こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
たまご鶏のことわざ慣用句
87弾目は英語圏から。
<卵を吸ってこい
(卵をしゃぶってろ)>
(Go suck an egg)
「失せろ!」という意味です。
「あっちへ行け」
と、迷惑や軽蔑をあらわした
ちょっと失礼な言い方です。
京都の『ぶぶづけ』的な
もっと失礼なヤツですね
百年くらい前からある言い回しで、
今でも十分通じる表現です。
なんでしょうね?
どういうイメージで
卵を
チューチュー吸ったり
アメみたいに
しゃぶる絵面が
「向こうへ行ってろ」
になるんでしょうか??
調べてみたら
欧米でもけっこう疑問に
思う人は多いようで、でも
由来はハッキリしてないようですね。
分かっているのは、
もともと
『たまご吸い』(suck egg)
という形容詞があって、
男とか犬を
バカにする表現だった
ということ。
『たまご吸いの犬みたいに
ケチな野郎だぜ』
なんて表現が
130年前には
使われてまして、
マークトウェインの
「トムソーヤの冒険」(1876)
にも出てきます。
なんでも若い子同士が
相手をバカにする意味で
使っていたっぽいですね。
その後
1930年代後半には
今と同じように
「どっかいけ!」
の意味で
『たまごを吸ってこい』
の言い回しが
使われていたようです。
『「モンドさん何かご注文は?」
「卵を吸ってきやがれ。
オレは自分の酒を持ってるよ。」
彼は腰のポケットからハーフパイントのウイスキーを取り出し、テーブルに置いた。』
(米国小説:エドウィン・コール著“ Burro Alley” (1938)より)
それっぽい理由としては、
“ロシアや欧州では
農村の子供たちは
たまごの上に小さな穴を開け
中身を吸って飲まされていた。
背が伸びてない、
育ちの遅い子供が
とくに卵を吸わされていたから
「出直しておいで。」
みたいに
追い出す意味で
「むこうで
卵を吸ってこいよ(笑)」
てな感じにバカにしていた。
それが
『あっちへ行け』
になったんじゃないか。”
不確かながら
そんな風にも
言われているようです。
もしそうならば、
『栄養満点なたまご』
なことが
人を遠ざける
軽蔑の表現を産んじゃった
わけですね・・・。
うーん、
卵屋としては
なんだか複雑だなぁ。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。
(関連:おばあちゃんはナゼ卵を吸うの!?【たまごのことわざ】 | たまごのソムリエ面白コラム)※似てますが全くちがう由来のことわざです