろんな鳥さんの「たまご」をご紹介。
◆けっこう美味しいアヒルのたまご
鶏さんのたまごよりは、やや濃厚でサイズも大きめです。黄身の割合がニワトリさんよりも多めなので、カスタードクリームなどに向いています。中国ではアルカリ性の灰に漬けこんだ「ピータン」が有名ですね。
黄身に含まれるビタミンAはニワトリさんの約2倍、ビタミンB12は5倍もありますが、カロリーは2倍という少々悩ましい食材ですね^^;
グイネスパルトロウなど有名女優や人気歌手が取り上げたこともあり、グルメ食材として欧米で人気となってきています。
◆卵アレルギーの救世主!エミューのたまご
青色があざやかなエミューのたまごは、「握りこぶし」くらいの大きさがあります。一番の特徴としては、「たまごアレルギー症状が出ない」ということ。アレルギーのお子さんでも食べられるんですね。 気候が合うオーストラリアでは割と手に入りやすいようです。
日本では東大が北海道に農場を持って研究中。
普通のたまごより濃厚でクリーミーな味で、ふわっとした食感があります。黄身と白身がちょうど半々の比率なので、そのままケーキを焼くととっても美味しいんです^^
◆ガチョウ
「リッチでクリーミー」と評されるガチョウのたまごは、風味が良い食材、トリュフやアスパラガスなんかと組み合わせた料理が定番なんだそうです。
サイズは鶏卵の2.5倍もあって、なかなか食べ応えがありますので、ゆでたまごやココットにするとグッドです! こばやしは沖縄でガチョウ卵のチャンプルー(炒め物料理)をいただいたことがありますが、美味しかったです!
ちなみにガチョウを飼いだした歴史はニワトリと同じくらい古く、古代エジプトにも飼育されていた記録が残っています。 少なめの餌で早く成長し、肉も卵も美味しく羽毛は良質の衣服や布団になり、さらに侵入者に対しては大声で騒ぎ番犬がわりにもなるなど、「ザ・家禽」と言うべきオールラウンダー!有能っぷりなんですね。
◆ホロホロ鳥
英語では「ギニアのニワトリ(Guinea Fowl)」とちょっと変わった名前で呼ばれているホロホロ鳥ですが、その名の通り北アフリカ出身です。
たまごは鶏卵の半分くらいでしょうか。小さいですがめっちゃ殻が固いです。黄身が多いこともあって、香り強めで濃厚な風味がします。
一年に60個程度しか産まないため、割と希少な食材として位置づけられています。 特に肉が美味しくってフランス料理で良く用いられています。
フレンチシェフの間では、
「マヨネーズにするとすんごく美味しい卵」なのだそうです。
◆超高級品!カモメのたまご
岩場で巣を作って卵を産みますから、とにかく採取が大変!必然的に高級品になります。 また、春の数週間しか採れませんので、非常にレアモノです。
僕も食べたことありません。
英国では「黒頭カモメ」のたまごを採取できるライセンスを持っているのはわずか25名だけ。
サイズは鶏卵よりちょっと大きいくらいですが、淡い灰褐色の斑点があります。
黒頭カモメのたまごを使った「世界一高価なオムレツ」を提供する英国ロンドンのレストラン「Boisdale」のシェフいわく、
「まるで春の宝石です。信じられないくらい軽くてふわふわの食感と、壮大な味がします。」
とのこと。
うーん、食べてみたい!
◆一個で40人前!ダチョウのたまご
『世界最大のたまご』です。
写真を見るとすっごいインパクトがありますねー。
中身はなんと鶏卵40個分!
固ゆで玉子にするには2時間以上かかるほどのスーパーサイズです。
味はまぁ・・・食べてみた感じでは「素朴な」というかシンプルな風味でした。
また、ダチョウの殻は厚く非常にしっかりとしていまして、ハンマーでたたいてもなかなか割れないくらい硬いんです。
なので、加工品としても使われた歴史も長く、約4万年前のダチョウ卵の殻でできた装飾品が、ケニアの洞窟で発見されています。
大航海時代にはダチョウのたまごを加工した「地球儀」↓があったり、いろんな面で活用されていました。
◆キジのたまご
実はキジは「日本の国鳥」なんです。
キジのたまご、
ご近所の方に分けていただいたことがあります。
淡い色の卵でサイズは小さめ、
鶏卵の半分くらいでしょうか。
独特の風味がありますが、
味そのものはややあっ さり目でした。
風味はキジが何を食べているかによって、つまり
季節や生息地域でけっこう変わるんじゃないかと思います。
意外なことに、キジのたまごは通販でも手に入ります。
◆「レア」のたまご
なにそれ・・・?
という方がのほうが多いのではないでしょうか。
ダチョウっぽい見た目の、「南米最大の鳥」です。
たまごも大きくて、だいたい鶏卵の10個分。
白っぽく明るいカラの色で
風味はとってもクセが強くって濃厚、
カスタードやムース、フリッタータ、キッシュ、パンケーキに向いています。
余談ですがこのレアという鳥、実はすんごい免疫システムを持っているそうで、どんなキズでも短期間で急速回復するのだとか。
この効果から、「レアの脂肪」は炎症抑制の軟膏として用いられています。
「たまご」の方はどうなんでしょうね。気になります^^
◆値段が合わない!?流通しない七面鳥のたまご
鶏卵と味が似ています。
黄身の割合が多く目玉焼きにピッタリです。
“肉”は広く食べられていますが、
「たまご」は生産効率が悪いことからほぼ出荷されません。
知り合いでもいない限り、手にいれるのは難しそうです。こばやしも食べたことありません。残念!
(関連:肉は大人気なのに、七面鳥のたまごはなぜ食べられていないのか? – たまごのソムリエ面白コラム)
◆小さくても栄養満点!ウズラのたまご
言わずと知れた「お弁当の味方」ですね!
ウズラは古来より世界中で飼われていまして、
エジプト壁画にも農民と一緒に描かれ、
ギリシャ神話にも登場します。
ただ、欧米では“肉”用途の飼育がメインで、
うずら“卵”の出荷はほぼゼロ。
卵はどちらかというとアジア中心で食べられています。
生産量一位はダントツで中国。
日本は3位です。
ビタミンB12が豊富で健康にも良いんですよねー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いかがでしたでしょうか。
グローバル化してくるこれからの社会、
もしかすると、日本でも
もっと多様なたまごを食べるのが当たり前の世の中になるかも!?
ただ、これだけいろんな種類の鳥と卵があっても、
世界で一番、
ダントツで飼われているのはニワトリさんなんですね。
世界中に110億羽!もいまして、畜産動物としても世界一です。
それだけ味・栄養・コストパフォーマンス
総合的に優れているってことですね!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
(参照:“Other eggs you should be eating instead of hen’s eggs ”| Daily Mail)