小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの海外ニュース 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日はすこし前のニュースをご紹介。

卵は通常「だ円形」、いわゆる「たまご型」なのですが、英国で鶏を飼育しているキム・ブロートンさん、ある日まん丸のたまごが生まれているのを発見しました。

初めて見た!とはいえ卵はたまごです。

普通に食べちゃうつもりでしたが、友人に「これは一億個に一個の珍しいたまごだよ!食べちゃダメ!」・・・・・・と強く言われ、半信半疑ネットオークションに出したのだそうな。

「いくら珍しくっても、“卵一個”だけオークションで買うヤツなんているわけないでしょ。」

・・・・・・と、思っていたら入札が殺到、なんと!700ドル(8万4000円)で落札されたのだそうです。

一個8万4000円のたまご!

これはスゴイですねー。

◆なぜ鶏サンのたまごは“卵型”なのか?◆
そもそもなんで、鶏のたまごは球じゃなくって、あんな変わった「いびつな楕円形」なのかというと、

それは、「転がって行って割れてしまわないよう」になんですね。 

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岩肌の斜面や木の上など、平らじゃないところに卵を産む鳥は、すべて楕円になっています。 また、険しい斜面に住む鳥ほど、よりとんがった卵を産むんですね。 たとえば険しい岩場に巣をつくるカモメさんの卵は、鶏卵よりもずっととんがっています。

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我々もたまご屋として毎日何万ものたまごを目にしますが、確かに真ん丸になっている卵はほとんど見かけません。(小さいたまごではそれっぽいのをときどき見かけますが・・・)

こういったものも、ひとつの価値になるんだなー、と興味深く記事を読ませてもらいました。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:http://www.dailymail.co.uk/news/article-2974188/Hen-lays-perfectly-round-egg-sells-eBay-480.html)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年10月13日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

以前、米国の“目玉焼きの焼き加減”についてのパワハラで760万円の和解金を支払ったニュースを紹介しましたが、今度はゆでたまご一個で28万円の罰金をくらったお話し。

ドイツの話です。さる4月5日、2部サッカーリーグ、インゴルシュタット 対 FSVフランクフルト戦。

間の悪い(?)ことに、この日はイースター(復活祭)の日でした。ドイツでは、ゆでたまごを飾り付けてお祝いする習慣があります。観客の手元にはゆでたまごが・・・・・・

後半85分、インゴルシュタット観客席からピッチに固ゆでたまごが投げ込まれたんですね。

ドイツサッカー連盟はこれを「スポーツマンシップに反する」として2000ユーロ(28万円)の罰金をクラブに命じました。

この試合に2-0で勝利したインゴルシュタットは、創立100年目の今シーズンにみごと2部優勝を飾り、クラブ史上初の1部昇格を達成するなど順風満帆。 それだけに観客もヒートアップしすぎたんでしょうか・・・!?

いやー、生卵ぶつけるのもいかんですけど、ゆでたまごは正直あぶない。危険ですよ^^;

欧州には伝統的にお祭りの一環として、断食明けの謝肉祭に卵をぶつけ合う風習がありました。 今でも英国やイタリアの一部で行われているくらいです。 モッタイナイの日本人的感覚とは異なり、あまり違和感なく投げつけるのかもしれません。

ですが、あの硬さで固形ですから、70gの石を投げるのと同じです。 観客席からピッチに放り投げたならば、当たると確実にケガします。

立派な傷害罪になっちゃいますので、投げるならスモウ場所みたいに“柔らかい座布団”くらいにしないといけないですねェ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:Ingolstadt left with egg on their face following fine | VAVEL.com)

※ちなみに日本でも毎日新聞が記事にしていましたが、「280万円罰金」との見出しを付けていまして、コレが金額ちがい。 一ケタまちがっちゃうなんて・・・ ^^;

しかも文章では“罰金240万円”と、また違う数字になってるし。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年08月18日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

