実はスゴイ!たまご料理の大ヒットなネーミング
本日はたまごのネーミング話をします!
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
「Wi-Fi(ワイファイ)の語源」
がTwitterでバズってますね。
『ワイヤレスなんとか』
・・・みたいなのの略だと思ってたら、
なんと
「意味はない」「なんとなく」
だそうで確かにビックリです。
開発者いわく
「音の響きがイイから付けた。」
とのことで、
そういうノリも悪くありませんね。
さて、
「たまご料理」にも
新メニュー新商品のヒントにつながる、面白い名前の由来があります。
たまごって
人類発祥と同じころから
食べられていただけあって、
どの卵料理も
歴史は長いんですが、
その中で
実は意外と新しいたまご料理があります。
いや、正確には
新しいたまご料理ネーミングがあります。
2つご紹介しますと‥‥‥
その1:『温泉玉子』
料理じたいは古く400年ほど前
の文献にも出てきますが、
実は「温泉玉子」って名がついて
普及したのは
昭和になってから。
なぜか?
それまでは、
『誰も作れない料理』だったからです。
だって、
お湯の「温度コントロール」ができなかったから。
温泉玉子って、
65℃~70℃のきわめてピンポイントな温度
を保つ「だけ」でできる料理です。
それまでは偶然に、
この「ピッタリ温度」のお湯
が沸いている所
“日光荒湯”など数か所のみにしか
ありませんでした。
カマドと薪で
±3℃以内の加熱料理を作るなんて
ムリですよね~。
そもそも温度計がないとダメですし…。
なので、
安定したガスが普及した
昭和に広まった料理法なんですね。
それも、
昭和の「温泉ブーム」以降に
広まった料理ネーミングです。
それまでは、
とくに決まった名前がありませんでした。
そこに、
うまく温泉旅行ブームとくっつけて
「温泉たまご」という
ピッタリな名前を付けた人がいるんですね。
たしかに、考えてみれば
温玉って
ゆで玉子の変種ですから
温泉関係ないんですね。
カシコイな~。
ぜひあなたのお店でも、
ちょっと視点を変えて
「関係ない」
「けど繋がりがある」
こんな2つをくっつけた
メニュー名
商品名をぜひ
お考えになってみて下さい。
例えば
テイクアウト流行りだからこそ
伝わるネーミング
糖質制限ブームだからこそ
伝わるネーミングが
あるかもしれません。
子供の頃あそんだ
「宇宙ごま」だって
宇宙とはゼンゼン関係ないけども、
アポロ計画の時代と
なんとなく遠心力のイメージが
繋がったから
ネーミングとして定着したんです。
よく考えると関係無いけど
なんとなく納得感のある名前
これですよ!
そして、もう一つ。
その2:『釜玉うどん』
東日本でもだいぶ
定着してきました釜玉うどん。
ゆでたての讃岐うどんに
生卵を落とし
サッと醤油をまわしかけて混ぜて食べる
僕も大好きなたまごうどん料理です。
これ、実は
ホンの30年くらい前まで
名前がありませんでした。
ただの「まかない料理」でしたので。
つまり『平成』の料理です。
なのに、
「釜玉うどん」
の名前って
『伝統感』がありますよね。
まるで、
「え!?
江戸時代からありましたけど。
知りませんでした?」
と言わんばかりの絶妙なネーミング。
かなりのステキ“発明”ですよ。
「かまたまうどん」の名が出はじめた頃に、
僕の地元で
「そうめんカルボナーラ」
というものを提唱された方がいらっしゃいました。
作り方は、ほぼ、かまたまうどんと同じ。
たまごとアツアツの素麺を絡めて
醤油をかける。
めっちゃ美味しいんです。
「全国にそうめんカルボナーラを広めるのだ!」
とおっしゃっておられました。
でも…いま、
全国この料理名を知っている方、
どれくらいいるでしょうか…?
ひとつには、
「そうめん」と「カルボナーラ」
では、微妙に
伝統感とか
ピッタリ感が
足りなかったのかもしれません。
そう考えると、
「かまたまうどん」は
やわらかな音感で、
伝統っぽさも感じる、
そしてなんとなく
老舗感こだわり感すら感じます
こんな新しいネーミングって
なかなかできません。
僕たちも、自社の
あたらしい卵商品や
お客様と一緒に
新しいお菓子や
新メニュー名を考えることがありますが、
そのたびに思い出すのが、
かまたまうどん。
こんなのを考えたいな~。
って。
名前を考案した方、
いったいどんなステキな方なのか
とってもお会いしてみたい!
〇「なるほど」の名前が無いとゼッタイ売れない
メニュー名や
商品名って、
すんごく大事です。
人間、
名前のわからないもの
心に刺さらないものは
ゼッタイに食べてくれません。
たとえば
あなたの友達が、
ポケットから黒いカタマリを出して、
「これ食べなよ。」
って言ったとして、
あなた食べますか?
「なにそれ?」
って聞いても
「いや、たべものだよ。」
って。
そんな訳の分からない
なぞの黒いカタマリ
食べないでしょう?
そこを、
「これ塊炭飴(かいたんあめ)
って言うんだよ。
戦前からある
北海道赤平市の銘菓。」
って言われたら
やっと
興味がわくってもんです。
ぜひ、あなたも、
新しい商品
新メニューを考案して
「名前をいっちょ考えようか。」
となったときは、
「かまたまうどん」(→伝統っぽい語感にする)
「温泉玉子」(→その時の流行りイメージとくっつける)
この絶妙ステキなネーミングを
思い出してみて下さい。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。