たった一言で業界6割減の大ピンチ!?英国ライオンマーク卵のきっかけ
英国でたまごを買うと
「ライオン」マークのスタンプが
付いています。
これ、ある大臣の
「たった一言」の失言がきっかけで
イギリス鶏卵業界が大ピンチにおちいり
その結果
生まれたマークなんです。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
1988年のこと。
エドウィナ・カリー保健相という
日本で言う厚生労働大臣さんがいました。
12月のある日
テレビ局のインタビューで
カリー大臣は
「残念だけど、
英国の『ほとんど』の卵は
サルモネラ菌に汚染されているわ。」
そうコメントしたのです。
じつは当時イギリスでは
めっちゃ卵のサルモネラ食中毒が
増えてまして、
政府データによると
1982年から1988年までの5年間で
サルモネラ菌食中毒になった人が
2倍に増加、年間2万7千人にも
なっていたのです。
“そんなにたくさん
サルモネラ菌中毒患者が
出るのは問題でしょう!”
大臣はそう提言したかったわけですが、
ちょっと言い方がまずかったのです。
この『ほとんどの卵が』という部分に
全国養鶏業者がめちゃくちゃ反発しまして、
「卵の売り上げが一夜にして激減した!」
「このデマのおかげで
何百万羽も鶏を殺処分しなくちゃ
いけなくなっている。」
との結果をまとめて
声明を発表、違約金を請求したのです。
じっさい
卵はまったく売れなくなってまして
なんと一晩で
卵の売り上げが60%ダウン
4億個の卵が廃棄され
400万羽が殺処分になりました。
イギリスでは食生活を巻き込んで
えらい騒ぎになったのですね。
ひえー!
卵屋としては
想像するだけでトリハダものです。
◆多いけど確率は低かった!?
これ、危機感は分かるんですが
カリー大臣さん
ちょっと言い過ぎたんです。
英国の鶏卵生産量(当時)は、
年間109億個。
発生率でいうと単純計算で
0.0002%です。
サルモネラ菌食中毒患者
2万7千人は多いですが、
「ほとんどの卵が…」
は保健省のトップとして
“印象操作でパニックをあおった”
と言われても仕方のないコメント
ですね~・・。
このカリーさん、
以前から問題発言が多い人で
「高齢者は冬はスカートじゃなく
長ズボンを履いて乗り切れ」
「善良なキリスト教徒なら
エイズにかからない」
なんてコメントをして
たびたび炎上していました。
そして、ついには
この「ほとんどの卵」失言で
保健相を辞任、
また養鶏業者達には、謝罪とともに
2000万ポンド(約39億円)の賠償金が
政府から払われることになったのです。
やれやれ・・・
◆でも危険は残ったまま→対策へ
いやいや・・・!
これで解決、じゃないんですね。
そもそも
卵でサルモネラ中毒に
年間3万人近く、って
とんでもないですから。
日本では最悪の年でも
その20分の一以下でしたし。
そこは間違ってないわけで、
騒動が落ち着いたあと
「このままじゃいかんよね。」
と、
『ブリティッシュライオンクオリティ』
ができたのです。
英国卵産業協議会(BEIC)が主体となって
サルモネラワクチンの接種など
一定の基準を満たす鶏卵には
上記のライオンマークが付けられることに。
現在は9割弱のたまごが
このライオンマークを付けています。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。