小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの歴史・文学・文化学 記事一覧

dachou_tikyuugi1.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。昨日のNHK Eテレ「すイエんサー」をご覧いただいた方、ありがとうございました!(^^)見逃した方、土曜日(9:30-)に再放送がありますのでよろしくです。

さて、写真の丸い玉は、ダチョウのたまごでできた地球儀。 年代測定をした結果、1500年代初頭に作られたということが判明し、ちょっとした話題になっています。

なぜかというと、地球儀に「アメリカ大陸」が描かれているから。 コロンブスがアメリカ大陸を発見したのは、1492年。現存する世界最古の地球儀が作られたのが1504年ごろで、この“ダチョウ地球儀”がそのひな形になった可能性があるのだとか。 これはいわば、当時の最新情報が詰まった「情報端末」だったってことです。

ダチョウの卵を使った地球儀は非常に珍しく、年代に関わらず希少性が高いものでもあるようで、そういう意味でも非常に価値のたかい逸品です。

dachotamago.jpgのサムネール画像

ちなみにダチョウの卵はニワトリさんと同じで“楕円形”。 まんまるの“地球儀”はどうやって作ったのかと言うと・・・・・・

dachou_tikyuugi.jpg

こんな風に、球になるように卵殻ふたつをくっつけてあるんですね! とっても面白いです。

ダチョウのたまごは非常に耐久性が高く加工品として珍重されていました。 現在見つかっている人類最古の装飾品はダチョウ卵殻で作られた首飾りで、約40000年前。アフリカの洞窟で発見されています。 食べるだけじゃなく、いろんな形で活用され人類の歴史に貢献しているのは、とってもワクワクします。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:ダチョウの卵に描かれた小さな北米大陸 – BIGLOBEニュースhttp://news.biglobe.ne.jp/trend/0823/geo_130823_6354929145.html)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2013年11月20日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

今年3月にNHK文化研究所が行った「日本語のゆれ調査」によると、「卵焼き」と表記する人と「玉子焼き」と書く人がどの世代でも混在していることが判りました。

こういったことを「言葉のゆれ」と言うのだそうですが、確かに周りに聞いてみても「玉子焼き」「卵焼き」どっちを書くかはホントまちまちです。

さて、この調査で男女1,241名の方に聞いたところ・・・

  「卵焼き」派・・・・・・ 33%
  「玉子焼き」派・・・・ 64%

と、いう結果となりました。

つまり、3人いれば2人は「玉子焼き」1人は「卵焼き」と書くってことですねー。

そして、男女別でみても、かなり面白い差が出ています。

tamagoyaki_hyouki1.jpg

見ての通り、男性は「玉子焼き」派が主流で、男性と比べると女性は「卵焼き」派の割合がずっと多いんですねェ。 うーん!? いったいなぜでしょう??

ちなみにウチの女性スタッフに聞いてみましたが「卵焼き」が多数派でした。 「なぜ?」と聞いてみましたが、「さあ・・??なんとなくですねー?」との回答。

◆男女差、こばやしの推測
ひとつには、「ふだん触れている情報」の違いがあるのかもしれません。

手元にある「料理レシピ本」を見てみましたが、ほぼ全てが「卵焼き」となっています。 また、“原材料”は「卵」表記ですので、普段レシピに触れる方は「玉子」よりも「卵」の文字を見る機会が多いんですね。

tamagohyouki_oisinbo.jpg

反面、小説や漫画では、「玉子焼き」表記が多く出てきます。 例えば漫画「美味しんぼ」では「玉子焼き」です。

「普段料理をする人」の割合の差が、この男女の差となっているのかもしれません。

◆結局どっちが正しいの・・・?
・各新聞社は「たまご」を「卵」表記で統一していますが、例外として“料理名”については「玉子」表記をするのだそうです。「玉子丼」などですね。

・国語的には、「卵」と「玉子」は用途が少し違いまして、辞書は

   卵 ・・・生物学的なものすべて。魚も虫もすべて含む
玉子 ・・・ニワトリのたまごだけ。鶏卵。

となっています。

なので、「卵」でも間違いではないですが、「料理されたニワトリさんのたまご」については「玉子」表記が妥当なんじゃないでしょうか。

ちなみに歴史的には「玉子」は後からできた当て字なので、範囲が狭いのもうなづけます。

つまり、

 「玉子丼」 「ゆで玉子」 ・・・ ◎
 「卵丼」 「ゆで卵」 ・・・ 間違いじゃないけど、(イクラなどの)卵丼も含まれてしまう

・・・・・・ってことだと思います。(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照)日本語のゆれに関する調査(2013年3月)から 1

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2013年11月13日

ミネソタの卵売り

たまごのソムリエ小林です。

ミネソタの卵売り」という歌をご存知でしょうか?

