小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

たまご依存を減らす米国のパン屋

パンを焼くには卵が欠かせません。

ですが米国や中国では
ちょっとちがう事情も・・・。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

横浜中華街で
ウェイパーのこんなトラックを
目にしました。

スーパーさんで見る
味覇(ウェイパー)って
赤色ですよね。

 

緑色のこれは、
植物性の材料100%でできた
ヴィーガン向け味覇

なかなか興味深いですね。

 

中国料理っていうと

四つ足のものは
テーブル以外

食べてしまう

と言われるくらい
生き物をなんでも美味しく
食べちゃうイメージ。

なのに
『野菜のみ』なんて・・!

 

・・・と思いましたが、

考えてみると中国料理は
引き出しがハンパないですから
『野菜』だけのおいしさで
絶品なベジタブルメニューも
多彩にあるわけです。

菜食だけの中国料理専門店も
すでにいくつもできていますし、

新たな一ジャンルとして
これから確立されていく、
その波が来ているのかな
と感じますね~。


そして、米国でも
興味深い波が来ています。

『たまごを使わない』
製パン店が
増えてきているんですね。

言い換えると、

たまごに頼らないパン屋さん

ですね。

 

◆ヴィーガン食ニーズの増加

とくに欧米では
植物性ものもしか食べない
ヴィーガン食は
ものすごい勢いで伸びてまして

動物愛護などだけじゃなく
「健康感」のキーワードから
はじめる人も多いんです。

 

いや、
植物性のみだから→健康
という意味ではなくて、

 

たとえば卵は
パンをふわっとさせる、
保水をよくする目的も
あるんですが

原料「卵」に代わって、
果物の皮でつくる
シトラスファイバーに
一部置き換えると、

『見かけ上のカロリー』を
減らして
食物繊維の表示を上げることが
できるんですね。

 

卵代替による味は・・・まぁ
いまのところ厳しさが
あるようですが、

健康を気にするヴィーガン需要を
無視できない状況なわけです。

 

◆たまご相場高騰がつづく米国

米国のパン屋さんが卵を減らす
もうひとつの原因が

卵コストの高騰。

日本でも昨年は鳥インフルまん延で
たまご相場が大高騰しましたが、

米国では今年も多く発生してまして
その影響もあってまだまだ卵が高く
原材料費を圧迫しています。

また、州によっては
放し飼いなどの
環境負荷の低い飼育以外は
生産しちゃダメという法律が
施行されたりしまして

飼育コスト増からさらに
価格高騰に拍車がかかっているんですね。

 

◆使いわけが大事

どの食材を使うべき、
というわけじゃなくて
『選択肢が増えた』
ということですね。

多様な考え方が生まれ、
それに対して
飲食店さん製パン店さんも
喜んでもらわなくちゃいけない。

そこは昔から
変わらないわけですが、
たまご屋としても

卵という食材が
「これしかない」
という状況から

「より良い選択肢」
に変わってきているわけで

 

きちんと卵のメリットを
あらためて整理して
お伝えしていかないと
いけない時代だなあ、と感じます。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース2024年06月19日