万葉集から!?うぐいす卵とほととぎす【たまごのことわざ その85】
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
たまご鶏のことわざシリーズ
今回はひさびさに日本から。
<鶯(うぐいす)の
卵の中のほととぎす>
この「卵」は
たまごの古い呼びかた
「かいご」と読みまして、
すると
うぐいすの
かいごのなかの
ほととぎす
と5-7-5的な
慣用句になります。
(「たまご」読みでもなりますが・・)
これは、
『自分の子供なのに
実の親子じゃないよ』
という意味です。
うん、
今までご紹介した中でも
トップクラスに
使いどころのない
ことわざですね~・・
托卵(たくらん)と
いいまして、
自分で巣をつくらず
他の鳥の巣にコッソリ
たまごを産み
育てさせる鳥がいます。
カッコウが有名ですが、
ホトトギスも
托卵するんですね。
托卵する
ホトトギスの卵って
重さ3グラム程度でして、
されるウグイスが2グラム弱
ひそかにまぜるなら
都合が良いサイズ差なのかも
しれません。
ちなみに色はそっくり。
上記は
国立博物館のデータですが、
いちばん右だけが托卵、
ホトトギスの卵。
こりゃ分かんないですよね・・・!
そして、鳥だけじゃなく
ヒトでもありえるわけです。
子供が生まれ
育ってくる
だんだんと
顔だちなんかも
しっかりしてくる。
すると・・
なんか違うな。
そういう疑念が・・・
大手オンライン
恋愛相談サービス
「恋ラボ」の
アンケート調査によると
だいたい5人に1人が
浮気をしているのだそうで、
ことわざのような
シチュエーションは
少なくないのかもしれません。
ですが、
事実を伝えるとなると
これはなかなかハードです。
ビジネスの場では
伝えにくい、
厳しいことほど
前置きをおき
やんわりと伝えると
受け入れてもらいやすい
のだそうですが、
「お前の子供は
血がつながっていないんだ。」
なんて、
ショックの大きな
内容なんかは
できるかぎり婉曲な表現で
伝えるべきですよね。
すなわち、
「『ウグイスの卵の中の
ほととぎす』って諺が
あるけれど・・実は~」
なんて切り出すわけですよ。
そこに!
このことわざの真価が
あるのかも・・・
しれません。
◆1000年つづく由緒ある言い回し!
そして、
このことわざで
おどろくのは、
めっちゃ古くから
ある表現
だということ。
これ、
万葉集が出典
なんです。
つまり
千年以上前から
つづく表現。
鶯(うぐいす)の
生卵(かひこ)の中に
ほととぎす
ひとり生まれて
なが父に似ては鳴かず
なが母に 似ては鳴かず
という歌です。
万葉のむかしに、
ウグイスと
ほととぎすの
托卵関係に
よく気づいたなぁ
と先人の観察眼に
おどろきますね。
そして
今に至るまで
生活のなかの表現として
残っているというのも、
なんというか
変わらぬ人間の性を
感じますね~。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。