小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

たまごのサイズなんか変なランク分け

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ゲームの世界では、
ステータスを表すのにAランク・Sランク
なんて表現があります。

最近は、小説でも導入されて、
SSSランクになったぞ!
いやオレはSSSSSSランクだ!
なんて風に、ヘンなインフレ
なかなかとんでもないことにも
なっているようです。

 

なんだか逆に分かりにくい!?

本日のテーマは、
たまごのサイズランク分けについて。


◆悩ましいMとS

取引先の飲食店様と
打ち合わせをしていて、

「今度のメニューは
今のMサイズより
小さめのたまごを
使いたいんだよね。
Sサイズをたのむよ。」

なんてお話が出ることがあります。

つまり新たに

「今までと違ってSサイズを注文」

みたいなケース。
電話でそうご発注いただくこともあります。

フツーの会話っぽいですが、
実は思わぬ問題になることがあります。

僕たちたまご屋スタッフは
こう聞いた時

「落ち着いて〇〇を
確認しなくては!」

と考えます。

それは「欲しいのはSじゃない可能性」です。

 

実はたまごのサイズって、
Lサイズ・Mサイズの下は
Sサイズじゃありません

MSというサイズがあります。

LLサイズ→Lサイズ→
M→ MS→ S→ SSサイズ

となってまして、
それぞれ幅が6グラム。

つまりお店さんが、
ふだん使っている
Mサイズのたまごから、

「すこしだけ小さいのを使おう。」

なんて考えて注文したら、

2ランク下・12グラム軽い
「すごく小さいサイズが来た!」

みたいなケースがあるのです。

これ、
なぜ「MS」なんてヘンなものが
入っているのかというと、
米国の規格が元になっています。

1950年代初めに、
当時にいちばん普通だった
2オンス(56.7g)サイズを標準
として2~2.2オンスをMサイズ
規格に決め、

そこから大きいものをLとLL、
小さいものをMS、 S、 SSサイズ
としたんですね。

その後日本でも
鶏卵規格取引分類を
決める際にそのまま踏襲したのです。

ようは6段階に分けるために、
MSサイズがはさまっている
わけです。

 

おそらくですが、
冒頭の小説みたいに

S→SS→SSS

なんてのだとややこしいと
思ったのでしょうね。

うーん、
分かるっちゃ分かるんですが、
実はその後の事情で言いますと、
5段階にしてSSサイズを外しちゃった
ほうが良かった気がします。

 

◆実はほとんどない?SSサイズ

鶏卵規格が決められた頃から
たまごを産むニワトリさんの
品種改良もすすみまして、

ずっと大きいサイズのたまごを
産むようになっています。

鶏卵の重量は SS~LL、
つまり40gから70gの間に
ほぼおさまりますが、

現在はLサイズとMサイズ の卵
だけで全体の70%を占めます。

残りのほとんどはSとLLサイズ…
現代においてSSサイズ卵って
超レアなんですね。

そもそもほぼ産まれないので

L・M・MS・S・SSじゃなくて、
L・M・Sとしてその下は「規格外」
としても誰も困らない気もします。

 

あなたのお店でも、
もしメニューで急に
小さめサイズを使うときには、

標準サイズのMの下に
あまり聞きなれないMSサイズ
があることを、

頭の片隅に入れておいて
いただければと思います。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム2023年07月9日