小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの歴史・文学・文化学 記事一覧

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写真はマレーシア・ペナン島での結婚式の様子です。

右下にあるレースのついた可愛らしい置物は、実はなんです。これは、子宝祈願のゆでたまごで、素焼きの壺に入れられて皆に配られるのだとか。マレーシアの結婚式で広く行われている風習で、最近では、ゆで玉子をお花でキレイに飾り付けして、皆にお渡しすることもあるようです。面白いですね!

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「たまご イコール 安産」

という考え方は世界中にありまして、例えば日本でも「鶏が初めて産みはじめる頃の卵を食べると安産する」という安産祈願の風習があります。徳島でもお渡しするととっても喜んでもらえます。(^^)
また、中国では紅蛋(ホンタン)と言いまして、殻を赤く染めたゆでたまごを出産に際して配る風習があります。もっともこれは、無事生まれたことのお知らせ&お祝いとして出産後に配るものです。

 

国立成育医療センター研究所

◆妊婦さんの体に良い!たまごのスゴさ
国立成育医療センター研究所による報告では、「妊娠中や授乳中のお母さんが卵をたくさん食べるほど、お子さんの卵アレルギー発症が少なくなる。」というデータがあります。 また、妊婦さんに必要なアミノ酸やビタミンミネラルをバランスよく豊富に含むため、たまごはお腹の赤ちゃんにとっても非常に良い食材なんですね。昔の人は長年の経験からその事を知っていたのかもしれません。

今の鶏さんのずーーーっと昔の祖先は、前述のマレーシアやフィリピンあたりの東南アジア地域に古くから分布していた「赤色野鶏(せきしょくやけい)」という種類の鳥です。

思った以上に古くから卵は伝統に組み込まれているのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:子供をアレルギーにしない、「お母さん」の食事 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年05月23日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。 ホワイトハウス庭園で唯一許可されているイベントがあります。それがなんと!たまご関連なんですね。

卵転がし(エッグローリング)」と言いまして、手にスプーンを持って芝生の上を卵を転がすというお祭りです。毎年イースター(復活祭)の翌日に沢山の子供を招いて催されます。今年は今日ですね。もちろん大統領夫妻参加です。

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驚くなかれ、このホワイトハウスでのイベント、今年で200年の伝統があるんですね! 始まったのは1814年。ジェームスマディスン大統領の時。その後時々には子供がホワイトハウスの庭で遊ぶことへの是非から禁止法案ができたり、また要望から復活したり、紆余曲折を経て今に至ります。なので今年は「第136回」となります。それでも十分すごいですが。

今年のテーマは「ヘルシーに跳んで元気にスイング“Hop into Healthy, Swing into Shape,”」だそうです。

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さて、この行事に合わせて「ホワイトハウス限定イースターエッグ」が販売されています。これは大統領と夫人のサインがスタンプされたもので、キレイな五色の色が1セットになっています。(単品でも買えるようですが) セットで39ドル99セント。(4,100円くらい)

この記念たまごが販売され始めたのは、1981年。ロナルド・レーガン大統領と夫人が最初で、大統領夫妻のみならず有名俳優や女優、スポーツ選手などのサインが入った卵を用意してたのが伝統として続いているのだとか。面白いですねー。

◆もともとは数千年以上の伝統から
イースター(復活祭)でなぜ「卵転がし」なのかというと、これはキリストが復活した際に岩を転がしてどかせたことから由来していると言われており、イギリス・ドイツなど欧州では坂の上から卵を転がすという風習が古くから行われていました。

そもそもは、卵は復活と生命の象徴でもあり、キリスト教以前の原子信仰に由来するとも言われており、実はとんでもなく古い伝統から始まっているんですね。それが“新大陸”へ渡り新たな伝統になっているとは面白いです。

ホワイトハウスを中心に、市民に政治を知ってもらう、政治を身近に感じてもらう催しとしての200年続くこの伝統に、生活に欠かせない身近な食材としての卵が用いられていること、うれしく思います(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年04月21日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。徳島県でも桜が咲き乱れ、心なしかウキウキしています。さて、

ペルシャ
中国
エジプト
ギリシャ
アメリカ 

これらの国の共通点ってなんだか分かりますか?

それは、古くから「たまごで春をお祝いする」風習があった国なんです。「春の儀式」としてそれぞれ食べられていました。

鶏さんの原種「セキショクヤケイ」とそれに近い種は、そもそも春ごろの時期しか卵を産みませんでした。ツバメなどの他の鳥さんとおんなじです。

といっても「春の貴重なごちそう」だからお祝いに使われているだけじゃなくて、卵は宗教的にも「復活」や「神性」の象徴として世界各地で考えられていてさまざまな祭事と絡んでいるんですね。(日本の民話でも、沖縄や秋田など、卵と神様が絡んだ伝承が各地で見られています。)

何度かご紹介させてもらっている欧米の復活祭に用いられる「イースターエッグ」、そしてアメリカで伝統の卵転がし(egg rolling。これはホワイトハウスの庭で唯一許可されている唯一の行事なんです!またペルシャでは古代から、春に卵を贈りあう習慣がありました。

春に卵でお祝いをする」という風習の記録で、最も古くから残っているのはユダヤ人のお祝い。もしかするとペルシャやギリシャにも、ユダヤ人を通じて文化が入っていったのかもしれませんね。

ちなみにユダヤ人の祭事では、殻ごと焼いた卵をお盆に乗せて神にささげていたのだそうです。

長年の育種によって、今ではほぼ毎日たまごを産んでくれるわけですが、やっぱり鶏さんのコンディションが良いのは、もともと産んでいた「春」なんですねー。

ぜひ、皆さんも、春の行楽シーズン、お弁当や朝ごはん、ちょっとした食事に卵で春をお祝いしてみませんか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます!

