小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご全般コラム 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

スペインの伝統的お菓子に「サンタテレサの黄身」(yemas de Santa Teresa)なるものがあるのをご存知でしょうか。

1800年代中ごろにアビラという町で生まれ、今ではスペイン全土で親しまれているお菓子です。

砂糖を溶かしたシロップと卵の黄身を合わせ丸めたお菓子で、見た目も固ゆで玉子の黄身だけを取り出したような色とカタチをしています。

作り方はシンプルですが、とってもクリーミーで卵の風味と甘さがすごくマッチしていて美味!です。

修道院生まれのお菓子なので、スペインの修道院改革を進めたアビラ生まれの聖女・聖テレサさんにあやかってその名前がついているのだとか。

なぜ修道院でお菓子が生まれたのかというと、

むかし昔、修道院ではワインを造り販売していたのですね。

当時のやり方でワインから不純物を取り除き、澄んだお酒にするために使用するのが「卵白」です。そうすると、必然的に大量の黄身が余ってしまう…。

コレを利用しよう!

…という事で生まれたお菓子なんです。

日本の新潟や東北・関西の酒どころで、酒造りで残った酒かすを使った「粕汁」や「粕漬け」が流行ったようなものでしょうか。

ポピュラーすぎて、「イエマ(黄身)食べる?」みたいに省略しても伝わるのだとか。

たまご屋としてはテンションが上がるお菓子です。

作り方の動画です↓

割と簡単ですので、

メニューの関係でちょっと黄身が余った時にでも、ぜひ作ってみて下さいませ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2020年05月6日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

10年ほど前のある日のこと

会社に一本の電話がかかってきました。

内容はクレームです。

とにかくすごい剣幕で、お怒りの様子。

すわ大ごとか!?と・・・お話を聴いてみると、

「おたくは詐欺だ!」

白たまごに赤いペンキを塗って、高く売っている。客をだますのか!」

…との事でした。

もちろんそんな??ことはしませんので、

とにかく誤解を解こうと、

どうしてそう思われたのかを尋ねました。

すると、

「家内が買った赤卵のカラを金属タワシでこすったら、赤色がハゲて白くなった!色を塗ってるからだ…!この詐欺師め!」

との事。

思いもしなかった抗議内容に言葉を失ったのですが・・・

 

卵殻の色はなぜ付いている…!?

そもそも赤卵って、なんで赤いんでしょう?

これ、「擬態」の色なんです。

自然の中で、我が子である卵を捕食する敵から守るための色です。

ですから、ワラや土の上で巣をつくるニワトリさんの卵は、もともと全て赤茶色でした。

草原に住む鳥・エミューの卵のカラは真っ青ですし、葉の生い茂る木の上で巣をつくるカラスやこまどりの卵は緑青色です。(ちなみに白いカラの鶏卵は、人間に品種改良されてから)

でも……どの鳥も、

どの卵のカラも、その内側は真っ白なんです。

卵殻の主成分は炭酸カルシウムです。チョークの粉と同じ成分ですね。すなわち白色。

そして内側まで擬態する必要は無いですから、色は付いてないんです。

たまごは実は表面だけに色が付いている、それもほんの数マイクロミリの厚さのみ色素が入っています。

ちょっと硬いものでこすってやると、削れて下の白地が現れるのです。

赤卵カラの内側は真っ白

このことを人にお話すると、

「初めて気づいた!」

という方が意外と多くいらっしゃいます。

あまりに日常過ぎて、

そして普段は卵の中身に用があるわけですから、

まじまじと卵のカラを観察することってあまり無いのかもしれません。

 

前述のクレームのお電話を頂いたお客様には、

「たまごの殻の赤色はそもそも表面にごく薄くあるだけ」

「どこで買った赤たまごも同じ。金属たわしで削ればそうなる。」

…という事を

ご訪問のうえ目の前でご覧いただき、理解して頂きました(汗)

 

誰かの「あたりまえ」と信頼の大切さ

あまり知らない世界の事って、なんだか疑心暗鬼になりやすいですよね。

ときどきネットやTVで“陰謀論”を目にするたびに、このクレームを思い出すんです。

芸能人の麻薬逮捕は目を逸らすための政府の陰謀だ!

給食のパンは小麦で世界支配をたくらむGHQの陰謀だ!……

なんて話も聞きますが、もしかすると業界の人なら「いや、それって変な事じゃないよ(汗)」って言いたくなる事なのかもしれません。

例えば卵のカラなら、

「そもそも……一個ずつ色を塗っていく方がコストも手間も大変だよな。するわけないか。」

と落ち着いて考えてもらえたなら、誤解でご立腹いただくことも無いわけです。

よく知らないからこそ、悪いイメージにつなげてしまう。

ですので、

普段から「小林さんのところなら間違いないよ。」と思ってもらえる信頼づくり、また自分が知らない業界の事は一歩立ち止まって考えてみないといけないなぁ、と感じております。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2020年04月27日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

コロナ禍で外出し難い、そんなときには買いだめした卵を使ってこんな面白い美味料理が作れます。

でも卵を塩・砂糖漬けにしてカラカラに乾燥することで、不思議な風味の絶品調味料を創ることができるんです。


<準備するもの>

 塩

 砂糖

 鰹節・ローリエ

 たまご(MまたはMSサイズ)6個

大きめのタッパーなど広めの容器


<調理>

(1)鰹節とローリエ

塩と砂糖を1:1(3~400gくらいずつ)くらいで混ぜ、その中にローリエと鰹節を入れさっくりと混ぜます。

(2)バットに上記の混合塩の7割を敷き詰め、くぼみをつけます。

黄味を白身と分けた後に、そーっとくぼみに乗せます。

(3)上にも混合砂糖塩をかぶせて黄身を埋め、冷蔵庫で48時間置きます。

すると、カチンと固まってヒスイのようになった固形になります。

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(4)表面の塩をはらって、水で少し洗い流し、くっつかないように網に並べ、オーブンで少し加熱します【65℃90分】

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これで、『たまごの干物』の出来上がり!

