炎上じゃなく繁盛を。たまご料理のネーミング問題
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
吉野家の役員が
「生娘シャブ漬け戦略」
なる発言をして大炎上した件で、
少し前よりSNSでバズっていた
煮たまご料理「麻薬卵」が
批判されていますね。
韓国発祥で→中国→台湾と
人気に火がついた「大麻卵」が
日本へ上陸して同じ意味の
「麻薬卵」と呼ばれまして、
それが吉野家炎上の流れで
ネーミング批判されているわけです。
うーん、
食べたら麻薬のように美味しく
やみつきになる、
という意味ですから
お客様をバカにした表現の
「シャブ漬け」発言とは
趣旨がまったく違いますし、
そもそも海外でメニューとして
名前が定着しちゃって
そのまま上陸したものなので、
さほど違和感はなかったんですよね…。
ただ、美味しく食べて
幸せになってもらうのが
料理の意義ですから
過激な表現は避けていくのが
望ましいのかもしれません。
料理研究家のリュウジさんは
「合法たまご」と言い換えてますよね。
さて、あなたのお店でも
繁盛メニューとして
たまご料理を位置づけるなら、
すこし「名前」を考え直してみる
これは重要な手段です。
たまご料理って
そもそも興味深いメニュー名が
いくつもあるんですよね。
たとえば中国のたまご料理
ピータン(皮蛋)って
「皮を剥いたら中身が固まってたよ。」
という古い文献記述から
その名がつきましたが、
ピータンの高級品は別名で
「松花蛋」(松の花たまご)
と呼ばれます。
灰で固めてアルカリ変性し
中身が透き通ったゼリー状
となる際に、
結晶化した
うまみアミノ酸結晶の
細い模様がつくのです。
それが松の葉っぽく見えるので
その名がついたのですが
なかなかステキですね。
ピータンって、
別名がいくつもありまして、
「千年たまご」
「明朝たまご」
「百年たまご」
なんて呼ばれます。
英語だと「century egg」
つまり『一世紀たまご』ですね。
『長いこと漬けて作る』
というコンセプトを表す
ステキネーミングです。
ちなみに松の花って、
1000年に一度咲く
なんて言われもありますので
「松花蛋」は両方の
コンセプトを汲んだ
さらに良ネーミングなんです。
目玉焼き乗せトースト料理を
「クロックマダム」(カリっと食感の貴婦人)
ポーチドエッグ乗せマフィンを
「エッグベネディクト」(聖人ベネディクトのたまご)
とお店が呼んで
そこから定着していったように
あなたのお店のたまご料理も
「こだわりオムライス」
なんてシンプルなだけじゃ
ちょっともったいないですね。
もっと上質なオリジナル名前を
つけちゃっても良いんじゃないでしょうか。
ぜひご一考を。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。