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年04月5日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

「たまごの値段高騰!」

・・・・・・というニュースがこの半年で頻繁に報道されています。

その原因については、以前このコラムで書きました。(「たまごの値段ナゼ高い!?」たまごのソムリエ日記

ところで、

たまごの値段って、昔はいくらくらいだったんでしょうか?

一般的に卵が広く食べられ始めたのは江戸時代。

その頃のたまごはというと・・・・・・、

当時の記録を見ると、1個20文というのが標準だったようです。

これは今の価値に換算すると、だいたい400円くらい。

1個400円」っていうと、ナカナカの高価な食材ですねェ。(^^;)

1パックで4千円になっちゃいますよ。

 

◆結構最近まで高級だったたまご

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ちなみにNHK朝ドラ「ごちそうさん」で主人公めい子さんが大阪に嫁いだ大正13年ごろだと、卵ひとつだいたい7銭。 カレーライスが同じ7銭でしたから、まァだいたい一個4、5百円くらいの感覚でしょうか?意外と変わってないんですね。

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さて、これが今から半世紀前の昭和30年代、映画「Allways三丁目の夕日」の頃になりますと、これが卸売市場価格で一個約14円。 今の価値に換算すると一個200円くらい。

半分に下がりましたが、うーん、まだまだ高価ですねェ。

ただし、一個14円というと、ちょうど現代の東京市場卸売価格と値段はおんなじです。つまり“価格”としては、ここからの50年間変化なし。

これが“物価の優等生”たる所以なんですね。

これは畜産に関する知恵と技術の向上と、先人の皆様のたゆまぬ努力のおかげでもあります。感謝です!(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年03月27日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

短更新、といいながら本日二回目の更新です。

ひな祭りに牛肉や鶏肉料理食べると金運UPすると識者解説 | マイナビニュースhttp://news.mynavi.jp/news/2014/03/02/105/
『(前半略)加えて牛肉や鶏肉の料理を食べると、金運アップに繋がるという。「古代中国の占術のベースになっている『五行説』で読み解くと、金運を司るパワーと相性がいい十二支が“酉”と“丑”なんです。そのため、鶏肉や牛肉を取り入れた料理をひな祭りに食べるといいかもしれませんね」』

とのことで、ひな祭りに鶏肉など鶏さんや牛肉を取り入れた料理を食べると「金運」アップするのだそうです。

“金運”と鶏さんは確かにつながりが深くて、以前にもご紹介しましたが、風水の世界では「最も寒い時期(大寒ごろ)生まれの卵を食べると、一年の金運がアップする」と言われておりました。これは、寒さで快適元気になった鶏さんが一年で最も飼料をたっぷりたべる時期であることから、滋養に富んだたまごを生み、それを食べると体に活力が増して仕事がうまく行くから……と言われています。

春のひな祭りの時期も、旧暦で言うとまだまだ寒い時期です。 同じような根拠で鶏さんが金運と結びついている可能性は十分あるのではないでしょうか!?

ぜひ、本日の晩御飯は鶏料理&たまごで決まり!ですよ(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ちょっとハッピーな世界の卵伝説 中国編 金運の上がる卵!‐たまごのソムリエ日記

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年03月3日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

天津飯ってご存知ですよね。

アツアツごはんの上にふわふわの卵、そしてとろーり餡がかかっているアノ美味しい料理です。

これ、日本で普及した中華料理だってことを知ってますでしょうか?

“天津”の名はついていますが、中国の天津ではカニ玉をご飯の上にのっけて食べるという習慣はありません。

諸説ありますが、東京の中華料理店「来来軒」で始まったという説と、大阪の「大正軒」で始まった説の2つが有力のようです。

そういえば、名古屋のラーメン屋さんで必ずメニューに載っている「台湾ラーメン」も、台湾発祥じゃなくて日本(というか名古屋地区)発祥なんですね。 スパゲッティ「ナポリタン」も、ナポリはおろかイタリア全土で食べられていませんですし、少しでもゆかりがある地の名前をメニューに取り入れるのは、なんでも取り入れる日本の食文化らしいネーミングセンスなのかもしれませんね。

ちなみになぜ「天津」なのかというとこちらも諸説あって、お米やカニなど天津産の食材をたまたま輸入して使っている時期だったからという説と、天津のご飯の上におかずを盛って食べる習慣が元になっているからという説があるようです。

◆ダイナミックさが美味しさの秘訣
天津飯のふんわりした玉子を作るコツは、多めの油で一気に加熱すること。 猛烈に大きな動作でかきまぜつつ加熱したほうが、うまく行きます。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年02月24日