小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

なぜとろろそばを見間違うのか

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前にSNSで

「目玉焼きが乗ったソバだと
思って頼んだら、
トロロソバという料理だった!」

という外国人旅行客さんの驚きが
海外でバズっていました。

 

うーん、たしかに・・!

なんの先入観もなく見たら
「目玉焼き」ですね、これ。

でも
あなたなら、間違いますか?

ぼくはとろろそばを見て、
現物でも写真でも
まちがえたことはありません。

ぼくの周囲でもまちがえた
・・・という話は聞きません。

日本在住だと間違えず、
海外の方はまちがってしまう。
なぜでしょう・・・?

これって実は、
「見た目に紛らわしい」
だけじゃなく

日本と海外の
たまご料理文化の違い

が影響しているからなんですよ。

 

◆日本のたまご料理にあるルール

まず、日本では
汁物に目玉焼きは乗せません

 

ですが、海外では
いろ~んな麺料理や肉料理、
野菜料理に目玉焼きを乗せます。

なので、
日本人と違って外国の方は
「ああ、これ目玉焼きだな。」
と思いやすいわけです。

 

じゃあ、
なんで日本食では
目玉焼きを乗せないのか
わかりますか?

「温泉玉子」や「生卵」
つまり生に近いもの
乗せるからですね。

これ、おもしろい歴史があるんです。

 

◆生や温玉に置き換える日本人

欧米には

「ビスマルク風」

という定番の調理法があります。

これは
ステーキや温野菜・ピザなどに
「目玉焼き」を乗せたものを
こう呼びます。

明治時代以降、
日本にもいろんな
ビスマルク風料理が「洋食」として
入ってきました。

ところが・・・

その多くが
「温玉のせ」や
「生卵のせ」に
置き換わっちゃったのです。

メジャーなもので
いまも残っているのって
「ハンバーグ目玉焼き」
くらいかもしれません。

 

たまごの生食

温泉玉子

このどちらも
世界的にはすご~くレアな
食文化でして

日本にこの文化があったことで
入れ替わっちゃったのです。

じゃあ、なぜ目玉焼きより
そっちが好まれたのでしょうか?

2つのメリットがあったからです。

 

◆目玉焼きより高い、2つのメリット

ひとつには

温玉と生のほうが
「ヘルシー感が高い」
こと。

これはデータ上そうでして、
焼くと、どうしても油をつかうため
カロリーが増えてしまいます。

もう一つは、

「楽にできる」こと。

飲食店さんでいちいち
トッピング目玉焼きを焼くのって
けっこう大変です。

ですが、温泉玉子なら
冷蔵庫から出してパカッと割るだけ。
生卵も同様です。

 

この圧倒的『提供のしやすさ』が、
入れ替わったおおきな理由のひとつ
なんですね~。

特に温玉
日本独自の調理法ながら

低温調理ブームで近年
海外でも広く浸透しつつ
あります。

 

インバウンドがのびる中、
海外の方にウケる和食として
ぜひ温玉トッピングは
取り入れるべきです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

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カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム2025年04月30日