小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご・鶏のことわざ 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざシリーズついに第40弾!今回は米国から。

<“好機”は卵のように、ひとつずつやってくる>(Opportunities, like eggs, come one at a time)

19世紀の米国作家、ヘンリー・ウィーラーショーの言葉です。

良いタイミング、勝負どころ、チャンス、好機…

人生にはこんな瞬間があります。

が、案外とその時って、わかんないものですよね。

後になって、

「あのときのおかげだよな。」

などと思い返してみて気づくものです。

そして、

わかんないだけに、見逃すこともあるわけです。

「ああ、あのとき挑戦しておけば良かったなァ・・・。」

なんて風に。

でも、

好機を逃してしまったことを悲観する必要はありません。

好機ってのは、

毎日生まれる卵のように、

自分があきらめないかぎり

何度も

なんども

やってくるんですね。

「チャンスの女神には前髪しかない」という諺があります。

これは『チャンスを後から追いかけても掴めない』・・・・・・という意味ですが、

重要なのは、

チャンスの女神は何人も何人も走ってくる、

ってコトです。

過ぎてしまった好機を嘆くくらいなら、

「さァて、つぎ行ってみよう!!」

という発想を常に持つことが、

ハッピーな人生を送るコツのようです。

僕の大好きな卵の格言です。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年10月19日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第39弾、今回はフランスです。

<卵を盗むものは、牛も盗むようになる>He that will steal an egg will steal an ox.

最初はちいさな出来心であっても、だんだんと大きな犯罪をするようになる、そんな意味です。

日本で言うと「うそつきは泥棒のはじまり」でしょうか。

最初っから大それた悪いことをする人って、いないんですよね。

まァ、これくらいならいいか。

そういう小さな気持ちがだんだんと倫理観を壊していくんですね。

だから、子供がズルをしたときやウソをついたとき、

はたまた友達のものを壊したとき、

厳しく叱ることがとっても重要なんです。

万引きでも、最近は「かならず警察に通報する」のが主流となっているそうです。

「悪いことは悪い事」ということに早めに気づかせること、

意外と思っているよりもずっと大事なことなんですねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

関連:たまごのソムリエコラム・・・たまご・鶏さんのことわざシリーズ一覧

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年09月23日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第38弾、今回は中国から。

<鶏に嫁入りしたら鶏に従いなさい(嫁鶏随鶏・かけいずいけい)>

結婚したら、夫が良くても悪くても一生つき従いなさい。
そういうことわざです。

“嫁鶏随鶏”のあとに“嫁狐随狐”と続く言い回しもありまして、とにかく鶏さんだろうが狐だろうが、一緒になったら共にすごしましょう、ということを言っているんですね。

人間は誰しも「長所半分・短所半分」と言います。

ゾウだろうがワニだろうがじっくり生活してみれば、腹の立つところも良いところも両方、誰にだってあるってわけです。

「ああ、なんで自分はこんなダンナと・・・」

なんて嘆くよりも、良いところを探して褒めて伸ばす、そういう人生もまた悪くないんじゃないでしょうか?

このコトワザは少々“男尊女卑”な言い回しにも感じますが、中国ですので儒教的な教えが影響しているのかもしれません。

 

そういえば
同じ鶏のことわざなのに、
前回のことわざと発想が逆ですね。

西洋東洋の考えの違いを垣間見たようで、ちょっと面白いです。

(参照:奥さまは口うるさく言うべき!?【たまご鶏のことわざ36】

 

とはいえ
実際のところは違う気もします。

中国出身の知人数人を見てますと、
私の知る限りたいへん奥さまが強い家庭ばかりなんですね。

“嫁鶏随鶏”というより
鶏随鶏”、

むしろ夫が奥様につき従っているようなイメージですねぇ。

日本でもそんなカンジかもしれませんが・・・。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年08月19日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ第37弾!今回は中国から。

<鶏骨支床(けいこつししょう)>

体が痩せ衰えて寝床から支えることがやっとの状態を表わしまして、それくらい憔悴しきって誰かの死を悼み喪に服していることを指します。

以前もお話ししましたが、古代中国では“鶏”は弔いをする際の捧げものだったんですね。

ですから、上の慣用句も、「鶏さんの骨くらい細い」という表現と、死に際しての「お供え」イメージのダブルミーニングとして使われているわけですねー。

そういえば、日本でも「鶏ガラみたいな体」なんて言う表現がありますね。

しかし、墓前に『お供え』するイメージのある食べものというと、

日本では・・・、エーと、

なんでしょうか・・・・・・??

