小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの歴史・文学・文化学 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

我が家にも赤ちゃんがいるのですが、小さいお子さんについての悩みで多いのが、「夜泣き」。

鶏さんの絵を描いてさかさまに貼っておくと、夜泣きが止まる。

そういう伝承があります。 おまじない、ですね。

「おばあちゃんから聞いた。」なんて、結構たくさんのお母さんが、今でも実践している様子です。

調べてみると、もともとは三重県伊賀地方に古くからあったおまじないのようです。 「子供の近くに置く」「かまどに貼る」などで効果が出るのだとか。 ニワトリさんを祀る荷渡神社(山形県)にも「逆さ鶏さんの絵をかまどに貼って病を治す」という風習がありますので、もしかするとこちらが発祥なのかもしれません。

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◆「鶏=時間」という図式
元来ニワトリさんは夜明けに鳴くことから「時告げ鳥」としての役割を担っておりまして、日本でも古くは「日本書紀」や「古事記」にもその役割が神話として記されています。

赤ちゃんの夜泣き、つまり逆転しちゃった昼夜の時間をひっくりかえす、そういう意味がこの『逆さ鶏さん』には込められているのかもしれませんね。

子育ての大変なお母さん、ぜひ一度お試しになってみてはいかがでしょうか?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年09月11日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

みなさんも大好き、ふわふわのオムレツ。

英語で書くと「omelette」、この語源を知っていますか?

オムレツの語源は「オムレット(素早い男)」との説があります。

数あるたまご料理のなかでも特に手早くできる、美味しい料理なんですね。

帝国ホテルなどの高級ホテルでは、朝食メニューでお客様のテーブル、目の前でシェフがオムレツを作り出来立てをサーブするサービスがあります。 それが可能なくらい手早くハイクウォリティな料理ってことです。

ちなみに、ギネス記録のオムレツ早焼き記録は、米国在住ハワード・ヘルマー氏の“30分に427食”という記録。 まさにオムレット(素早い男)ですね!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年09月1日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日「地獄から来た鶏」という異名の新型恐竜をご紹介しました。

さて、この「地獄」と「ニワトリ」というとりあわせ。

仏教ではずっとむかしからあるんですね。

奈良国立博物館所蔵の「地獄草子」という、その名の通り7つの地獄を絵巻にしたものによると、生前に犯した罪によってどの地獄へ行くかが決まるのだそうです。

その中の一つが、「鶏地獄」。

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ニワトリさんのいる地獄です。

ここは生前に『生き物をいじめた人』が来る地獄で、なんと!火を吐く鶏に追い回され続けるという責苦が待っています。

・・・・・・

巨大ニワトリさんにつつかれて燃やされる・・・・・・

あまりタイヘンそうなイメージが湧いてこないですが、

確かに痛そうですねー。

ノースカロライナ州立大学の研究によると、ニワトリさんとティラノサウルスのDNAはほぼ一致するのだそうで、ニワトリさんは恐竜の正当な“子孫”であることが判っています。

鶏地獄は言うなればジュラシックパーク的な恐ろしさを味わえる地獄なのかもしれません。

 

niwatori_shinka.jpgでもなぜ鶏さんなのか・・・!?

火を吐くクマとか火を吐くライオンの方がよっぽど怖いんじゃないかとも思いますが、

そこは「生き物をいじめた人が落ちる地獄」ですから、人の身近にいて、卵を取られるは肉として食べられるわで、他の動物よりも比較的虐げられている率の高い動物・・・その代表として鶏さんが地獄でリベンジしているのだそうです。

ここまでお読みくださってありがとうございます。

(関連:たまご・鶏の怖い伝説コラム一覧-たまごのソムリエ面白コラム)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年08月28日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

パキスタン北部の都市ペシャワールの若者は、ラダマン(断食)明けの伝統行事として「たまごファイト」なるゲームをするそうです。

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どんなゲームかというと、

それぞれが自作の固ゆで玉子を持ち寄って、お互いにぶつけあう。 割れた方が負け。

勝ったもの同士がまた戦い、最後に残った一個・・・じゃなくて一人が優勝。

これだけのシンプルなルールです。

やってみると判りますが、結構コツがいります。

たまごの選び方、

たまごの持ち方、

ぶつけ方・・・・・・

いろんな要素があって、結構たのしいゲームです^^

パキスタンの若者は、それぞれが自分のたまごをオリジナルカラーで染め上げてゲームに臨むんですが、なんだかミニ四駆やポケモンバトルみたいで面白いですね。

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◆世界中にある卵ぶつけゲーム◆

この「エッグファイティング」は、実は世界中で行われておりまして、「エッグタップ」「エッグジャーピング」なんて名前で呼ばれています。ヨーロッパでは、中世の時代から、競われていた記述が残っているんですね。

ちなみに英国では「エッグジャーピング世界大会」なる催しもあるそうです。 世界中から猛者が自慢の卵をもって駆け付けているんでしょうか!?

