こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
日経サイエンスに載っていた文章が
ちょっとした話題になっていました。
日経サイエンスのブラックホール特集、一行目が強烈すぎて尖に読み進めることができない。科学者すげーな! pic.twitter.com/H4Y612lfqq
— 渡辺僚一 (@watanaberyoichi) November 4, 2022
ある化学者グループが
ゆでたまごを生卵に戻した
とあって、これにすごい
反応があったわけです。
これは、
カリフォルニア大学(米国)、
フリンダース大学(オーストラリア)研究チーム
の成果で、
当ブログでも
当時ご紹介したことがあります。
(「ゆでたまごを”生卵”に戻す技術」を開発、19兆円産業のコストダウンになる!? | たまごのソムリエ面白コラム)
ゆでたまごを元に戻すためだけの
研究じゃなくって、これは
変性したたんぱく質を自在に
分解することで、応用すると
複雑なたんぱく質の実験時間を
数百分の一に短縮できる技術なんですね。
で、なんで「たまご」が分かりやすい
インパクトとして実例ひきあいに
出されているのかというと、
「たまごの魅力の大部分が
たんぱく質変性にある」
からなのです。
たまごは、調理によって
・起泡性(あわだち)
・両親媒性(油と水となじむ)
・熱変性(熱で固まる)
・マスキング効果(味をまろやかにする)
・食感滑らかさ寄与
こんないろんな効果がありまして
そのほぼすべてに「たんぱく質」
とその「熱などによる変性」が
寄与しているのです。
身近にあって
これほどたんぱく質の変化を
説明できる食材ってほかに
ありません。
実際、上記の記事やニュースの
見出しのインパクトはすごいですよね。
◆多様な食感を楽しむのがたまご料理
そして、この「食感」は
たまご料理の最大の魅力です。
熱を加えると変性するのですが、
「めっちゃ熱が加わった部分」
「ちょっと熱が加わった部分」
「ほとんど生の部分」
が重層的に重なることで、
何重もの食感がたのしめる
夢のような料理、
これがたまご料理の魅力
なんですね。
たとえば
半熟たまごの魅力。
たとえば、
とろふわのオムライス。
ぜんぶ、この
たんぱく質の変化が
幾重にも重なっているから
美味しいのです。
ですので、
新しいメニューなんかを
考えたり、また卵の調理を
する際は、
この熱変性が重層的になるように
すべきですね。
◆人気メニューの秘訣に!?
最近人気の高い
トルネードオムライスなんかも
じつはこの重層感が
見た目と共に
魅力の理由です。
そして、何も一緒に
加熱する必要もなくて、
強く加熱するものと
ゆる~く加熱するものと
あとで合わせて
「炊き合わせ」みたいな
技法でも美味しくできるんですね。
このあたりはまた後日に!
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。