たんぼとたまごの難しい循環
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
家の前の田んぼに水が入りました。
ドアを開けると水面が広がっていて、
気持ちいいですね~。
徳島ではいよいよ田植えの時期。
ウチの周りはぐるりと田んぼですので、
水が張られ田植え前の数日間は、
自宅がさながら
水にうかぶお城のように(!?)なりまして
モンサンミッシェルか
はたまたウユニ塩湖か・・!と
なんだか気分がアガります。
夏にはこんなカンジの
稲の緑じゅうたんになりますので、
こちらも今から楽しみです。
さて、
昨年よりウクライナ戦争の影響で
世界的に穀物価格が高騰しており、
鳥インフルと共に鶏卵高騰の
要因となっています。結果、
お米飼料に焦点が当たっています。
ウチでもお米の飼料で育った
たまごをお出ししておりまして、
差別化メニューになるたまご
としては非常に良い品質になるのです。
で、ですね。
ウチの田んぼでお米が採れますから
そのお米をニワトリに食べさせる→
さらにその鶏ふんを肥料として
田んぼに撒く→
それで育ったお米を・・・
とやればうまく循環するんじゃないか。
・・・と考えたのですが
そうはうまくいかないんですね。
じつは鶏ふんは窒素分が多く、
あまりたくさん田んぼにまくと
稲穂の背ばかりが高くなり
台風などでの倒伏のリスクが
高まってしまうのです。
だから肥料としては
ほんのちょっとでいい。
対してできてくる鶏ふんの量は
年間で見ると、かなり多いんです。
ニワトリさんは一日に
百数十グラムのふんをしますから
一年単位で見ると田んぼ必要量よりも
圧倒的に鶏ふんが多くなります。
ストーリーにはなりますが、
すくなくとも「循環」といえる
状況にはならないんですね~。
これはたまごの殻も同様で、
農業で使用するカルシウムとして
ゆずってほしい!とおっしゃる
農家さんもいらっしゃるのですが、
春のホンの一時期だけだったり
しまして、コンスタントな量を
使っての循環って、なかなか
回りにくいのです。
◆世界単位のマクロで見ると有効
しかし、たとえば海外まで
含めて考えるとどうでしょう。
農業生産を積極的に行っている
タイやベトナムなど東南アジアでは
鶏ふんを含む畜産由来の肥料は
国内だけではゼンゼン足りず
大きなニーズがあります。
日本の畜産に数十トン単位で
通年して輸出の打診がきたりも
するようになっているんですね。
鶏ふんを輸出する→
海外で飼料むけ農産物が育つ→
輸入穀物としてニワトリが育つ→
良いたまごが生まれる・・・
こうなると、
なかなか理想的なんじゃないか。
そう思いますね。
ワールドワイドな地域(?)循環
これもワクワクします。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。