小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご全般コラム 記事一覧

本日は七草がゆを食べる日です。

セリやナズナ、カブなど7種の野菜を刻んで入れたお粥を食べる風習です。

・正月料理で疲れた胃を休める

・邪気を払い万病を退ける

といった意味があるんだとか。

すべて水田の周りに生える草で、平安時代から続く風習なんだそうです。

ちなみに「春の七草(ななくさ)」ですよ。「秋の七草」は食べられませんのでご注意を。

◆おいしく食べる現代風レシピ
クックパッドに載せられていた「半熟煮卵のせ七草粥」というのがとってもおいしそうだったので、ご紹介。

 半熟煮卵のせ七草粥のレシピ(COOKPAD)

nanakusa_gayu.jpg野菜だけだと味気ない、でも卵をそのまま入れちゃうと雑炊になっちゃいますしね。こんな食べ方は斬新でアリですね!

※写真は上記リンク先より引用しております。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2010年01月7日

※下の写真は、友人社長のつがおかサン。彼の作るオムレツは絶品です。 

tsugaoka_san.jpg

さて、先日の続きです。
(先日のエントリ→ アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策 その1)

 

アレルギーの方に「たまご料理」を楽しんでいただく方法があります。
簡潔に言うと、以下の三つがあります。

1、症状の出にくい料理法で食べる

2、卵白からアレルゲンを除去してしまう

3、卵そのものを除去してしまう(卵レスたまご料理)

 

順にご説明します。

◆症状の出にくい卵料理法で食べる
卵アレルゲンは加熱するほど反応は弱くなる傾向があります。(注:オボムコイドは加熱しても変性しにくい特徴を持ちますがそれでも熱変性傾向はあります。数種ある卵アレルゲンたんぱくへの個人差によって異なります)

ですので、クッキーや揚げ物の衣のように強い熱を加えた料理なら、症状を弱く抑えられる可能性もあります。

症状の出にくい順に調理方法を書くと、

    焼き菓子(ビスケットや菓子パン・揚げ物など)
→ 高熱調理たまご含有食品(カステラやケーキなど)魚類肉類加工品(かまぼこやウインナー)
→ 熱調理たまご料理(玉子焼き・茶碗蒸し・オムレツなど)
→ 非加熱たまご含有食品(特に卵白調理・生クリームやアイスクリーム)
→ 生卵

 この順に食べやすい事になります。

 

◆卵白からアレルゲンを除去してしまう
強い卵アレルギーを引き起こす「オボムコイド」は水溶性ですので、加工により除去する事が可能です。

実際にキューピーや太陽化学などの加工メーカーにより、低アレルゲン化された卵白も検討されています。キューピーの研究では更に、この「脱オボムコイド卵白」を食べる事で卵アレルギーが改善されるとの報告もされています。(※1)(※2)

家庭でもできる、除去調理法を下に引用します。

オボムコイド除去法
1)卵をゆでる。
2)卵白と卵黄に分ける。
3)卵白をフードカッターにかける。
4)お茶パックに入れる(3重にする)。
5)流水で10分もみ洗いした後、よくしぼって水気をとる。
6)お茶パックより、卵白を取り出す。
7)料理に混ぜる。

 

◆材料を工夫する(卵レスたまご料理)
最後に、あくまで「たまご料理を楽しむ」ことを主に考えてみます。

ぶっちゃけると、たまご抜きでも「たまご料理」を楽しんでもらう事はできます。

実は、卵料理なのに「卵を使わないレシピ」というものが存在するんです。

まるで禅問答のような話ですね。

例えばケーキ類。これは割と有名です。

他にも卵無し「卵かけご飯」や卵無し「玉子焼き」、「スクランブルエッグ」「目玉焼き・・・などなど、「えー!」と言ってしまいそうなビックリレシピも存在します。 これについては楽しいレシピもたくさんありますので、また改めてご紹介します。(^^)

・・・。

もちろん、ご紹介しても、当社の売り上げはモチロン変わりませんね。

でも、

良い治療法だって出てきています。 いま卵が食べられなくても、いつか体質が変わって食べられるようになるかもしれません。 その時まで、このような「卵レス卵料理」を楽しんで卵に興味をもち続けてくれたらなと思っています。 そうして、いつか私共の自慢の卵を食べてくださり、ファンになってくれるなら、こんなうれしいことはありません。(実際、来店くださって、ご相談をいただいたお客様には、オリジナル「たまご抜きレシピ」のお渡しお渡しもしております)

 

以上、卵アレルギーに関するあれこれを書いてみました。長くて分かりにくいうえに、理解不十分な点もあるかと思います。詳しく知るためのきっかけと思っていただければ幸いです。ここまでお読みくださって、ありがとうございました。

(※1:低アレルゲン化卵白の特許・特開平7-99936)
(※2:日本アレルギー学会-加熱脱オボムコイド卵白による経口免疫療法―卵白特異的Th1・Th2サイトカインとIgG4の検討・他)

(先日のエントリ) アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策 その1

(関連日記)アレルギーと卵の関係(追記) 

(関連日記)「アレルギー患者が食べられる卵」報道について

 

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2010年01月6日

egg_white_red.jpg 「卵アレルギーの人でも食べられるたまごってないですか?」

 

