小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの歴史・文学・文化学 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日の金曜ロードSHOW!は「ガリバー旅行記」です。地上波初登場ということですが、これ現代風にアレンジされていて、結構面白いです。

さて、このガリバー旅行記の原作「ガリバー小人国へ行く」(スイフト著)は、ほとんどのみなさん絵本でご覧になった事があるかと思います。

船が難破し、流れ着いた王国は小人の国だった。おりしも隣国との戦争中だった小人国にガリバーは協力、敵艦隊の弓矢をメガネで防ぎ船に縄をひっかけて捕まえて帰り、大勝利をもたらした!

・・・・・・絵本だとこういうストーリーです。

では、なぜ隣の国と戦争していたのか?じつはそれはゆでたまご」が原因だったんですね。

卵には尖った方と丸い方とがあります。朝食のゆでたまごを『どっちから割るのか』を巡って隣国同士が対立し、戦争を引き起こしているんですねー。

ガリバーの活躍の裏には、たまごが大きく関係しているなんて!意外ですねー。(^^)

以前も当コラムで書きましたが、これは原作執筆当時の英国の宗教対立を面白おかしく批評したもの。原著者のスウィフトさんは、ほのぼの絵本なんてとんでもない、過激な風刺作としてこの本を書いていまして、当時は名前まで偽って執筆していたのだとか。

そう思って今夜放送の映画「ガリバー旅行記」を観ると、また違った感想がでてくるかも!? 個人的に主演のジャックブラックさんは大好きなんですね!ぜひお時間あれば、ゆでたまごの騒ぎを思い出しながら、ぜひごらんになってくださいませ!(映画ではゆで卵は出てきませんが…)

(関連:ガリバーを戦争に巻き込んだ「ゆでたまご」 – たまごのソムリエ面白たまごコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年06月20日

sudati_tamago.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
以前、下記のようなたまご伝説をご紹介しました。

イタリアのモンフェラートでは、キリストが昇天した日に新しい巣で生まれた鶏卵は、胃と頭と耳の痛みを治し、麦畑に持ちゆけば麦奴の侵害を予防し、葡萄ぶどう園に持ち往けばその葡萄が霰あられに損害を受けることは無くなると信じられている 南方熊楠著 十二支考(下))

この「キリスト昇天日」というのが、本日!5月29日なんですねー。

この日のたまごを麦畑やぶどう園に持ってくと、畑を災害から守ってくれるという事ですが、お米の場合はどうなんでしょうかねェ・・・? なにせウチの会社のまわりは見渡す限り田んぼ、今朝も徳島は良い天気、私達のお届けする卵が農場から田んぼの間を通り抜けて自社選別場に入ってますので、もしかして多少は御利益があるかも・・・!?(^^;)今年も台風にやられることなく美味しいお米になってほしいものです。
「個人的な健康」の方としては、耳は良いのですが頭痛の方はわりとあるので、今日の産みたて卵を美味しく食べようとおもってます。

といってもほぼ365日、卵をたべてるのですが。

(宣伝です!)本日朝どれたまごのご発送はこちらから→「たまごのソムリエ 楽天オンラインショップ

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年05月29日

kodakara_oiwaiegg.jpg

写真はマレーシア・ペナン島での結婚式の様子です。

右下にあるレースのついた可愛らしい置物は、実はなんです。これは、子宝祈願のゆでたまごで、素焼きの壺に入れられて皆に配られるのだとか。マレーシアの結婚式で広く行われている風習で、最近では、ゆで玉子をお花でキレイに飾り付けして、皆にお渡しすることもあるようです。面白いですね!

kekkonnsiki_yudetamago.jpg

「たまご イコール 安産」

という考え方は世界中にありまして、例えば日本でも「鶏が初めて産みはじめる頃の卵を食べると安産する」という安産祈願の風習があります。徳島でもお渡しするととっても喜んでもらえます。(^^)
また、中国では紅蛋(ホンタン)と言いまして、殻を赤く染めたゆでたまごを出産に際して配る風習があります。もっともこれは、無事生まれたことのお知らせ&お祝いとして出産後に配るものです。

 

国立成育医療センター研究所

◆妊婦さんの体に良い!たまごのスゴさ
国立成育医療センター研究所による報告では、「妊娠中や授乳中のお母さんが卵をたくさん食べるほど、お子さんの卵アレルギー発症が少なくなる。」というデータがあります。 また、妊婦さんに必要なアミノ酸やビタミンミネラルをバランスよく豊富に含むため、たまごはお腹の赤ちゃんにとっても非常に良い食材なんですね。昔の人は長年の経験からその事を知っていたのかもしれません。

今の鶏さんのずーーーっと昔の祖先は、前述のマレーシアやフィリピンあたりの東南アジア地域に古くから分布していた「赤色野鶏(せきしょくやけい)」という種類の鳥です。

思った以上に古くから卵は伝統に組み込まれているのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:子供をアレルギーにしない、「お母さん」の食事 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年05月23日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。 ホワイトハウス庭園で唯一許可されているイベントがあります。それがなんと!たまご関連なんですね。

