ヨソでたまごを産むのは…!?【たまごのことわざ その84】
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
たまご鶏のことわざ第84弾、
今回はジョージアから。
<家で鳴いたメンドリが
よそでタマゴを産む>
ようは「恩知らず」のことですね。
ウチで世話に
なっておいて、
ヨソで利益を
出すなんて
ひどい…!
・・・という
そんなことわざです。
気持ちとしては
わからんでもないですね。
たとえるなら
飲食店さんで長年手塩にかけ
育てた幹部さんが、
家庭の事情で引っ越して
他店で即戦力として活躍する・・・?
とかそんなカンジでしょうか。
かけた手間、苦労した分は
やっぱりリターンが欲しい、
と考えるのは人の常ですよね~。
ですが、
そう考えるんじゃなくって、
生き方として
『その逆を行きなさい』
と教えてもらったことがあります。
数年ほど前、
倫理法人会さんという会の
周年記念大会に、
ゲストとしてお招き
いただいたんですね。
その際に
「発顕還元の原理」
なるものをお聞きしました。
雨が降って山から川に、
海に流れていきます。
雲になって雨となる。
『水』は循環しているわけですね。
これが、“発顕還元の原理”。
でも、流れた水が
また戻ってくるのには
長~い時間がかかります。
同じように、
いいことをすればいいことが
帰ってくるわけですが、
時間がかかるので
すぐには判らない。
また、地元の徳島県から流れた水が、
地元に帰ってくるとはかぎりません。
東京に雨となって降るかもしれない。
同じように、
『いいことをしたら、
自分に返ってくるとは
限りません。
他人や子孫に返ることも
あるんです。』
・・・と、
そんなお話でした。
上記のことわざで言うと、
自分ちのめんどりが
よその家で卵を産んでるわけですが、
そこのお家のお父さんが
栄養ある卵を食べて
元気で長生きすれば・・・
また
ごキゲンでいてくれれば・・・
いつか回りまわって
自分に返ってくるかもしれない。
息子や孫に返ってくるかもしれない。
そう考えて、
人に良くして生きなさい、
ということですね。
僕にとっては新鮮で、
なるほど納得性のある
お話でした。
かつて
スペインのバスク地方の
とある町では、
星付きレストランのシェフが
「みんなでいっしょに
美味しいもん作ろうぜ。」
・・・と
レシピをすべて
オープンにしたことで、
町中に一流レストランが増え
世界一の美食の町サン・セバスチャン
として世界中の人が訪れる一大観光地に
なりました。
けっして直接のみかえりを
求めない行為が、
自分も含むみんなに
大きな発展を産んだわけです。
冒頭のことわざ
<家で鳴いたメンドリがよそでタマゴを産む>
は、
「ひどいやつだ!」と
非難したくなるのは
もっともだとは思いますが、
それはそれとして
『めざす生き方』
としてはぜひ!
その逆にいくべきですね。
どんどんヨソで
卵を産んでもらおう!
と考える方が、
もしかすると
とてもハッピーな人生に
なるかもしれません。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。