小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

メニューに活かす!たまごのたべごろ

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

渡邉政子さんの

「パンのおいしい物語」を

読んでいると

 

パンのたべごろ

というテーマがありました。

 

パンの食べごろは、

「焼きたて」じゃない

 

「冷めたて」が最高!

なんだそうです。

 

アツアツ湯気の出ている

焼き立てパンは、

ご飯でいうならば

まだ「蒸らし前」の状態で

 

皮は香ばしいけども

中身の湯気は

イースト臭が強く

アルコールっぽい

 

食感も柔らかすぎて

口の中で団子状になる

 

焼きたてをカットすると

スライス面が乾燥して

パンの風味も飛んでしまう・・・

 

そんなカンジで食べても

イマイチなんだそう。

 

したがって「冷めたて」が最高

なるほど。

 

僕は仕事柄いろんなパンを

食べ歩くことも多いのですが、

 

「焼きたて」っていうワードは

店舗で焼かれるお店さんの特権

強みだからどんどん推すべし!

だと思っていました。

 

業界の常識と一般イメージの違い

こんなことは、

どの業界にもありそうです。

 

魚もそうですよね。

イカやアジは

獲れたてが美味しいですが、

 

マグロなど赤身の魚は

すぐ食べると固いだけ、

熟成した方がはるかに美味しいんだとか。


さて、

たまごも同じなんです。

「産みたて」

という言葉には

ある種の魔力がありまして、

 

書くとお客様は喜ぶ

お店は売れる

 

誰も、そのことを

悪く言う方はいません。

 

したがって、

自農場のPRや

通販サイトで

「産みたて!」と

PRされる農場さんも多いです。

 

ですが、そこにちょっと

物申すならば、

 

卵たべごろの美味しさは

「料理によってちがう」

という事ですね。

 

中部大学小川教授らの研究によると、

「産みたての張りのあるたまごを使って玉子焼きを焼くと、攪拌しても白身が凝集した立体構造になり、硬い美味しくない食感になりやすい。」

という報告を、

電子顕微鏡などを

使って実証されています。

 

これは、

和食の伝統的な知恵と

おなじ結論でして

 

玉子焼きが有名な

和食の老舗店さんで

「あえてたまごを数日置いて、食感を落として焼き上げる」

そんな技法を

教えて頂いた事があります。

 

おなじく、

ゆでたまごも

鮮度の高いたまごは向きません。

 

産みたてすぐのたまごは

炭酸ガスを多量に含み

pHが低いため

えぐみがあり

ツルンとキレイに剥けません。

 

数日ほっておくことで

炭酸ガスが抜け

美味しいゆでたまごになります。

反対に

鮮度が大事!な

たまご料理もあります。

例えば、

たまごかけごはん

粘性・弾性が高い

つまり

張りと粘りがあるたまごは、

 

食べた時に

舌の味蕾に信号が

たっぷり送られるため

新鮮なほど

「味が濃厚!」に感じます。

目玉焼きも同様で、

黄身の立体構造が

「球」に近い

 

つまり鮮度が高いほど

熱の通りが均一になりやすく

滑らかな食感の黄身になります。

まとめますと

たまごの食べごろ

オムレツ・玉子焼き

→産卵後3日~7日以内

ゆでたまご

→産卵3日後以降~

たまごかけごはん・目玉焼き

→はやいほど美味しい

 

また、

温泉たまご

→7日以内

洋菓子

→種類による

 

など特殊なものもあります

あらためてご説明しますね~。

 

ご使用量が多くない

お店での活用の場合、

 

例えば日替わり

朝食・ランチメニュー

などで、

 

その時点のたまごの鮮度に

最適なメニューに

する方法もあるかと思います。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム2021年12月9日