王八のたまごって!?【たまご鶏のことわざ その86】
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
たまご・鶏のことわざ第86弾、
今回は中国から。
<王八蛋(王八のたまご)>
忘八蛋(忘八卵)とも書きまして、
意味は
『恥知らず』
『くそ野郎』
とかの
かなりひどい言葉になります。
中国のノーベル賞作家・莫言さんも
たびたびこの表現をつかってまして、
たとえば代表作『紅い高粱』には
「最英雄好汉最王八蛋」
(男のなかの男こそがいちばんろくでなしだ)
なんて表現がでてきます。
由来はあるサイテーの人物。
むかし中国に
王建という人物がいました。
これがまぁひどいヤツで、
暴虐の限りを尽くした
ものすごい悪党だったのですね。
一族8番目の子だったため
「八」がついて
賊『王八』と呼ばれていました。
儒教の大事な教え「四維八徳」の
孝・悌・忠・信・礼・義・廉・恥
8つが無い、
または8番目の『恥』を忘れた
『恥知らずの』王さんだから
王八なんだ、とも。
そこから、
彼みたいな人を指して
「王八蛋(たまご)」
→『恥知らず』『サイテー野郎』
みたいな表現に
なったのですね~。
ん?
『たまご』ってなんで付いてるの?
って思うかもしれません。
じつは、
中国では「たまご」は
侮蔑のことばなんです。
「バカ」の代名詞でして、
蛋(たまご)がついた
揶揄する言葉がいくつもあります。
“王八蛋”も、
「王八のたまご野郎」
みたいなよりダメさ加減を
強調するためにくっついている
とも言えます。
たとえば
『笨蛋(竹たまご)』と書くと
「のろま」「まぬけ野郎」の
意味になります。
ちなみに
王八蛋は中国読みで
「ワンパーダン」
ここから日本語の
『あんぽんたん』
になった
という説もあります。
アンポンタンがたまご・・・!
ちょっとビックリですね。
◆カメのたまごは悪口
あと、中国の北部では
亀のことを「王八」と
古くから呼んでまして、
これが語源だ、
なんて説もあります。
亀って
寝取られ男とか
間抜け男、みたいな意味がありまして
王八蛋「カメのたまご」
はつまり
バカ×バカのダブル悪口
ともいえます。
大人気漫画のドラマ化
「パリピ孔明」(四話)では
ラップバトルのシーンで
この“王八蛋”が出てきまして、
字幕で(亀の子野郎)
みたいな補足訳が付いてました。
日本人的な感覚とは
ちょっとちがっていて
中華のたまご料理名にも
影響していて面白いんですよね。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。