小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

「バターと卵の男」ってどんなヤツ…!?【たまごの慣用句】

バターとたまご・・・って
めっちゃ相性良いんです。


世界のたまご鶏のことわざ慣用句、第80弾
今回はアメリカから。

<バターアンドエッグマン>

バターと卵の男・・・
ヘンな言い回しですね。

これ何かというと、
『田舎の土地成金や金持ち農家で
都会に出てきて豪遊&散財する
人のこと』を指します。

言い換えるならば、

『金持ってて警戒心の無いバカ』

という揶揄ですね。

「バターたまご野郎だぜ。」みたいな。

現代日本のスラングで、
目立たない暗い男性を
「チー牛(チーズ牛丼)」と
呼ぶのに近い言い回しです。

 

この語源は、
百年前に一世を風靡した
女優で実業家、ナイトクラブの女王
と呼ばれた女性テキサス・ギナンさん
が田舎者を指してこう言ったのが
今でいう大バズりしまして、
流行語として定着したものです。

 

そして1925年に
ブロードウェイのミュージカル
『バターアンドエッグマン』
そのまんまのタイトルで
コメディ物語になりまして、

これが大ヒット。
その数年後に映画になって
そちらも同じくヒットしたんです。

ちなみにストーリーは・・・

 


成功を夢見てオハイオからNYへ
出てきた青年ピーター。

街について早々に、
怪しげな劇団オーナー・
レーマンとマクルーアに
だまされて、次の興行に
1万5千ドルの有り金を
すべて出資してしまう。

 

その演目を試演するも大失敗、
逃げ出そうと決めた2人から
興行権利をすべて買い取らされ
一文無しに・・・

 

ところが一座の主役女優メリーの
活躍で思いがけずブロードウェイで
大好評、新聞も大絶賛!

二人で喜びあっているところに
弁護士がやってきて

「この演目は著作権侵害をしている。
のちほど訴えて差し止める。
訴状を待っていろ。」

 

しょげかえっていると、
譲渡して逃げ出した
レーマンとマクルーアが
戻ってきて、

「やあ、こんな成功するなんてね。
やっぱり俺たちが買い戻すぜ。」

・・・と厚かましくもいうものだから
なにくわぬ顔で「4万ドルなら。」と
売り返し、メリーと結婚してめでたしめでたし…


というお話です。

なかなか面白いですね。
ちなみに日本では
「狂言成金」の邦題で
通っています。

 

◆酪農と養鶏のすごさ

ア ーカンソー州・ジ ョージア州
アラバ マ・ミシシ ッピーにテキサス州
は養鶏の5大生産地なんて
言われてますが、

1900年代初頭以降、
このバター&エッグマンの頃から
猛烈に酪農と養鶏産業が伸びてるんです。

バター(酪農)と卵(養鶏)で
まさに「成金」といえる田舎の成功者が
多く出てきた時期とも言えます。

揶揄する言葉ではありますが
一種の羨望も入った
なかなか興味深い表現です。

 

ボクはぜんぜん儲かってるわけじゃ
ないですけども、「たまご男」なら
ぜひ言われてみたいですね~。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ2023年05月14日