英国開催の『第10回 たまご投げ世界選手権』にて、国際宇宙ステーションの食糧事情を一気に解決する新しい試みがスタートしました。

それは、たまごとハムの組み合わせ。

・・・・・・と、言っても少々ちがいまして、

ハムはハムでも、無線(ハム)のこと。

卵投げ世界大会運営スタッフと、アマチュア無線愛好家クラブがタッグを組んで、内部に卵を入れた「高高度気球」を高度40, 000mにまで到達させ、食料輸送の高度世界記録に挑むという企画です。

気球はその名も『エッグスプローラー1』。

無線技術を応用したカメラや測定機器で卵をモニタリングし、極端に気温や気圧が変化する状況下での生食品輸送の問題を明らかにすることが目的です。

でもなぜ、そんなことをしなくちゃいけないんでしょうか・・・?

 

◆食料が届かない!宇宙ステーションがピンチ◆

ISS国際宇宙ステーションは現在、食糧危機の真っただ中にいます。 なぜなら、「食べ物が届かない」から。

昨年秋から3機の輸送ロケットが打ち上げられましたが、すべて宇宙にたどり着くことなく爆発・墜落してしまいました。

(一番最近は4日前の6/29。 米国の無人宇宙輸送船「ドラゴン」を搭載したロケット「ファルコン9」が飛行中に爆発、2トンちかくの食糧と実験機材が海のもくずに・・・)

早急に新たな手段を必要としているんですね。

でも風船なんかで何ができるの・・・・・

と思うなかれ。

 

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写真を見てもらうとわかりますが、高度4万メートルというのは、もうほとんど宇宙です。

 

風船による高高度到達は、JAXAが持つ世界記録で5万3700m。

何がスゴイって、この高さまで、ほぼ何の燃料も使わずに到達することができるんですね。

国際宇宙ステーションの高度は約400km。
一方、

国際宇宙ステーションの高度は約400km。

ちょっとそこまでいく事はムズカシイですが、地上から持ち上げるよりはずいぶん違うんじゃないでしょうか。

将来的には、高高度気球で成層圏上限まで荷物を届け、そこから無人宇宙船に拾ってもらう・・・・・・なんて事ができたらすごく効率が良いんじゃないでしょうか。

宇宙ステーションで産みたて新鮮なたまごを食べられる日がくるなんて・・・・!ワクワクしますね^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:宇宙で新鮮なたまごかけご飯を食べる方法 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2012/11/post-606.html

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年07月2日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

英国コルチェスターにある小学校で、お弁当箱に入っていたスコッチエッグを教師が没収したとして親が抗議し、ちょっとした話題となっています。

スコッチエッグとは、ゆでたまごをミンチ肉などハンバーグ状の肉で包み揚げたもので、日本でも人気の高い『おかず』。

このスコッチエッグは「スコッチ」の名の通り英国発祥。 じつは英国では『上流階級で人気の「おやつ」』として長く由緒ある歴史を刻んできたメニューなんですね。

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おやつ禁止、は日本の小学校でも常識ルールですが、

 騒動のあったCherry Tree Primary小学校でも、スナック菓子やクッキー・ビスケットなどの砂糖菓子をすべて禁じており、これらも弁当箱から見つかったものは全て没収されているとのことですが、保護者や世間では「まさかスコッチエッグまで…」という反応のようです。

親の抗議に対して、小学校側は、

「『生徒たちの健康と幸福を考える』という政府の指針に則ったもの。 “健康的な弁当箱づくり”という方針自体は保護者の支持を受けているので問題ない。」 として保護者の抗議をしりぞけています。  

 そもそもの問題は、スコッチエッグが「おやつ」なのかという点ではないかと思うのですが……

◆もともとは気軽に食べられる『旅人のスナック』◆

スコッチエッグは280年の歴史がありまして、1738年にロンドンのピカデリーにあった百貨店『フォートナム&メイソン』でメニューに上ったのが初出と言われています。 その後イギリス中に広まり『英国最高の酒のつまみ』とも評される伝統の料理となりました。

その由来は、大英帝国領だったインド料理が元になっているとの説もあり、そもそもの目的は旅人が運びやすい、長持ちして栄養のある「携帯できるスナック」として考案されたと言われています。

