小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

たまごの食中毒はかなり減っている!?

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

真夏から少しだけ暑さがゆるむ秋
ですが、この9月~10月は
意外と食中毒の多い時期です。

皆さんちょっと涼しくなって
油断するんでしょうね。

テイクアウト時の注意喚起など
お店でも気をもむ季節かと思います。

生鮮食品ですので、
たまごは食中毒の可能性があります。

代表的なものでは、
生卵のサルモネラ菌や、
あと調理後の黄色ブドウ球菌
などですね。

厚生労働省発表の昨年(21年)
食中毒事件のうちサルモネラ
菌由来の事件は約1.1%(8件)
で患者数318人。

ただし、
卵由来の事故はゼロでした。
(ちなみにダントツ一位はアニサキス)
その前の年もゼロ。

僕たち卵屋も細心の品質管理を
しているのはもちろんですが、
ご使用になられるお客様も、
適切なご使用をされている
からだと思います。

ありがたいですね~。

生産・選別の場
飲食店・販売店の場
ご家庭の場
それぞれの知識と管理
認知レベルが高くなっている
そのおかげだと思います。

 

たまごは実際のところ
産みたての卵殻表面には
いろんな菌が存在します。

これは、ニワトリが単孔類
つまりお尻の穴がひとつだから
起こる事です。

うんちをするのと同じ場所なので
どうしても菌が表面につきます。

ただ、たまごの表面から
内部にかけて、

卵にはすさまじい
防菌作用があります。

まず、表面にクチクラ層
卵殻、そして卵殻膜と、
多層構造の防壁が存在し、

そしてその内部の卵白は、
溶菌作用というものがあり
まして、万一入ってきた菌を
溶かして殺してしまうのです。

うーん、すごいですね。

そして、表面にいる菌は、
集卵後の選別時に、
次亜塩素酸殺菌水という
食品向けの洗浄殺菌水で
キレイに洗ってしまうことで
基本的にすべて死滅します。

外から入ってこれないし
入ってくる前に洗浄で
ゼロにするんです。

これは鉄壁の防御…!

と言いたいですが、
2つ、弱点があります。

 

◆たまごの弱点2つ

ひとつは、
たまごができる前に
卵の内部にサルモネラ菌が
入ってしまう事。

これが、約200万個に一個
全国の鶏で起こる可能性があります。

カベができる前に侵入されちゃうんですね。

なかなか防ぐ手立てがありません。

ですが、
内部に入ったサルモネラ菌が
体に危害を加えるまでの数に
増える期間が、すなわち卵の
賞味期限、生食の限界期間なのです。

現在業界では、産卵後21日以内の
指標で設定していますが、

この期限内なら、
たとえサルモネラがいても
生食で食べて大丈夫、という
ことです。

もう一つの弱点は、
ひび割れた卵は菌に弱い
ということ。

壁が壊れたお城、です。

上記の賞味期限内でも、
ひとたび菌がカンタンに
侵入し、腐敗してしまいます。

 

ただ、弱点2つ、どちらの場合も
熱には弱いので、古くなった
たまごのリスクは加熱することで
防げるケースが多いのですね。

ぜひ、正しい知識の元、
美味しく召し上がってくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム2022年09月5日