「開けゴマ!」は、なぜゴマなのか?
アラビアンナイトに出てくる、アリババと40人の盗賊のお話。
あれに、「開けゴマ!」って呪文がありましたよね?
未知の世界、次々と湧き出る物語にワクワクしつつ、子供心に、「ゴマってなんだ?」と思っていました。
■イスラム世界とゴマ
「知っておきたい食の世界史(宮崎正勝 著)」によると、
熟したゴマのさやが突然縦に裂けて、種子が地上に落ちるイメージが、「洞窟の扉が開く様子と重ねられているんだそうです。
また、滋養に富むゴマの種は、イスラム世界で神秘的なイメージが抱かれていたんだとか。
なるほど、パカッ!と開くビジュアルイメージと、中からお宝(ゴマ)が突然出てくるイメージが、その呪文に込められていたんですね。
キャラバンの夜語り、文字ではなく口伝で伝えられてきたアラビアンナイトだけに、こういう「伝わりやすい工夫」は物語のあちこちになされているのかもしれません。
日本だと、開けクリ!でしょうか?
開け、あさりの酒蒸し!とか(^^;)
・・・。
ええ。
完全に酒飲みの発想ですね。
■ゴマのビタミンとたまご
さて、このゴマに多く含まれる、「ビタミンE」は、
たまごの「黄身」に含有されやすい成分です。
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、ニワトリさんの肝臓に蓄えられたのちに、黄身に含有されます。これは、黄身に脂分が比較的多くて、脂溶性成分を溶かしやすいからです。(実際に、ゴマをたくさん食べさせてビタミンEが通常より多く含まれている卵もあります。)
ゴマに限らず、海藻や落花生など、脂溶性ビタミンであるビタミンEやビタミンA(カロテン類)などを多く含む餌を食べれば、必ずたまごの黄身に多く含有されます。
反対に、ビタミンBのような水溶性のビタミンは、比較的白身の方に多く含有されます。
効率よくいろんな性質の栄養成分を卵の中に持てるようになっているんです。
素晴らしい自然の工夫ですね。(^^)
■ところで・・・。
東京ごまたまごっていう銘菓がありますよね?
私も大好物です。
「ごまたまご」ってなんか語感がいいな、と思っていましたが、これ逆さから読んでもごまたまごなんですね。美しい・・。(^^)