うーん、

まさに「お弁当のおかず」向きだと思うのですが、このような伝統から「歩きながら気軽に食べられる」という、例えばフライドポテトみたいな『スナックとおかずの中間』イメージがあるのかもしれません。

日本では「バナナはおやつに入りますか?」という遠足ネタがありますが、英国では「スコッチエッグはおやつに入りますか?」という論議が勃発しそうです^^;

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:Colchester’s Cherry Tree Primary school removed scotch eggs from lunchboxes | Daily Mail Online)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年06月23日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

昨年夏に流行った「アイスバケツチャレンジ」を覚えてますでしょうか?ALSという難病のことを知ってもらうために、指名された人が氷水を頭からかぶり動画にアップ(もしくは寄付)し、リレー形式で次の人を指名していくという企画です。日本でもたくさんの有名人が参加したことで話題になりました。

さて、その精神(?)を継承した次の企画が米国で広まりつつあります。

それは「エッグクラックチャレンジ(Egg Crack Challenge)」。

上記の「アイスバケツ」にインスパイアされたメリーランド州の大学生が、自身の病気でもある「若年性糖尿病」の研究資金寄付を奨励するために始めたものです。彼は不幸にして先月亡くなったのですが、皮肉にもそのことがきっかけとなり、沢山の人がこのエッグクラックチャレンジに参加をはじめているんです。

・・・・・・さて、この運動の趣旨自体はとてもすばらしいのですが、

手段としての「エッグ クラック チャレンジ」には 大 い に 疑問があります。 それは、「たまごを額で割るシーンを動画でアップする」というもの。 もちろん後で食べることはできません。 べちゃべちゃになった顔とそのリアクションが面白いから絵的に盛り上がるのかもしれませんが・・・・・・少なくとも私は見ていて気持ちの良いものではないですねェ。

が、

たった数日間でネットには50以上の「額でたまご割り動画」が上がっており、寄付金は一ヶ月間ですでに4万ドルを突破しています。 どんどんと広がりを見せているこの「エッグクラックチャレンジ」ですが、はたして「アイスバケツ」のように日本でも流行るのでしょうか?

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◆食べ物の冒涜は許さない日本
この動画を見て

「食べ物を無駄にするんじゃないよ!」

・・・・・・と思うのは自分が日本人であることと関係があるようです。

この企画、日本で流行ることはゼッタイに無いと思ってますが、そもそも日本には古来より「もったいない」の精神があって、世界標準からみても「食べ物を無駄にすること」に関してかなり厳しい国民性を持っているんですねー。

テレビで食べ物が残ったり、無駄になりそうなシーンには「このあとスタッフが美味しくいただきました。」とテロップが入ります。こうしないと非難が殺到するなんてのは、他国では珍しいようです。

スペインで人気のトマト投げ祭「トマティーナ」。 「日本でもトマト投げをやろうぜ。」・・・・・・という企画が数年前東京・二子玉川でありましたが、「食い物を粗末にするなんて最低!」と抗議殺到し中止となりました。(http://matome.naver.jp/odai/2134712754385660901

「日本人は食べ物の事以外では怒らないんじゃないか。」という国民性ジョークもあるくらいですが、卵だろうがパイだろうがトマトだろうが、「食べ物を粗末にしている」・・・・・・という時点で日本人に受け入れられることは考えにくいです。

アイスバケツチャレンジには楽天・三木谷社長やソフトバンク・孫正義社長、浜崎あゆみさんなど著名人が多数参加しましたが、今回のエッグクラックチャレンジをやろうものなら、即炎上モノじゃないでしょうか!?