卵転がし(エッグローリング)」と言いまして、手にスプーンを持って芝生の上を卵を転がすというお祭りです。毎年イースター(復活祭)の翌日に沢山の子供を招いて催されます。今年は今日ですね。もちろん大統領夫妻参加です。

whitehouse_egg2014_2.jpg

驚くなかれ、このホワイトハウスでのイベント、今年で200年の伝統があるんですね! 始まったのは1814年。ジェームスマディスン大統領の時。その後時々には子供がホワイトハウスの庭で遊ぶことへの是非から禁止法案ができたり、また要望から復活したり、紆余曲折を経て今に至ります。なので今年は「第136回」となります。それでも十分すごいですが。

今年のテーマは「ヘルシーに跳んで元気にスイング“Hop into Healthy, Swing into Shape,”」だそうです。

whitehouse_egg2014.jpg

さて、この行事に合わせて「ホワイトハウス限定イースターエッグ」が販売されています。これは大統領と夫人のサインがスタンプされたもので、キレイな五色の色が1セットになっています。(単品でも買えるようですが) セットで39ドル99セント。(4,100円くらい)

この記念たまごが販売され始めたのは、1981年。ロナルド・レーガン大統領と夫人が最初で、大統領夫妻のみならず有名俳優や女優、スポーツ選手などのサインが入った卵を用意してたのが伝統として続いているのだとか。面白いですねー。

◆もともとは数千年以上の伝統から
イースター(復活祭)でなぜ「卵転がし」なのかというと、これはキリストが復活した際に岩を転がしてどかせたことから由来していると言われており、イギリス・ドイツなど欧州では坂の上から卵を転がすという風習が古くから行われていました。

そもそもは、卵は復活と生命の象徴でもあり、キリスト教以前の原子信仰に由来するとも言われており、実はとんでもなく古い伝統から始まっているんですね。それが“新大陸”へ渡り新たな伝統になっているとは面白いです。

ホワイトハウスを中心に、市民に政治を知ってもらう、政治を身近に感じてもらう催しとしての200年続くこの伝統に、生活に欠かせない身近な食材としての卵が用いられていること、うれしく思います(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年04月21日

oiwaitamago201404.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。徳島県でも桜が咲き乱れ、心なしかウキウキしています。さて、

ペルシャ
中国
エジプト
ギリシャ
アメリカ 

これらの国の共通点ってなんだか分かりますか?

それは、古くから「たまごで春をお祝いする」風習があった国なんです。「春の儀式」としてそれぞれ食べられていました。

鶏さんの原種「セキショクヤケイ」とそれに近い種は、そもそも春ごろの時期しか卵を産みませんでした。ツバメなどの他の鳥さんとおんなじです。

といっても「春の貴重なごちそう」だからお祝いに使われているだけじゃなくて、卵は宗教的にも「復活」や「神性」の象徴として世界各地で考えられていてさまざまな祭事と絡んでいるんですね。(日本の民話でも、沖縄や秋田など、卵と神様が絡んだ伝承が各地で見られています。)

何度かご紹介させてもらっている欧米の復活祭に用いられる「イースターエッグ」、そしてアメリカで伝統の卵転がし(egg rolling。これはホワイトハウスの庭で唯一許可されている唯一の行事なんです!またペルシャでは古代から、春に卵を贈りあう習慣がありました。

春に卵でお祝いをする」という風習の記録で、最も古くから残っているのはユダヤ人のお祝い。もしかするとペルシャやギリシャにも、ユダヤ人を通じて文化が入っていったのかもしれませんね。

ちなみにユダヤ人の祭事では、殻ごと焼いた卵をお盆に乗せて神にささげていたのだそうです。

長年の育種によって、今ではほぼ毎日たまごを産んでくれるわけですが、やっぱり鶏さんのコンディションが良いのは、もともと産んでいた「春」なんですねー。

ぜひ、皆さんも、春の行楽シーズン、お弁当や朝ごはん、ちょっとした食事に卵で春をお祝いしてみませんか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます!

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年04月5日

ukiyoe_hyousi2014.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

「たまごの値段高騰!」

・・・・・・というニュースがこの半年で頻繁に報道されています。

その原因については、以前このコラムで書きました。(「たまごの値段ナゼ高い!?」たまごのソムリエ日記

ところで、

たまごの値段って、昔はいくらくらいだったんでしょうか?

一般的に卵が広く食べられ始めたのは江戸時代。

その頃のたまごはというと・・・・・・、

当時の記録を見ると、1個20文というのが標準だったようです。

これは今の価値に換算すると、だいたい400円くらい。

1個400円」っていうと、ナカナカの高価な食材ですねェ。(^^;)

1パックで4千円になっちゃいますよ。

 

◆結構最近まで高級だったたまご

gotisousan_2013.jpg

ちなみにNHK朝ドラ「ごちそうさん」で主人公めい子さんが大阪に嫁いだ大正13年ごろだと、卵ひとつだいたい7銭。 カレーライスが同じ7銭でしたから、まァだいたい一個4、5百円くらいの感覚でしょうか?意外と変わってないんですね。

allwayssanchoume2014.png

さて、これが今から半世紀前の昭和30年代、映画「Allways三丁目の夕日」の頃になりますと、これが卸売市場価格で一個約14円。 今の価値に換算すると一個200円くらい。

半分に下がりましたが、うーん、まだまだ高価ですねェ。

ただし、一個14円というと、ちょうど現代の東京市場卸売価格と値段はおんなじです。つまり“価格”としては、ここからの50年間変化なし。

これが“物価の優等生”たる所以なんですね。

これは畜産に関する知恵と技術の向上と、先人の皆様のたゆまぬ努力のおかげでもあります。感謝です!(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2014年03月27日