小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの歴史・文学・文化学 記事一覧

 

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

 

昨年も書きましたが、

3月3日は、平安時代より続く宮中行事「鳥合(とりあわせ)」の日です。

闘鶏によって五穀豊穣をお祈りし、

今年一年の収穫を占う神事が行われます。

もともとは、中国唐の時代に始まって日本に伝わった風習で、

平安時代には宮中だけじゃなくて、

貴族の間でも大いに流行ったそうです。

もっともこちらは、貴族どうしのパーティーや、鶏自慢の品評会的な要素が強かったのだとか。

◆そもそも闘鶏のためにニワトリを飼いだした説
そもそもニワトリさんのご先祖

「セキショクヤケイ」は、

飼うメリットが少ない鳥でした。

ハトよりちょっと大きいくらいで、肉も少ない。

たまごは一年にちょっとしか産まない。

ナワバリ意識が強くって懐かない。

うーん、

自分だったら飼いたくないですねぇ…。

なのに、なぜずーーーっと品種改良を重ねて飼い続け、

今の美味しいたまご、美味しいニワトリさんになったのか!?

一説によると、それは「闘鶏のため」とも言われるんです。

雄のナワバリ意識が激しいのを利用して、

闘鶏のために飼う。

ようするに、「エンターテインメント」ですね。

より強い軍鶏を!

・・・・・と改良を重ねるうちに、

「あれ、体も大きくって肉おいしいじゃん。」

「たまごも沢山産むじゃないの。」

ってなカンジでしょうか。

なんというか、

かつてプロペラを作っていたヤマハが、

エンジン→ バイク→ 水上バイク→ 船体強化樹脂の応用でプール事業のトップブランドに

と変遷したのを思い出します。

世界110億羽まで広がったニワトリさんの数奇な運命を想いを馳せ、

そして豊穣のお祈りのためにも、

ひな祭りの日には美味しいたまご料理、鶏肉料理をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:エッ!?闘鶏で独立を決めた国があるってホント? – たまごのソムリエ 面白コラム

(関連:たまご・鶏のことわざ_その7・・・「毛嫌い」 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2017年03月1日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ちょっと縁起の良いお話を。

【今週来週のたまごを食べると、あなたの金運が上がるかも!?】

一年を24に区切った季節の表現“二十四節気”では

いまは「立春」まえの「大寒」という季節です。

二十四節気のひとつ「大寒」の時期は、七十二候で表現すると「款冬華」と書いて「ふきのはなさく」と読みます。
また同じ時期を中国では「鶏始乳(にわとりはじめてにゅうす)」とも書き表わします。(※注1)
前者は「ふきが目を出す頃」という意味で、
後者は「春が近づき鶏が卵を産み始める頃」という意味です。

この「大寒」の時期2週間

さらに細かく分けた「七十二候」という表式で表すと、

日本では「款冬華」(ふきのはなさく)

中国では「鶏始乳(にわとりはじめてにゅうす)」と言われる時期なんです。

前者は「ふきが目を出す頃」という意味で、

後者は「春が近づき鶏が卵を産み始める頃」という意味ですね。

さて、この「最も寒いころ」である大寒2週間。

この頃の卵を食べると、金運が上がる。

風水でそう伝えられます。

えー!それはスゴイ。

でもなぜなのでしょう!?

鶏さんはふわふわの羽毛を着ていますから、

暑さに弱く、寒いと快適です。

この時期、

寒いときには特に餌をたっぷりと食べ、

一年の中で最も滋養に富んだ卵を産みます。

ですので、中国では、

この滋養に富んだたまごを食べると、

活力が増して、商売がうまくいく!

→ だから金運が上がる。

そういういわれなんです。

たんなる迷信というわけじゃなくて、一定の理屈があるんですね。

なかなか面白いです。

また、いつもの年であれば「一年の金運」が上がる。

そして、12年にいっぺん、

酉年の大寒頃のたまごを食べると、

なんと一生金運が上がる!

