なぜ身近で採れた食べ物が良いのか?:たまごの風味2
暑い日が続きますね。
こんな日は、ビールも麦茶も美味しいですね!
さて、先日の続きです。
(関連) なぜ豪華客船のシェフは二流が良いのか? たまごの風味1
暑い毎日、鶏さんのコンディションもたまごの味も、ちょっと変化します。
もともと、卵の風味は季節によって少し変化します。
自然に近い飼育をしている開放鶏舎では、
夏場は鶏さんもさすがに暑さで食欲が落ちます。
やはり水を飲むことが増えるんですね。
そうすると、卵も水分含量が増え、濃厚卵白といわれる白身の盛り上がりや黄身の盛り上がりもわずかに低くなります。味もややあっさり目になっちゃいます。
「えー、じゃあだめじゃん。」
そうおっしゃるかもしれませんが、私は逆にすごいことだと思っています。
鶏さんの食の好みが変わる様に、人間の好みも季節環境で変わります。
先日の日記に書いたように、一年中同じ味では、どうしても飽きちゃうんですね。
「身土不二(しんどふじ)」という言葉をご存知でしょうか?
「土と体は切り離せない。」という意味で、自分が住み育っている環境で土地のものを食べるのが一番体に良い、とも言われる仏教由来の考えです。
暑い環境に人間がいれば自然に、体も季節に合ったみずみずしい味やさわやかなものを体が求めます。
あっさり素麵に錦糸卵を作るんであれば、やはりあっさり目の卵の方がおいしく食べられるかもしれません。反対に冬のおでんなら、コクがあって濃い玉子ですよね。
もちろん安定した品質、完全温度調節した飼育条件の卵も素晴らしいと思います。
ですが、暑い時には暑さに合った味、寒い時には寒さに合った味になってくれる、食べる者とおなじ気候に住む鶏さんから生まれる自然な味「季節一番の卵」も、無意識に「いつもおいしいな。」と食欲が増す秘訣なのかもしれませんね。
※注:ここで言う「身近な」、とは「同じ風土の中で育ったもの」として書いています。同じ県産でなきゃとかいう意味ではありませんので。^^