昭和26年の大ヒット曲です。歌手は暁テル子さん。更にその後即席ラーメンのCMで替え歌が話題になりました。

おそらく65才以上の方、ちょうど「あまちゃん」の夏ばっぱが小さいころに聴いていらっしゃったようなイメージでしょうか。

歌詞をちょっとだけ紹介しますと、

 

ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番の人気者 つやつや生み立て 買わないか
卵に黄身と 白身がなけりゃ
お代は要らない ココココ コケッコ
2.
ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番ののど自慢 私のにわとり自慢です
卵を生んだり お歌のけいこ
ドレミファソラシド ココココ コケッコ
3.
ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番の美人です 皆さん卵を喰べなさい
美人になるよ いい声出るよ
朝から晩まで ココココ コケッコ

ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番の人気者 つやつや生み立て 買わないか
卵に黄身と 白身がなけりゃ
お代は要らない ココココ コケッコ

ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番ののど自慢 私のにわとり自慢です
卵を生んだり お歌のけいこ
ドレミファソラシド ココココ コケッコ

ココココ コケッコ ココココ コケッコ
私はミネソタの卵売り
町中で一番の美人です 皆さん卵を喰べなさい
美人になるよ いい声出るよ
朝から晩まで ココココ コケッコ

・・・・・・てなカンジです。

軽妙な詩で明るくて、なんというか楽しそうです。

卵を売って町一番の人気者・・・あこがれるなー!(^^)

いやー、でもインパクトもスゴイですね。

なにせ「ミネソタ」ですからね。

いったいどこなの、ソレ!?・・・てなカンジです。

ちなみに「アメリカ合衆国ミネソタ州」は、全米で5本の指に入る大規模鶏卵養鶏会社「マイケル・フーズ」の本社があるなど、全米中でも採卵が盛んな地域です。 最近では昨年、同社が33州にまたがる大規模なリコール(菌汚染による回収騒ぎ)を起こして卵関連の知名度が不名誉に上がっている州でもあります。(^^;)

まァもっとも、作詞をされた利根一郎さんは、ミネソタ州行ったこともなく卵売りサンがいるかどうかも知らずに詞を書いた・・・・・・のだそうで、「ミネソタ」は単に語感とイメージの良さから、または利根氏の家にたまたまいらっしゃった知人がミネソタ出身だっただけ・・・・・・、そんな説もあるようです。

短いですが、実際に歌われた映像がyoutube動画にあります↑。

昭和56年にヒットした替え歌のCMは、ハウスの「たまごめん」という即席ラーメンです。かなり流れていたので、こちらを覚えている方も多いようです。

軽妙で楽しい曲なので、その後もたくさんの方がカバーし歌っているようですね。 冒頭の写真は、BS放送の歌謡番組のワンシーンです。 おもわず聞きほれてしまいました。

個人的にはJAZZが大好きなので、youtubeで検索すると出てきました下記のスィングジャズバージョンがめっちゃ素晴らしかったです↓↓。ぜひ生で聴いてみたい・・・!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2013年08月28日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

お盆を前にして、バタバタとしております。(^^;)

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。
暑い日が続きますねー。息子と半日泳いでいたら、上半身まっ赤っ赤になってしまいました(^^;)
さて、本日はひんやりする話を。
日本でたまごが日常的に食べられるようになったのは、江戸時代から。
それまでは一般的に、卵をたくさん食べるのは「ちょっと恐ろしいコト」だと考えられていた様です。

さて、本日はたまご鶏のちょっと怖い伝説 第二弾です。

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『沙石集』(1279年・鎌倉時代)

自分の子供にたくさんの卵を採って毎日食べさせている母親がいた。

ある日の夜更け、ふと母親が目を開けると、
子供たちの枕元に女が立っている。

女は
「子供はいとおしいぞ、いとおしい・・」
そう言って泣いている。

そこでハッと目を覚ます。 夢であった。

ところが、程なくして子供たちが次々と死んでしまった。

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と、いうお話です。

前回ご紹介の「日本霊異記」と同じく、たまごを煮たり焼いたりして食べたら良くない目に合うよ・・・という伝説。 うーん、僕はまさに「子供にたくさんの卵を採って毎日食べさせる親」で、息子もたまご大好きなんですよねェ・・・(ーー;)

日本でたまごが日常的に食べられるようになったのは、江戸時代から。 それまでは一般的に、卵をたくさん食べるのは「ちょっと恐ろしいコト」だと考えられていました。

でも、幕府や都の法律で禁止されていたわけじゃないんですねー。(牛や馬を食べるのは禁止されていました)、 あくまで、仏教の戒律、「殺生をしたらバチがあたる。」という仏教の教えから。

 

◆影響がすごい!?鎌倉時代ベストセラー本
日本霊異記」と同じく、この「沙石集」も仏教の教えを広めるために書かれた説話集なんですね。 「沙石集」名前の意味は「沙(すな)から金を、石から玉(宝石)を引き出す」という意味で、

 