と風水でいわれます。

すなわち今年!いまですね。

私達もこの時期に合わせて、

鳴門金時さつまいもをたっぷりと飼料に配合した期間限定卵

金時金運たまご(ダジャレですが美味しいんです)

をはじめ、みなさまの一生の「福」となる縁起の良いたまごとして、

いろんなPRのうえご提案&販売をしております^^

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ぜひこの時期、2月上旬ごろまでのたまごを食べる際は、

「これを食べると一生金運が上がるんだ・・・!」

と思って召し上がってみてくださいませ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2017年01月24日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

『煮抜きにおろし金』

という言葉をご存知でしょうか?

「煮ぬき」とは、ゆでたまごの事。

上方では、昔こういう呼び方をしていたんですね。

では、

煮ぬき(ゆでたまご)とおろし金

って、何のつながりがあるのでしょう??

それは、

「お父さんが赤ちゃんにほおずりしているようす」

これを例えて表現したものなんですねー。

お父さんのおヒゲが、赤ちゃんのやわツルほっぺに当たっている。

赤ちゃんもキャッキャ笑っているけど、

ちょっとだけ

イヤーン!

となっているようす^^

あーモウ!かわいいなァ。

みなさんもほほえましくご覧になったことがあるのではないでしょうか。

これが、

「煮ぬきにおろし金」

なんですね。

なかなかステキな表現です。

僕もほおずり、めっちゃ息子にやってました!

お友達のパパさんの

こんな様子を見かけたら、

ぜひ「ねえ知ってる!?」

・・・と、お話してみてくださいませ^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2016年11月1日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

リオ五輪、盛り上がっていますね!

さて、

本日は鶏が大好きな、ブラジルの神さまについてお話します。

ブラジルにはカドンブレーと呼ばれる民間信仰があります。

アフリカの土着宗教がもとで、アメリカ大陸に奴隷として連れてこられた際にカトリック信仰と混ざり、さらに南米インディオの精霊信仰と結びついて発展した独特の宗教です。

『アフリカ + 欧州 + 南米』という、大航海時代の歴史が産んだ比較的新しい宗教なんですね。

さて、このカドンブレー信仰、

日本と同じく多神教で、

たくさんの神様がいらっしゃいます。

そして、面白いことに主要神のみなさんに供物が決まっていまして、

ようするにそれぞれ好きなものがちゃんとあるんですね。

そして、みなさん鶏が非常に好物だったりするようです。

ちょっと書き出してみますと、

運命の神 エシュ ・・・この世とあの世をつなぐ神様。
_________供物:赤と黒の鶏
癒しと病の神 オモル ・・・供物:ポップコーン、雄鶏
鉄の神 オグン ・・・供物:雄鶏、ヤムイモ、トウモロコシ
雷の神 シャンゴ ・・・怒りっぽくてオシャレ。
_________供物:
雄鶏、雄牛、雄羊、海老、亀、オクラ
風と雨の女神 イアンサン ・・・供物:、エビ、オクラ、羊
海の女神 イエマンジャ ・・・供物:白い花、香水、石鹸、アヒル、
川の女神 オシュン ・・・富と美、出産をつかさどる。 
__________供物:黄色い花、
たまご料理、山羊、羊

・・・・・・とまあ、『鶏好き』の神様がたっくさんいらっしゃるんですねー。

それもそのはず、

実はブラジルは“鶏肉生産量が世界一”なんです。

しかも生産量の7割近くを国内で消費しながら輸出量も世界一ですから、

ダントツの鶏飼育大国、

もうスンゴイ鶏さん大好き国家なんですねー。

ブラジル人が一年間に食べる鶏肉はなんと48kg!

日本人は17kgですから、3倍以上です。(2012年)

あのブラジル人のみなさんの、情熱はニワトリから来ているのかもしれませんね!

そして面白いことに、

ブラジル国内採卵養鶏業のうち20%が日系人による経営なんです。

たくさんの日本人の方が戦後に移民され、

苦労して立ち上げをされたそうです。

たまごに関しては消費量世界トップクラス、

鶏卵大国日本の面目躍如でしょうか。

リオ五輪もまだまだこれから、

ニッポンがんばれ!ブラジル盛り上がれ!

