ロシアで卵大不足、カザフスタンが援助するも自分達もピンチに
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
一月ほど前
プーチン大統領が
「申し訳ない。
政府の失策だった。
対策を進める。」
と謝罪したんですね。
これなんと
「たまご」
についての謝罪。
実はロシアではいま
たまごの値段が
爆上がり中です。
先月、
2023年末の時点で
前年同月比43%も
価格が上がっているんですね。
まぁ…
昨年の日本でも
それ以上に価格が
高騰してたんですが、
これは鳥インフルエンザ
まん延による不足が原因。
世界的な状況でしたし、
そこまで大きな政府批判には
なっていませんでした。
ですが
ロシアの場合は
ちょっと事情がちがってまして、
戦争の影響による
経済制裁で穀物が、
つまり飼料が
入ってこなく
なったのですね。
あと、ニワトリのヒナも。
採卵鶏、
卵を産むニワトリは
一日だいたい110グラムの
飼料を食べて
60~70グラム前後の
たまごを産みます。
あなたが食べる卵には、
その1.5倍の飼料が
必要なんです。
その飼料が無いなら、
飼う数を減らすしか
ないんですね。
そういったこともあって
ロシアでは卵が大減産中、
高くても手に入ればマシなほうで
地方へいくと
たまごの購入に長~い列が。
しかも一個単位でばら売りに
なっているんだそう。
で、あわてて政府は
トルコやアゼルバイジャンからの
卵輸入の関税を半年間ゼロにしたり、
カザフスタン政府に要請して
いろんな優遇措置をだしつつ
ロシア向けに卵の大量輸出を
推し進めてもらったり
しているんです。
ですが、ここにきて
カザフスタンでも
たまごが足りなくなって
ずんずんと高騰してきていまして、
「国内で売るより
ロシアに出した方が
高く売れるんだから、
オレたちの食べる卵が
無くなってるじゃないか!」
なんて不満が
カザフスタンで大きく
出はじめているんですね・・・。
◆飼料が脆弱性になっている『鶏卵』
そもそもは戦争はじめたことで
経済制裁されているのが
問題なわけですが、
このニュースのポイントは
飼料の過不足や
価格変動が、
ダイレクトに
たまごの需給に
影響する
ってことです。
これって、
日本もひとごとじゃ
ないんですよ。
制裁はなくても、
じつは
世界的に穀物飼料価格は
上昇の一途をたどっていまして、
日本でも、
ええかげん飼料価格が
上がった中で
この年明けから
さらに!
飼料価格は上昇しています。
もちろん、
輸入穀物が主ですから
円安も影響します。
鳥インフルまん延する前、
ちょうど一年前の今ごろも
すさまじい飼料原価高騰で
多くの農場さんが
廃業されました。
いま、
鳥インフル処分からの揺り戻しで
全国のたまごはちょっとだけ
余ってきつつありますが、
飼料高騰による深刻さが
でてくるのはこれから
かもしれません。
お店のメニューでも
たまご高騰・不足に
日本でもふたたび
直面するかもしれません。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。
(参照:Scrambling For Eggs: Russia Asks Kazakhstan To Increase Exports)