世俗の他愛ない事柄を使ってホトケの教えを説く」事を目的としています。

内容は非常にバラエティに富んでいまして面白く、後の落語や狂言にもつながっていく大変重要な文学作品でもあります。

 

ただ・・・・・・、「卵食文化」という観点で見ると、絶大な効果のネガティブキャンペーンになっちゃってるんですねェ・・・。 鶏肉もですが。

なにせこの後、外国文化が受け入れられる1600年代まで数百年間に渡り、宗教的恐怖心から卵を食べる文化が無くなっちゃった訳ですから。(江戸時代まで、卵料理に関する記録は一切存在しないんです)

 

まぁ、仏教では「殺生がいけない。」という意味で「卵食」を禁じたわけですが、洋の東西を問わず「生命が生まれくる『卵』という存在」を宇宙や高位の存在とする考え方が多数ありますので、殺生うんぬんべつにして「卵は尊い存在だから。」という感覚的な「敬い」の気持ちも理由としてあったのかもしれません。

 

食に関しては何でも取り入れてしまい、宗教的タブー無く「うまいもん」を追求していくのがザ・日本人である。・・・・・・と思っていましたが、非常に敬虔であった時代もあるんですねェ。

そしてその反動から、江戸時代にはいると卵料理文化が一気に花開き、料理集や卵の煮売り屋台、薬としての卵食文化など、さまざまな形で一般大衆に定着していくことになります。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます(^^)

(関連)【納涼】たまご・にわとりのちょっと怖い伝説 その1 – たまごのソムリエ日記

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2013年08月10日

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こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。 先日は卵の怖い伝説をご紹介しましたが、今度は反対に、卵のハッピー伝説です。(^^)

イタリアのモンフェラートでは、キリストが昇天した日に新しい巣で生まれた鶏卵は、胃と頭と耳の痛みを治し、麦畑に持ちゆけば麦奴の侵害を予防し、葡萄ぶどう園に持ち往けばその葡萄が霰あられに損害を受けることは無くなると信じられている 南方熊楠著 十二支考(下))

・・・のだそうです。

うーん、素晴らしいですね。

もともとキリスト教圏では、卵は「復活の象徴」と考えられてきました。 復活祭(イースター)でたまごを飾るのも、このためです。

また、「麦畑ぶどう園キリスト昇天日産まれの卵で災害から免れる」というのも大変興味深いです。麦は聖書で最も良く出てくる植物で、200箇所にわたって引き合いに出されています。 また、小麦でできたパンはキリストの肉、そしてぶどう酒はキリストの血と考えられています。

mugi_budou_tamago.jpg

聖餐式、と言いまして、いわゆる“最後の晩餐”の際にキリストが弟子にパンとワインを分けて与え「これは私の血と肉です。今後もこのように行っていきなさい。」と語ったことが始まりです。 教会での礼拝において聖餐式が行われ、洗礼を受けた人が皆でパンとワインを食べます。

上記の伝説でいうと、卵は復活したキリスト、ぶどう園と麦畑は今まさにキリスト教を信じ深めていく人々とも言えるでしょう。

卵の伝説を通して、「キリスト教の教えを守るとハッピーになりますよ!」と感じてもらう仕組みになっているのではないでしょうか。

ちなみにこの「昇天日」(昇天祭)は、毎年変わります。復活祭の40日後なので、今年は5月9日でした。来年、2014年は5月29日です。 ウチに葡萄畑は無いですが、目と耳と頭が健康になるように、来年は「昇天日新しい巣生まれの卵」を食べてみようかと思います。

 

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連)【納涼】たまご・にわとりのちょっと怖い伝説 その1 – たまごのソムリエ日記

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2013年08月6日

onepiece_kobito.jpgこんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

少年ジャンプで連載中の人気漫画「ワンピース」に、小人が出てきたので、以前、ガリバーとゆでたまごの奇妙な関係について書いた事をふと思い出しました。

このガリバー旅行記に出てくる小人のサイズ。いったいどれくらいのイメージなんでしょうか?

原書には「ガリバーは小人の12倍の大きさ。」

と書かれています。また、食事シーンでは、

「ガリバーの食事は(小人国人)300人で作り、1724人分の食事を用意した。」と書いてある。

実際は、体積12倍として3乗すると、12×12×12で1728人分が必要です。

ガリバーが仮に80kgの体重だったとすると1728分の一、

小人の体重は約46gという事になります。

ちょっと小さめのたまご一個ですね。

小さめの卵を手に持った時に、

ああ、小人はこれくらいだなー、と感じてもらえればほぼ間違いが無いです。 ワンピースの小人も、それくらいなのでしょうか!?

もうちょっと大きめのようにも見えますが。(^^)

(参照)ガリバーを戦争に巻き込んだ「ゆでたまご」 – たまごのソムリエ日記

ちょっと小ぶりで味のギュッと詰まった縁起モノ、「初産みたまご」↓↓ これお気に入りなんです(^^)

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カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2013年07月26日