小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

温泉玉子の固さ問題

温泉玉子って、実は2種類あります。
『主役温玉』と『名脇役温玉』です。
それは・・・


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

温泉玉子、ってありますよね。

ピンポイントな温度で卵を
熱調理した日本固有の料理で、
僕の知る限り、
海外の文化では存在しない料理です。

黄身の方が固まる温度が
白身よりもちょっと低いため、

黄身が固まる温度だけど
白身が固まりきらない温度

65℃~70℃の
温度で加熱することでできあがります。

黄身がしっとり固まって
白身がふるふる・・・

これを、
だし汁なんかで食べると
めっちゃ美味しいんですよね~。


ただ…近年、
この温泉玉子に関して、
おおきく分けて2種類の固さが
あるのをご存じでしょうか?

「黄身しっとり」と
「黄身トロトロ」が
あるんですよ。

本来の温泉玉子は、
「黄身が固まって白身が固まってない」
という料理ですから
前者が正式です。

ですが、
いろんな料理店さんや
ご家庭の料理で、
かなり広く好まれているのが
後者の温泉玉子なのです。

つまり、
白身ふるふる
黄身トロトロ
の温泉玉子。

言うなれば、
超半熟のゆでたまごや
目玉焼きに近いものです。

こちらがあまりに広がっている
ため、本来の「黄身しっとり」
温泉玉子の方が、

「これ思っていたのと違う!?」

と言われたりもしています。

僕はどっちの温泉玉子も
大好きなんですが、
なかなか面白い状況です。

これ、
どうしてこんなことが
起こっているのかというと、

料理での温泉玉子の
使われかた

が理由なのです。


◆トッピングに適した温玉の固さ

温泉玉子はもともと
そのものが『主役』でした。

温泉玉子を小鉢に割り込んで、
そこに出汁などをかけて
たまごの味と食感を楽しむ料理。

ところが近年、
みなさまもご存じの通り、
サラダやパスタ、焼き物など
いろ~んな料理のトッピング
『名わき役』として温泉玉子が
使われているんですね。

これは、西洋にもともと

ビスマルク風

という卵トッピング料理の
ジャンルがありまして、

半熟目玉焼きを
ゆで野菜やサラダや
肉料理なんかに乗せて食べる料理です。

欧米で幅広く好まれ、
食べられているのですが

日本に定着する過程で
温泉玉子トッピングに
変化したのです。

それで、
お肉や野菜と絡みが良く
まろやかさを演出できる
黄身半熟バージョン温玉
生まれてきたのですね。

ちなみにどちらも
作り方は同じで、

前述の温度で、
18分ほど加熱すると
トッピング向け黄身トロトロ温玉

25分以上加熱すると
主役級の黄身しっとり温玉
になります。

ぜひ、どちらの温玉も
美味しく楽しんでくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム2022年10月30日