メニューに「〇〇卵使ってます」と書いても意味がない
飲食店さま、製パン洋菓子店さま向けに書いてます。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
ヨーロッパのことわざに、
『ガチョウの卵をもらうために鶏の卵を屋敷に持って行く』
というものがあります。
これは「エビでタイを釣る」、つまり
「価値の低いもので価値の高いものをゲットする」
という意味。
このことわざに、
飲食店さんの
お客様がワクワクする
『こだわりたまごメニュー表記』
をするコツがあります。
ことわざに学ぶポイントは2つありまして、
ガチョウのたまご>鶏のたまご
つまり、
➀価値の違いがハッキリあるということ。
そして、
②それを皆が“認識”しているということ。
たとえば
「ジロール茸を持って行ってモリーユ茸をもらってくる」
なんてことわざだったら、
「どっちが価値が高いのか分からないよ??」
となって、これじゃ意味が成立しないですよね?
こだわり卵の銘柄を
メニューなどで表記アピールしようと思ったとして、
『〇〇卵使用しています』
なんて風に書かれているものを時々見かけますが、
「それが価値あるたまごなのか分からない」
「その卵のことを皆が知らない」
という状況だと
書いても意味がないのです。
銘柄で広く誰でもが
「知ってる!」となるものは、
もしかすると「ヨード卵」くらいかもしれません。
ですので、ポイントは
「なにが優れているかを書く」
「皆が分かるインパクト価値の卵をえらぶ」
ということじゃないかと思うんです。
“優れている点を書く”とは、
『〇〇卵使ってます』
よりは、
「香りが絶品なハーブ卵を使ってます」
「白身の弾力ぷりぷりの若どりたまごを使ってます」
の方が断然伝わるということですね。
また、
「皆が分かるインパクト」とは、
ことわざの
「ガチョウのたまごです」
くらい判りやすいってことです。
かつて、
女優のグイネス・パルトロウさんが
以前料理本を出した際に
「アヒルのたまご 2個つかう」
みたいなレシピを書いたところ
「そんな高いもの使えるか!」って炎上したことがあります。
アヒルのたまごが流通量も少なく、
一個数百円する『セレブ御用達のレアもの』
という共通認識があったからこその炎上ですね。
ガチョウやアヒルってのは極端な例ですが、
たとえば
「鶏が初めて産んだ『初産み』たまごです」
なんてのだと、
入手可能でありながら
これは珍しい!という印象があって
食べるお客様のウケも高いです。
他にも
「産みたて当日に直送しています」とか
「歩いて5分の距離で生まれたたまごです」
「一年で一日だけ、金運が上がるたまごです」
「全国にたった3農場しか育てていません」
など、好評だった
「インパクト」の切り口はいくつもあります。
いや、本音を言いますと、
ぼくたち卵屋は
「自分の届けるたまごの銘柄をPRしてほしい!」
という願望はあります。
ですが、
それはまず
あなたのお店で、
ファンになって
ワクワク味に楽しんでいただいてから、ですね。
ぜひ、こだわりの食材としてPRをされる際のポイントとして、考えてみて下さいませ~。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。