・・・・・・あまり「コレ!」という『お供えの代表』、って食べ物が無い気がします。

日本の御弔いはだいたい仏教ですから肉はNG、さすがに鶏肉、ってのは無いかと思いますが・・・^^;

手元にある葬儀の本で調べてみると、「おそば」や「おはぎ」が良いとされているようです。

へー。

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お蕎麦は「そばにいる」の意、「おはぎ」は彼岸とこの世を「はぎあわせる」という意味があるのだとか。

まさかダジャレとは。

とはいえ、おはぎはなんとなく判りますけども、お蕎麦は普段食べなれているだけに、“葬礼”っていうイメージは、あまりうかばないですねェ・・・・・・。

お盆も近いですが、さて、どんなお供えが合いますでしょうか。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ニワトリは哀しみの中に【たまご鶏のことわざ その34】 – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年07月15日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ36弾、今回は英語圏から。

<めんどりが鳴かないと卵は産まれない>If the hen does not prate, she will not lay.

『口やかましい奥さんの方が家庭がうまくいく』、という意味です。

良い奥さまは、夫のことを思って必要なことをどんどん指摘する奥さまのこと。

英語圏はどこも“男女同権”先進国、レディファーストのお国柄だからでしょうか。

差し出がましいことは言わない・つつましやかで控えめな方が良い・・・なんてのは欧米の価値観で言うと「そんなんじゃダメダメ!」ってカンジなのかもしれませんね。

ホーソン効果、という社会実験のお話があります。

デトロイトのある工場が、「照明あかるさ」が作業効率にどう影響するかを調べる実験をしました。

暗い方が良いのか、明るい方が作業効率が上がるのか……

さて結果を見ると、照明の明暗による差はありませんでした。

ところが!

面白いことに、

両方とも作業効率がグッと上がった」んですね。

・・・・・・!?

これはつまり、

『工場スタッフの頑張りを、実験者が注目している』

たったそのことだけで仕事の成果が大きく上がったということだったのです。

『見ている』、

つまり普段、気にかけて声をかけることで、人のやる気は上がる。

このことが「ホーソン効果」とよばれ、マネージメントの一つの指標として企業の現場でも活かされています。

ご家庭でも同じですよね。

上のことわざの意味としては、

奥様が「どーでもよいわ。」と無視に近い状態よりも、たとえ厳しい一言だとしても、あれやこれやと投げかけをすることで、「ちゃんと気にかけてもらっている」というプラスの気持ちが生まれるのではないでしょうか?

うるさく言うめんどりさんのおかげで、素敵な幸せ(卵)が産まれる・・・・・・そういう事ですね。

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なんにせよ、ご家庭が明るいかどうかは、お父さんお母さん、そしてご家族にとって非常に大事です。 一緒に食卓を囲んで会話しながら食事しているかどうかで、子供の犯罪率が変わってくるという警視庁データもあるくらいです(参照)。 奥さまにかぎらず子供もトーチャンも、どんどん意見・会話をご家庭で重ねていくことが、うまくいく秘訣なのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:楽しみとガマンはワンセット(たまごの諺)その18-たまごのソムリエ日記

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年06月24日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ、今回は中国から。

 

<一人が道を得れば鶏も犬も天に昇る(鶏犬昇天:けいけんしょうてん)>

これは『出世した人のおこぼれ(影響)で、まわりの親族まで出世すること』を表わします。

いやー、大学生の半数が「コネが重要」と応えるほどの“繋がり重視社会”な中国らしいお話しですねェ……

◆危機一髪!国王の脱出◆
これは、むかしむかし、「漢」という国を作った英雄・劉邦さんの孫に劉安さんという方がいらっしゃいまして、この方は海南という属地方の王様でしたが、故あって謀反を起こしちゃうんですね。

が、反乱前に発覚してしまい追い詰められてしまいます。 その絶体絶命の劉安さんに、間一髪!神仙が救いの手を差し伸べてくれるんですね。

神仙サマからありがたい霊薬をもらい(レシピを授かり自分で調合したとの伝説も)それを飲みほすと、なんと・・・! フワフワと体が浮き上がり、すんでのところを逃れ天に昇り、仙人となることができたんですね。

そして、その時!

同時に家で飼っていたニワトリさんとワンちゃんまでもがフワフワと浮きあがり、一緒に天まで昇っちゃったわけです。

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このエピソードから、『一人が出世すると、たとえ能力が無くても親族や側近まで出世する』 という意味で使われるようになりました。

以前もお話ししましたとおり、『犬とニワトリ』というと“人間と最も近い動物の象徴”でして、“親族や側近”の比喩としてはうってつけのコンビなんですね。 ちなみに中国の古典では“犬鶏”と書いてあると「人が住んでいる村里」の事を表すくらいなんですね。

中国は、現代でも強いコネ社会なんだそうです。 これは、長い動乱が続いた事から敵味方をハッキリさせ「関係」を重視する風土ができあがったからだとも言われています。

仲間をだいじに。

そう考えると悪い事ばかりでもないのでしょうが、こと“政治”となるとそうはいきません。

日本は、この夏には参院選、全国いろんな方が出馬されます。 鶏犬昇天じゃなく、実力発揮のうえで、政策を戦わせてほしいものですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年03月30日