非常に気になります。 行ってみたい!

(参照:Pakistan children “egg fighting” to celebrate Ramadan

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年07月31日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

夏限定コラム!たまごのちょっと怖い伝説シリーズ第3弾です。

「取り替え子」という伝承を聞いた事ありますか?

ヨーロッパ全土に古くから伝わる話で、

『人間の子がひそかに連れ去られ、その身代わりとして妖精やエルフ、トロルなどが成りすましている。』 というお話しです。

ある日突然、

自分の子供が変わってしまう。

どこかおかしい・・・・・・!

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“取り替え子”は成長するにしたがって、むちゃくちゃ食欲が旺盛になり、手が付けられない暴れん坊になる・・・・・・、ときには非凡な知能を持つことも……とにかくダンダンと異様なふるまいをする子供になっていくんですね。

これはコワイ!

自分の子供が知らないうちに別のナニかにすり替わっているなんて、ホラーですね。

さて、この取り替え子を見破る方法として一般的(?)なのが、じつは卵の殻。 家族の食事を卵の殻を使って料理すると、

「こんなのオイラ見たことないぞ!」

と、叫び声をあげて消えてしまうんだそうです。

そして、その後には連れ去られた子供が残されている……。

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メデタシメデタシ。

伝説によると子供を「取り替える」のは、『ニンゲンを自分の召使にするため』だそうですが、見破られたときは律儀にも連れ去った子供をちゃんと返すんですね。(別の妖精が本当の子供をその場に連れてくる、という伝承もあります)

他にも、暖炉の火で卵の殻を温め、そこでビール醸すふりをすると、「卵の殻でビールを醸すなんて初めて見たぞ!」と叫んで消えてしまう。という伝説もあります。

なぜ卵の殻なんでしょう・・・・・・!?

◆たまごは生命と聖なるものの象徴!◆

西洋において、たまごは生命の源として復活の象徴でもありました。また、古くは春を表わす神聖な食材として、また10世紀ごろには幸運と勝利の象徴として信じられていました。

日本でいう「」のように、邪悪なものをしりぞけるキッカケとして考えられたのかもしれません。

また、日本の民話「さとり」の様に、人外の妖怪も「人間を未知なるもの」として怖がっている、というエピソードもたくさんあります。

ようするにビビっているところに聖なるものを使って想定外のことをされたから、超怖くなって逃げ出した。 ・・・という人間の機転や知恵を表わす象徴として卵のカラが伝承となったのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:【納涼】たまご・にわとりの怖い伝説 その2 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2013/08/post-718.html

(関連:【納涼】たまご・にわとりのちょっと怖い伝説 その1 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2013/07/post-650.html

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年06月30日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前に、「玉子焼き」と「卵焼き」の違いについてここで書いたのですが、今回は「黄身」と「黄味」について。

ネットやSNSなどでは、どちらの表現も見かけます。正式にはどちらが正しいのでしょうか……?

実は、

「黄身」はいわゆる卵黄のこと

「黄味」は「黄み」、つまり「黄色いもの」の事を表すんですね。「赤み」「青みがかった」などの表現と同じなんです。

なので正確にいうと「黄身」のほうが正しいのですが、「黄味」も「きいろちゃん」みたいなカンジで“俗称”として卵黄をあらわす、親しみある表現のひとつと思ってよさそうです。

ちなみに英語で“黄身”のことを「yolk(ヨーク)」と言います。

これは辞書にも載っている一般的な言葉ですが、

単に「イエロー」と呼んでも卵の黄身を表すんですね。(例:the yellow of an egg)

つまり、「黄“味”」って事ですね!

卵黄は日本語・英語、ともに『きいろ』の代名詞……!

面白いです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:実は違いがわからない食べ物の名称「『卵』と『玉子』」が一位に! – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年06月12日