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なにより「たまご屋」として、美味しく食べてもらうために毎日お届けしている卵をこんな形で無駄にされるなんて、たとえ趣旨そのものがすばらしくっても断固反対です。 若年性糖尿病への寄付には賛成ですが、正直に言えばエッグクラックチャレンジは流行ってほしくないんです。

 

◆海外の伝統的にたまごを投げる風習が由来・・・?
とはいえ、海外については一定の経緯があることも理解しています。 古来より欧州では、断食などが明けたお祝いの祭「謝肉祭」で 卵を人にぶつける、という風習があります。 現在でも、たとえばイギリスではお祭り時期に卵をぶつける若者が続出するために、十代の若者に対して販売を禁止する騒ぎも起こっています。上記のトマティーナ祭だって、同じ趣旨なんですね。

ぶつけること(で無駄にすること)は「神への捧げもの」であるという感覚が文化的に根付いているようです。

まぁ、そもそも「アイスバケツ」は夏場だったこともあって寒そう!ながら一種の爽快感があったのですが、「たまご」の場合はそうでもないわけですし、おんなじパフォーマンスならば何か違う形に変わってくれればよいのですがねェ・・・・・・

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連)‘Egg Crack Challenge’ raises money for diabetes research | Maryland News – WBAL Home(http://www.wbaltv.com/news/egg-crack-challenge-raises-money-for-diabetes-research/31847560

(関連)‘Egg Crack Challenge’ Raises Money For Juvenile Diabetes « CBS Baltimore(http://baltimore.cbslocal.com/2015/03/23/egg-crack-challenge-raises-money-for-juvenile-diabetes/

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年03月26日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先週我々の将来に大きくかかわる、ビックリ仰天のビッグニュースリリースが米国でありました。

それは、固くなった卵の白身を元にもどす方法が解明されたという画期的な研究発表。

え!? 確かにスゴイけど、それってそんなに重要なこと・・・・・・!?

・・・、と思われるかもしれませんが、実はこの技術、癌治療・食品生産技術等の分野併せて1600億ドル(約19兆円)規模のバイオテクノロジー産業において、“劇的な”コストダウンをもたらす成果なんだとか。

◆卵が固まる、ってどういうこと?
ごぞんじの通り、
卵の白身は生の状態では“液状で透明”です。白身はタップリのたんぱく質でできているのですが、熱が加わるとたんぱく質分子がいったん開き、その後、より複雑で強い結びつきをもった“立体構造”になって固まります。 これが、液体の白身→ゴムのような弾力性のある固まった白身となるメカニズムなんですね(熱変性と言います)。イメージで言うと、バラバラだったレゴブロックが、上下左右にガッチリくっついて大きな固まりになっちゃうカンジです。

カリフォルニア大学アーバイン校、オーストラリアのフリンダース大学の研究者

◆画期的な新技術!
カリフォルニア大学(米国)、フリンダース大学(
オーストラリア)研究チームは、その結びついたタンパク質の結合をふたたび解いて、元の構造にもどるように引き離す技術を発見したんですね。これが、これまでの常識をくつがえす画期的なコトなんです。

この技術は2つのステップに分かれ、(1)固まった卵の白身を液化する物質、(2)渦流体装置と呼ばれるバラバラにほぐす機械、この2つで“固まった白身”を短時間で元通りに解きほぐします。

以前にも『固まったタンパク質』を解きほぐす手法は、あるにはあったんですが、非常に特殊で何日もの時間がかかっていました。それがこの新技術によってわずか数分で完了するわけです。 大幅な研究時間の節約がみこまれるんですね。

◆たんぱく質研究の影響はすごい
たまごの白身だけじゃなく、例えば我々の体だって、半分はタンパク質でできています。臓器、皮膚、髪の毛、ホルモンや神経伝達物質・・・、ぜーんぶタンパク質です。

なので、この新技術は、医療・食品・バイオ全般のひろい分野において研究スピードを大幅に短縮できる、とってもすごい事なんですね。

「節約できる時間は膨大なものになるでしょう。『時は金なり』、大きなコストダウンにつながります。」

これはカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)・グレゴリー·ウェイス教授のコメントです。

この技術そのものがたくさんの研究分野の開発スピードを大幅に高めてくれるかもしれません。 何十年も先に実現可能なはずのSF映画のような世界が、数年後には現実生活に現れるかも・・・・・・!

生卵のお話が未来のワクワクにつながっているステキニュースのご紹介でした。ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^

(参照:Proteins and research: Scientists figure out to unboil an egg http://www.cnbc.com/id/102364302#.)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年01月27日