こんな質問を良くいただきます。

特にお子さんについて、アレルギーで悩まれておられる方も多く、非常に心苦しく感じます。

結論から言うと、現在アレルギーフリーの卵は存在しません。

◆たまごの主要成分がアレルゲン
広島大学大学院 生物圏科学研究科 堀内先生のお話によると、

鶏卵中のアレルゲンとなるタンパク質「オボムコイド」は、なんと卵白たんぱく中に11%も含まれるんだそうです。また、活性がやや弱いアレルゲン「オボアルブミン」は54%を占めます。これらを除去するという事は「生命としての鶏卵の構造」を著しく改変することを意味します。よって、飼育環境や飼料・鶏種などの条件改善でこのような大変化を起こせる可能性は極めて低いようです。

つまり、「水が違うから・・・」「自然の中で飼っているから・・・」「こだわりの飼料だから・・」「健康なニワトリだから・・・」など通常の方法では、残念ながらアレルギーで苦しむ方に喜んでもらえる卵は作れないという事です。

 

◆医薬面から強く望まれているアレルゲンフリー鶏卵
また、インフルエンザワクチンなど一部の医薬品は卵(有精卵)から作られており、卵アレルギーが原因でワクチン摂取ができない方もいらっしゃいます。

堀内先生はニワトリES細胞の樹立と遺伝子改変によって、低アレルギー卵の開発を目指されておられます。安心してワクチン接種ができ、食卓にこのような卵が並ぶ日も遠くないかもしれません。

 

◆卵は無理でも「卵料理」なら可能・・・!?
ではいますぐ、卵アレルギーの人にも卵を楽しんでもらうのは無理なのでしょうか?

いやいや、現状の中でも工夫はあります。

明日は「卵アレルギーの人が卵料理を楽しむための三つの秘策」についてご説明します。

 

参考:「遺伝子改変ニワトリの開発  アレルギーフリーのたまご開発が可能か?」堀内 浩幸(広島大学大学院 生物圏科学研究科 助教)・たまご研究会報告(2009)

 (関連日記)アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策:その2
(関連日記)アレルギーと卵の関係(追記) 

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2010年01月5日

medamayaki_0912.jpg

全国的に寒い週末となるようですね。

こんな日はあったかい鍋かおでんですね!

さて、あったかくした料理を食べる場合、ちょっと気になるのがその栄養成分の変化と消化吸収率。

一般的に卵白は加熱凝固させた方が生より消化吸収がよく、卵黄では生の方が良いとされています。

ということは、黄身半熟のゆで玉子が消化の面では最高、ということでしょうか。

効率よく熱量(エネルギー)になるため、ダイバーは冬に潜る際、ゆで玉子を食べて潜るケースもあるそうです。

また、たまごは加熱による栄養価値の変化はかなり小さい食材です。無機成分、ビタミンB1、B2などは普通の加熱調理ではほとんど減少しません。

アツアツの料理で健康になるなら、たまごはピッタリの食材ということですね!

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年12月17日

香港ではたまごのバラ売りをしている事が多いのですが、

裸電球が付いていて、買う前に自分で検査できるようになっているそうです。

我が社のようなGPセンター(洗卵選別包装工場)では、洗浄ラインの途中で「検卵」という工程があります。

kenran.jpg強い光で下から卵を透かして、血卵や異常卵を目視検査する工程です。(注1)

それを消費者レベルで行うという発想は面白いですね。

「自分の身は自分で守る。」

うーん、ある意味中国らしいのかもしれません。

(注1:少し前の写真です。今はマスク着用、そしてこの横に破卵検知器というものが設置されています)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年12月15日

 

ude.jpg

本格的に寒くなってきましたね。いよいよ冬も間近です。

お肌の乾燥対策もそろそろ考えなくちゃいけませんね。

今日はお肌と卵のお話です。

 

■食べて塗って、たまごでお肌ケア!
かのクレオパトラはその昔、卵とはちみつを混ぜた特性パックを顔に塗ってお肌のケアをしていたそうです。

そして、卵は食べてもお肌に良い食品なんです。

たまごはアミノ酸たっぷりの完全栄養食。このアミノ酸が、お肌のみずみずしさと張りを作るコラーゲンの素になるんです。

毎日食べるだけでも、卵のアミノ酸がお肌の皮膚の細胞分裂を促しコラーゲンを蓄えてくれるんですね。

補完としてビタミンCを取れば、更にカンペキな美容食になります。

(加えて白い美肌を維持する成分「システイン」の素になる、シスチンというアミノ酸が卵殻膜に含まれていることが最近の研究で分かっています)

 

■にわとりさん自身にも美肌の秘密が・・!
赤ちゃんの肌は、それこそゆで卵を剥いたようにプルプルツルンとしています。

これはヒアルロン酸という水溶性高分子のおかげ。

chikin.jpgのサムネール画像

この成分、美容業界では奇跡の美容成分とも言われている高級素材です。

このヒアルロン酸が、にわとりさんのトサカに大量に含まれているんです。

大手化粧品メーカーのなかには、このトサカを集めてヒアルロン酸を抽出し高級化粧品をつくっているところもあります。

 

「卵肌(たまごはだ)」という言葉があるように、見た目のイメージも含めてたまごと美容は深い関係があるんです。

まずはおいしく食べて、体の内側から肌をキレイにしてみませんか?