たまごのサイズなんか変なランク分け
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
ゲームの世界では、
ステータスを表すのにAランク・Sランク
なんて表現があります。
最近は、小説でも導入されて、
SSSランクになったぞ!
いやオレはSSSSSSランクだ!
なんて風に、ヘンなインフレ
なかなかとんでもないことにも
なっているようです。
なろうにおいてSは多ければ多いほどいいとされている pic.twitter.com/DVIWRHW3Xh
— 砂糖コップ@小説家になろう (@_cup_sugar) June 29, 2023
なんだか逆に分かりにくい!?
本日のテーマは、
たまごのサイズランク分けについて。
◆悩ましいMとS
取引先の飲食店様と
打ち合わせをしていて、
「今度のメニューは
今のMサイズより
小さめのたまごを
使いたいんだよね。
Sサイズをたのむよ。」
なんてお話が出ることがあります。
つまり新たに
「今までと違ってSサイズを注文」
みたいなケース。
電話でそうご発注いただくこともあります。
フツーの会話っぽいですが、
実は思わぬ問題になることがあります。
僕たちたまご屋スタッフは
こう聞いた時
「落ち着いて〇〇を
確認しなくては!」
と考えます。
それは「欲しいのはSじゃない可能性」です。
実はたまごのサイズって、
Lサイズ・Mサイズの下は
Sサイズじゃありません。
MSというサイズがあります。
LLサイズ→Lサイズ→
M→ MS→ S→ SSサイズ
となってまして、
それぞれ幅が6グラム。
つまりお店さんが、
ふだん使っている
Mサイズのたまごから、
「すこしだけ小さいのを使おう。」
なんて考えて注文したら、
2ランク下・12グラム軽い
「すごく小さいサイズが来た!」
みたいなケースがあるのです。
これ、
なぜ「MS」なんてヘンなものが
入っているのかというと、
米国の規格が元になっています。
1950年代初めに、
当時にいちばん普通だった
2オンス(56.7g)サイズを標準
として2~2.2オンスをMサイズ
規格に決め、
そこから大きいものをLとLL、
小さいものをMS、 S、 SSサイズ
としたんですね。
その後日本でも
鶏卵規格取引分類を
決める際にそのまま踏襲したのです。
ようは6段階に分けるために、
MSサイズがはさまっている
わけです。
おそらくですが、
冒頭の小説みたいに
S→SS→SSS
なんてのだとややこしいと
思ったのでしょうね。
うーん、
分かるっちゃ分かるんですが、
実はその後の事情で言いますと、
5段階にしてSSサイズを外しちゃった
ほうが良かった気がします。
◆実はほとんどない?SSサイズ
鶏卵規格が決められた頃から
たまごを産むニワトリさんの
品種改良もすすみまして、
ずっと大きいサイズのたまごを
産むようになっています。
鶏卵の重量は SS~LL、
つまり40gから70gの間に
ほぼおさまりますが、
現在はLサイズとMサイズ の卵
だけで全体の70%を占めます。
残りのほとんどはSとLLサイズ…
現代においてSSサイズ卵って
超レアなんですね。
そもそもほぼ産まれないので
L・M・MS・S・SSじゃなくて、
L・M・Sとしてその下は「規格外」
としても誰も困らない気もします。
あなたのお店でも、
もしメニューで急に
小さめサイズを使うときには、
標準サイズのMの下に
あまり聞きなれないMSサイズ
があることを、
頭の片隅に入れておいて
いただければと思います。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。