こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
おひとつ760万円(75,000ドル)のたまごサンドって、いったいどんなサンドイッチなんでしょう!?
超豪華なサンドイッチか、何か事情があるかのどっちかです。今回は後者、米国ペンシルバニア州であったサンドイッチ騒動の御紹介を。
舞台は州議会議事堂の向かいにある、老舗のダイナー(レストラン)。 ある寒い日の朝はやく、一人の男が足早に店に入ってきました。男は急いでいる様子で、いらいらした声で「サンドイッチをくれ!」と注文をしました。
店のキッチンで自分の朝食用に卵を焼いていた店主ハンナ氏は、「急いでいるなら」と、その卵を乗せてサッとサンドイッチを用意します。
が、それを見た男はカンカンに怒り出しました。
「なんだその卵は!なんどもひっくり返しやがって焼きすぎだ!私は生が好きなんだ!おまけに注文前から割ってるなんて、置きっぱなしだったんじゃないのか!?そんなモノが喰えるか!!」
あまりの失礼な態度に店主ハンナ氏はムッとして、
「気に入らないなら買ってくれなくても結構だよ。」と答えると、
「私をいったい誰だと思っている!?覚悟しておけよ。」
・・・と言って怒りながら店を出ていきました。
なんとこのイライラ男は「州の保健福祉長官」アビラ氏。要するに飲食の衛生取り締まりをする局のトップ。
これより数週間後、突然ハンナ氏の店は「卵の管理が不衛生である。」という理由で保健調査員からの立ち入り検査を受けます。また、それを理由にさらに州議会議事堂のカフェテリア契約を打ち切られてしまいます。更に立ち退き勧告まで・・・
ここにいたりやっと長官アビラ氏の「不当な権力行使」だと気づいた店主ハンナ氏は、証拠を集め州を訴えました。
州は「不衛生だと匿名の通報があったからだ。」と長官の圧力を否定しましたが、店にいたお客が「俺は保健福祉局長官だぞ!」という恫喝を聞いていること、またアビラ氏から担当部署への指示メールが残っていたことから、もはや言い逃れができない状況となり、結局75,000ドル(763万円)で両者は和解することに・・・・・・。
で、この和解金は当然税金から支払われます。高いサンドイッチ代金を払うのは、ペンシルバニア州の納税者の皆さんなんですねェ。(記事によると、少なくとも42,850個の卵とベーコン・チーズが買える金額だそうです。)
人気老舗レストランとワガママ公務員の争いに市民は怒り心頭で、「イイ大人がたかが卵一個でここまでの事をするなんて、信じられないヤツだ。」と大きな批判となっています。(^^;)
「目玉焼きの焼き具合」をネタにしたジョークはたくさんあるのですが、この騒動はチョット笑えないですよねェ。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。
(参照:A $75,000 egg sandwich paid for by Pa. taxpayers http://www.philly.com/philly/news/politics/20140409_A__75_000_egg_sandwich_paid_for_by_Pa__taxpayers.html)