で神様にお祈りいたします^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ブラジルはニワトリ大国 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2016年08月9日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

年初恒例の、干支と卵についてのコラム第二弾です。

聖書を読むと、面白いことに「猿」は出てこないんですね。

たとえば旧約聖書の有名エピソード『ノアの方舟』に猿は乗っていません。 ゾウからキリンからあらゆる鳥獣が乗せられているにもかかわらず、おサルの記述は無いんですねー。 数々の聖書絵画にも、もちろん出てきません。

まあ、おサルさんが生息しているのは中南アフリカ・アジア・中南米で、聖書が普及した中近東・ヨーロッパには生息していなかったことも理由だとは思いますが、それにしてもライオンゾウだって描写されているわけですから不自然といえば不自然な気がします。 もしかすると「ヒトに近い種」であるだけに、逆に良いイメージが無かったのかもしれません。

そして、鶏卵。

意外なことに、これもほぼ記述が無いんですね。

面白いことに、ニワトリさんの方は、たびたびに渡って旧約聖書・新約聖書両方に登場するんですね。

一番有名なものは、一番弟子ペテロにキリストが『今夜鶏が鳴く前に、あなたは三度私を知らないと言うだろう。』と伝えるエピソード。

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新約聖書中最も有名なエピソードですが、

鶏さんの声が“夜明けの象徴”となっていまして、

人々の生活の中に、鶏さんが文化として広く根付いていることが良くわかります。

なのに、卵となるとコレがまったく別でして、聖書中の『卵』の記述を調べてみても、

旧約聖書ヨブ記・39章 → ダチョウの卵

旧約聖書エレミヤ書・17章 → シャコの卵

旧約聖書イザヤ書・34章 → ふくろうの卵

新約聖書ルカによる福音書・11章 → サソリの卵

・・・・・・といった風に、他のタマゴばっかりなんですね。

シャコまであるのに・・・・・・^^;

聖書上じゃなく実社会では、

卵とキリスト教はとっても深いつながりがあります。 キリスト復活を祝うイースターの行事は卵が主役のお祭りですし、キリスト教での「生命と復活の象徴として卵を祀る」行事は、欧州中にあります。

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ですが、こと聖書においては、鶏と違って『卵』はなぜかかなりマイナーな存在なんですねー。

うーん。

不思議です。

あくまで小林の考察ですが、

土着の信仰として「卵を神聖視」する風習は世界中にありますので、比較的新しい宗教としてそれらを駆逐していく立場にあったキリスト教(とその教会)は、区別の為にあえて卵の表現を避けた

が、どっこい民間ではずっとその風習が残っていてふたたび卵=神性のイメージが、キリスト教文化に溶け込んでしまった。

なんて事があった・・・・・・のかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2016年01月16日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

あと少しで新年ですね!

みなさまも明けて、初詣に行かれるかと思います。

さて、この神社に必ずある鳥居

そもそもなんで「鳥」の字が付いてるんでしょうか??

この鳥とは実は「ニワトリ」のこと。

「古事記」「日本書紀」によると、

天照大神(あまてらすおおみのかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまった際、

知恵の神オモイカネさんが「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」ことニワトリさんを一列にならべさせ、その長い美声で天照さまを誘い出そうとしたと記されています。

一説によると、

この伝説にちなんで神前の祭壇にニワトリさんの「止まり木」が置かれたことが、鳥居の起源となったと言われています。

つまり、“鳥居”は鶏さんの座る場所・・・!

そう考えると、たまご屋であるワタクシは、鳥居をくぐる際にまた別の感慨がありますね!

多くの鳥居がならび、トンネルみたいになっている京都の伏見稲荷神社“千本鳥居”ならば、その上にはたーくさんの「神なる鶏」サンたちが止まっているわけです。

面白い!^^;

ここまでおよみくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年12月25日