たまごは足りなくても余っても価格が上がってしまう
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
「卵の値段っていまどうなの?」
とよく質問をいただきます。
昨年末から今年にかけて、
未曾有のたまご価格高騰が
ありましたから、
気にかかるのは当然のこと
だと思いますね。
この一年、卵の価格が
なぜ高騰したのかと言いますと、
欲しい人に対して
数が足りてなかったから
です。
これはキャベツやレタスなど
葉物野菜が高くなる理由と似ています。
・冷凍して長期貯蔵ができない
・短期間での増産や減産ができない
わけで、
今日・明日の
需要と供給バランスで
価格がすぐに
影響を受けやすいんですね。
今年の記録的な
鶏卵相場価格の高騰は
鳥インフルエンザによる
一千八百万羽の処分によって
ごく短期に大不足したため
すんごく高くなっちゃったわけです。
ちょうどレタスが
雨が続いて
収穫と流通できなかったら
高騰してしまう・・・
というのと似ています。
で、ですね。
足りないから高い
というのは、まぁ
あたりまえ、
っちゃ当たり前ですよね!?
ですが、逆に
卵が余っていることで
値段が高くなってしまう
・・・ということがあるんです。
これは、
消費低迷と減産によって
起こります。
たまごの消費が減る。
その結果、生産過剰で
たまごが余る。
なのに飼料高騰で
コストが爆上がりして
利益がすご~く少なくなっている。
・・・こんな状況になると、
生産者はたまごを作っても
損するので
「生産を減らそう。」
または
「廃業してしまおう。」
こんなことを
考えるわけです。
そして、
卵を産むニワトリは
食肉とちがって
一度飼うと約2年間にわたり
卵を産みますから、
そうそう短期で
増やしたり減らしたり、が
やりにくいんです。
ですから、
『たまごが余ってしまい
おそろしく儲からない』
この状況によって
全国の農場さんが
いっせいにドーン!と
生産量を減らす。
すると・・・
鶏卵のすんごい高騰が、
それも割と長い期間
続いてしまったりするんです。
じっさい、
一日に3億個を消費する
卵大国インドでも、
つい先週のニュースでは
“消費低迷と減産が鶏卵価格を押し上げる”(Low consumption, production cuts push up egg prices in Pune | Pune News – The Indian Express)
とする記事がでています。
祝祭シーズンにはいって
消費が少なくなり、
短期間でたまごが余って
安くなったため
「ほとんどの農家が損失を抱えているため、生産ラインをすぐに補充できる状況にはない」
とのことで、その後
数か月減産がつづきまして
そして・・・
こんどは需要が増えてきた際に
たまごがひどく不足してしまい
高騰しているんです。
日本でも、
昨年に同じことがおこりました。
いや、いまも起こっています。
昨年前半は、
消費低迷により卵が余って
相場価格が安く、
なのに戦争と不作で
飼料高騰したことから、
全国で多くの農場さんが
減産と廃業をしました。
じつは
鳥インフルまん延が無くても
たまごの高騰は必至だったのです。
鳥インフルで処分になった
ニワトリの羽数が回復しても、
いまだ鶏卵価格が高止まり
しているのは、
このせいなんですね~。
この状況、いましばらくは
続きそうです。
たまごの価格の、
ふしぎなメカニズムでした。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。