ちょっと透き通って宝石みたいでステキです^^

どうやって使うかというと、

すこしずつ「おろし金」で削って料理にふりかけるんですね。

チーズみたいなカンジで。

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しっかりとした固さがあるので、細かく削った方が美味しいです。

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味は、たまごの濃厚なコクがあってカラスミっぽい?、甘塩っぽい風味がサラダやパスタとめっちゃ合います。

ぜひ、一風変わった玉子料理として試してみて下さいませ~。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。
カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2020年04月15日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

もうすぐ春、一人暮らしを始めるシーズンでもあります。

慣れない料理に、あっ!という間に失敗しちゃうこともあるのでは!?

さて、本日は、

卵を落とした時の掃除、について。

ツルン、と落として不幸にも割ってしまうこと、

時々ありますよね。

生卵って、掃除が結構大変なんです。

布巾で拭いてもなかなかちゃんと取れないですし、

手間がかかります。

さて、そんなとき、役に立つのが「塩」なんです。

落とした生たまごの上に塩をかけておくと、

ペーパータオルなどでふき取る際に、

かなりやりやすくなります。

いちどお試しあれ^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2017年03月27日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

あと少しでクリスマスですね!

本場米国では宗教の絡みもあって、あまり

「メリークリスマス!」

と公共の場ではアピールしにくくなっているようですが(関連)、

さいわい八百万の神様がいらっしゃるリベラル日本では、

クリスマスもハロウィンも初詣も全然オッケーです^^

さて、冬のあったかーいお酒、特にクリスマスに人気の飲み物というと、

甘いあまいたまご酒「エッグノッグ」

特に米国では、

「正月といえばお雑煮」

くらいの感覚で、

『クリスマスといえばエッグノッグだろう。』

というイメージがある飲み物です。

卵とミルク、砂糖とお酒、あと鍋があればカンタンにできるのですが、

あちらでは良く飲まれるのであらかじめパックになった製品も売られています。

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日本ではまず見かけない商品ですが、

米国のこの時期は、町のどのスーパーでも、山積みです。

なぜこのクリスマスや正月定番なのかというと、

牛乳や卵、ブランデーは昔は貴重で高価でしたから、

クリスマスや正月だけの贅沢なお酒として飲まれていたそうです。

数年前にもご紹介したのですが、

おウチで簡単に作れるエッグノッグのレシピを再掲しますね^^

◆代表的なレシピ

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スタンダードなレシピですが、モチロンお酒を入れなくても美味しいです。 酒抜きだと、子供にも大人気!

 

※準備するもの
  卵黄 1個
牛乳 180ml
砂糖 大さじ一杯(10g程度)
(ブランデー お好み)
シナモン  一つまみ

※作り方
 (1)卵黄に砂糖を入れて、クリーム状真っ白になるまでかき混ぜます。
(2)そこに牛乳を加えて更によく混ぜつつ、小なべで弱火にかけながらゆっくり温めます。 (沸騰厳禁!)
(3)10分少々でとろーっとしてくるので、そうしたらカップに移してお酒を好きなだけ入れ、シナモンを振りかけて、出来上がり!

※お酒はワインでも美味しいです。

お酒好きのお父さんには、

アルコールの強ーい「ジョージ・ワシントン風エッグノッグ」なるレシピがありますので、興味ある方はお試しくださいませー。(大人の甘ーいお酒、エッグノッグレシピ – たまごのソムリエ面白コラム

これは酔っぱらいますよー!

では楽しいクリスマスをお過ごしくださいませ♪

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2016年12月21日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

江戸時代のベストセラー料理本「万宝料理秘密箱 卵百珍」(1795年)にある玉子料理レシピ107種を、

国立情報学研究所と国文学研究資料館が現代文に翻訳、

さらに現代レシピを追記したうえでデータベースとして公開されています。

そしてなんと!

あの日本最大のレシピサイト『クックパッド』でも公開されているんです。

クックパッドの「卵百珍」特設サイト

11月24日「和食の日」にちなんでの公開とのことで、

これはステキな取り組みですねー!

以前当ブログでもご紹介した「卵百珍」、

私も原文の本を読んだことがありますが、

当たり前ですが江戸の言葉で、分かりにくいんです^^;

それを、誰でも読めて、

しかも作った料理をクックパッドで「つくれぽ」として公開-共有できるんですよ!

つくれぽ写真がどうして重要かというと、

「文献だけではどんな見た目の料理かわからない」

からです(–;)

「あー、こんなステキ料理だったか。 これは作ってみたい!」

なんてなるわけです。

美味しいのに現代ではあまり作られていない料理もありますので、

みんなの作った写真や現代風アレンジがどんどん出てくれば、

“和風たまご料理の世界”がさらに広がっていくかとおもいます^^

たとえば江戸時代のオムレツ「うずらたまご」なんて、

薄切りにしてお刺身みたいに食べるのも良いらしいのですが、

ちょっとワクワクする、新しい世界ですよね!?

ぜひ皆さまもチャレンジしてみてくださいませ♪

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:公開された『万宝料理秘密箱 卵百珍』レシピ一覧(国文学研究資料館)http://codh.rois.ac.jp/edo-cooking/tamago-hyakuchin/recipe/)

(関連:江戸の包み玉子と英国ポーチドエッグの最新調理器 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2016年11月29日